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旅立ち

結論から言うと、あの後第1王子は倒れてしまい、皆でお茶をすることは叶いませんでした。


何度か様子を見に行ったけど、起きる気配もありません。そっとしておきましょう。


父様とクリス兄様の旅立ちです。


「父様、オーエンで着るお洋服はどれですか?」

「?、どうしたのだ?」

「ちょっと服に術をかけておきたいのです。」

「・・・ちなみにどんなモノだい?」

「肩からニョロニョロです!」

「ニョロニョロ・・・」

「前回の時、1人だけ仲の良いチェンって子がいて、といっても人ではなく精霊なのですが、このニョロニョロを使って遊んでいたので私の事を思い出したら父様の近く来るかなーって思って・・・」

「そうか。では、チェンとやらがこちらに来たら私も見ることは出来るのかな?」

「ムリかもしれません。でも見えなくても不思議な事が起きるので近くにいる事は感じられると思います。こちらからの言葉はチェンに伝わるので、その時にシャーロットはシャンディアナとして生まれ変わって元気にしてると伝えてほしいのです」

「ああ、わかった その時は必ず伝えよう!」

と言って頭をなでなでしてくれます。


「あと・・・これを一緒に持って行って下さい。」

と言って私の頭の大きさ位の巾着を渡す。


「・・・・・」


(そうだよね!!!変だよね!?!?

だって、だって!イルナ⬅️私の侍女に巾着を作ってとお願いしたら、こんなに沢山のフリルやリボンを付けてしまうんですもの・・・)


「あ、あの・・・イルナに頼んだら私が使うモノだと勘違いしてラブリーな感じに・・・」

「・・・・」

「で、でも術をかけておいたので便利なはず!! 

ほ、ほら!!こうやってこの巾着の入り口から入るモノならどんどん入ります!重さも感じないし、食べ物飲み物はその中に入れておけばいつでも新鮮! 見た目より機能性!!

ただ空間術は不得意でしたので容量はこの巾着100個分・・・は言い過ぎかもしれませんが・・・」


「・・・・・」


父様はその巾着を前から見たり、下から見上げたり、開けてみたりしながら

お口をあんぐりと開けたままの状態でクリス兄様に渡します。


(やっぱりリボンの数が多過ぎたのかしら・・・)

「・・・ごめんなさい」


「あっ! 違う違う!」

と言ってぎゅうっと抱きしめてくれます。


「あまりにも凄いモノで驚き過ぎた!なんだか全く違う世界だなオーエンは、気合いを入れ直して向かわなければな、クリス!」

「はい、そうですね父上。シャンディ素敵なモノをありがとう」

そう言ってクリス兄様も頭をなでなでしてくれます。



「ところで、レオナルド様はずっとこの屋敷で過ごすことになった。昨日私と話すまで何も聞かされていなかった。頭がパンクして倒れてしまったのだろうな・・・


だから何も起こらなければ良いが・・・

家のことはシャーロット、任せたぞ。


それから、リック。私とクリスが半年から1年は帰って来れぬかもしれぬ。男手はお前だけだ。母と妹をしっかり守ってくれ」


「うふふっ、安心して下さいな。あなたもクリスも気をつけて」

(抱き合って、キスしてる~)


「はい! 母上とシャンディは俺が守ります!!」

(敬礼してる!!あはっ!)


父様は私に顔をむけます。


「シャンディ、婚約の件はムリをせず、遠縁のお兄さんが遊びにきたとでも思って接してなさい。いいかい?ムリをしないことだぞ、約束できるかい?」


「(私との約束が1番簡単だもの、できるもん。でも、離れると思うと悲しい。さっきまでリック兄様の敬礼に笑ってたのにぃぃ)

・・・はい・・うぐ・・・ひっく・・・約束・・・しま・・す・・どうか無事に・・・うぐっ・・・」


我慢出来ずに手を伸ばしてしまいます。

すると、

「お先に・・・」と言ってクリス兄様に抱き上げられました。


「む・・・」と父様の声。


「シャンディ泣かないで。僕の事忘れないでね!」

「忘れるはずありません! クリス兄様大好き!」

「あははっ 僕も!」


次に父様に抱っこしてもらいます。

「心配せずに、毎日を楽しめ、シャンディ」

「はい、大好き父様」と言って父様の頬にキスを送ります。


涙目のリック兄様も父様に抱きつくと、父様はリック兄様も片腕で持ち上げます。

「ははっ、リックもまだまだ甘えん坊だ!」

何も反抗せず、父様にしがみつき、鼻をすすってます。


クリス兄様は母様にぎゅうぎゅうに抱きしめられ

「ぐえっぎぇっ」と奇声をあげてます。


こんな感じで涙あり、笑いありで父様と兄様は旅立ちました。


その次の日、第1王子が目が覚めたとの連絡が来ました。

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