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対面する (レオナルド)

私の名は、レオナルド・カールトン。


カールトン王国の第1王子として生まれた。


10年前に母が亡くなってから、生活は一転した。教育係がほぼ辞めさせられ、毒に脅かされ、異母弟からは罵られる事が日常になった。


そんな生活の中で、現王妃であるイザベラ様に第3王子の側近にマーロン家の次男を宛てがいたいから誘惑してこい、完遂できるまで帰って来るなと言われた。


そして次の日、本当に荷物1つで馬車に押し込められた。


出発する直前で宰相が走らないギリギリの歩き方で来て、


「こちらは陛下からの親書になります。マーロン侯爵にお渡し下さい。侯爵にならあなたをお任せできます。タイミングが今しかございませんでした。申し訳ございません。お元気で。」と小声で伝えてきた。


そして、宰相は御者に向かい「すぐ出してくれ」と言った。


小さくなって行く宰相を見ていると、現王妃と第2王子が宰相に向かって当たり散らしていた。


確かにこれを受け取るには邪魔をさせないいいタイミングだったのだろう。




そして侯爵家の出迎えを受け、侯爵の話を聞いて


愕然とした。


現王妃の話はデタラメ?


王位継承権放棄?


王宮には2度と帰れない?


4歳の侯爵の娘と婚約?


その娘が成人する12年後に結婚して平民?


陛下がどうにかする?


とてもじゃないが、どれ1つ信じられるモノがなかった。


そのまま倒れて、丸2日寝ていたのだそう。



今後を相談しに侯爵の所へ行こうとしたら夫人に止められた。


長男の留学先に付いて行っただと?


早くても帰って来るのは半年先だと?




宰相よ、人選ミスじゃないのか?




「まずは、沢山食べて健康を取り戻しましょ。細すぎるわ。未来の息子殿。


息子2人は母上、娘は母様と私を呼ぶわ。好きに呼んでちょうだいね! そしてあなたは家族の温かさをここで学んでちょうだい。


私、あなたの次かあなたより上か分からないけど、ま、あなたと同じくらいに現王妃様に嫌われてるの。だから仲良くしましょうね~


食事を運ばせるわ。少し待っていて。」



しばらくして食事は運ばれてきたが・・・


婚約者となった4歳の令嬢も運ばれてきた・・・


私はベッドから出してもらえないようで、ベッドの横に椅子をおいて夫人が座り、


なぜがベッドの上に令嬢が配置された・・・。



夫人が胃に優しいモノを用意させたようでお粥みたいなのをスプーンですくいふぅふぅとして食べさせるのかと思ったら、寸前で止まり、


「あら、毒味忘れてたわ」と自分でパクり。


「う~ん、美味しい」と頬を押さえている、




こちらはガクリ。食べさせてもらいたかったわけではないが、


(そんなことされたことないし、恥ずかしいからな!)


夫人のそんなところがイザベラ様はイライラするのか?と考えてしまう。



宰相よ・・・。



気を取り直してふぅふぅ「あーん」と夫人にスプーンを出されると、今度は視界の隅であーんと餌付けを待つ雛鳥にようにして待つ令嬢がうつる。



俺よりこちらの令嬢に食べさせたほうがいいのでは?と口をとじて、令嬢に目をむけるとまだあーんで待っている。



すると夫人が、


「うふふっ、あらあらまあまあ。シャンディったら。でも病人が先です。 」と笑いながら、


「誰かリックを呼んできてちょうだい」



「母上?」とひょこっと顔出した次男に、


夫人が


「ふふっ、シャンディがあーんに反応してしまうのよ。あなたがシャンディにご飯をあげてもらえる?」


「はい、わかりました・・ぐはっ、シャンディまだあーんのまま待ってる ほら、こっちだシャンディ」



こうして初顔合わせは終わった・・・

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