クロード・コルコルド
「いや~、本当に帰宅してからすぐ転移魔法陣を設置してくれたんだね。一時的に結界も消してもらってすまなかったね。かなり頑丈で私達では解除できないほどで驚いたよ。痛っ、クロード痛いぞ! あー、ハハハっ、マーロン侯爵。感動の再会に水を差したようですまないね、ハッハッハ、道中何もなく無事だったかい?痛っ」
「・・・」
マーロン侯爵が涙を流しながら再会を喜んでいるところに私達が参上した。
完全にタイミングをミスしてな・・・
私はコルコルド公爵家次男クロード。
この場違いなトーンで1人盛り上がっているのは父のアーサー・コルコルド。
我が妹もしらけた目を向けている。
いや、でも、だって心配だろう?可愛い妹がひと目惚れして名前しか知らない国に嫁に行くなんて。
それにこのタヌキ親父に馬車移動で3ヶ月なんてムリ。
喚き、騒ぎ、愚痴って周囲の士気を下げる。
いない方が絶対にスムーズ。
それでも、娘が嫁ぐ国をこの目で確認する役目が私にはある!と、うるさいので、1人でこちらにお邪魔させるのも心配だからと私が付き添うことになった。
とりあえず、自力で帰国チームは湯あみして旅の汚れ、疲れてをとってもらい
その後、皆で食事をとることにしようとなった。
その間にこの家の末っ子に興味が湧く。精霊と抱き合っている。なぜ触れられる?
さっきまでただならぬ気配がありながら姿を見せてなかった、聖獣が姿を現し、末っ子にしっぽを絡ませている。
この子だけ魔力持ちだと聞いていたが、かなりの量があるな。父と2人がかりで解除できなかった結界は本当に見事だった。
この子だけ、魔力をもつなんて有り得ることなのか?
不躾に観察してしまっていたようだ、鋭い視線を長身の男から投げられた。
肩をすくめて視線を外に向ける。それにしてもこの結界はよくできている。