プロローグ
主人公も男主も頭おかしいです。
ギャップっていいよね、チャラくてもかっこよくてかわいくて危ない感じだけどやっぱりかわいいメロいみたいな男が書きたかったんですが、なかなか難しいですね。はじめてなので大目に見てください。
昔から無鉄砲で、損ばかりしていた――というわけではないけれど、思い立ったら行動力だけはある方だった。馬鹿まじめで結果は伴わない場合も多かったけれど。
「え~はるか、そのテニサーに入るの?!」
「うん。」
「え、そこ、テニスしないところって聞いたけど、大丈夫?」
春。入学式の季節。新入生は大量の新歓パンフレットを歩いているだけでもらう。
入るサークルによってこれからの大学4年間をどのように過ごすかが決定づけられるといっても過言ではない。それゆえ、新入生は慎重になるが、人数を早めに確保したいサークル側は、新歓イベントは過激に目を引くように競い合う。このせめぎあいがまだ始まったばかりの4月の初週に私はすでに入るサークルを決めたのだ。
テニスサークル、フガール。
「テニスしないってどういうこと?テニスサークルなんじゃないの?」
「だから端的に言うとヤリサーなんだって!」
高校からの友達である紗季が心配そうに眉を寄せた。
「はるかが真面目にテニスしたいなら別のサークルをおすすめするよ、ほらこれとか…」
紗季がたくさんあるパンフレットの中からいくつか提示しようと候補を探している。
「いや、もう決めたの。私、一目惚れしたから。」
「えっ?!」