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儂はもう何年もここで体を休めている。
今の世は人と人の醜い争いから、魔獣との争いになってきている。
昔、争いで友を失ったであろう精霊が、泣き叫び、ひと月ほど雨は降り止まず、風は竜巻のように吹き、大地は荒れた。
このままでは儂の域まで及ぶのでそれを収めに行った時に出会ったのが此奴。
話を聞けば此奴が失ったであろう友は、人にしては強大な魔力を持ち、心を覗くと綺麗な、あの争いに無理矢理加担されていた幼子だという。
儂もあの幼子なら誓約してもいいと思えたほどじゃ。
思いを吐き出させて落ちついた精霊はあの地に残るという。心穏やかに過ごせぬだろうに、それでも自分は精霊としても半端者だし、仲間もいないし、腐ったあの地くらいが調度いい。と帰って行った。
その精霊がさっき儂を訪ねてきた。
なんでもあの幼子は遠い地で生まれ変わっているのだと。今はまだ幼く(あの時も幼く感じたが)その親がはるばるここまで来たという。
しかし、言葉を交わせず苦労しているので助けてほしいと。
あの幼子とは通じあえてたようじゃが、半端者とはそういう事か。それにその後も友と呼べるモノには出会えなかったのか・・・ま、儂も此奴の事は言えぬが。
「・・・ここに連れてこい。儂は今は思い通りに動けぬ。だが話はできる」と言うと分かったと言って戻って行った。
話が通じずにどう連れてくるのか待っていると、目印を飛ばし、人間を後ろから風で押しながらやってきた。なかなかに器用じゃな。
4人を眺める。ふむ、あの幼子の雰囲気を僅かに感じる彼奴が親か・・・
他は・・・怯えている者に、不審を抱いてる者。
「・・・お主の娘は元気か?」
「「「「!!っ」」」」
(私に目を向けている。
親だとわかるのか?これは書物で見た聖獣様か?)
「は、初めてまして。ジョージニア・マーロンと申します。
こちらで過ごした記憶を持ちながら、私の子として誕生したシャンディアナという娘がおります。魔術の無い国カールトンから来ました。以前の半分以下と言っておりましたが魔力を所持しております。元気にしております。」
「そうか・・・ここにいた頃のあの幼子には気の休まる時などなかっただろうからな。今が幸せなら良かった。
・・・さてチェン、お前はこの者達に何を言いたいのだ?」
「ふんっ、一応連れてきたけど、もう大丈夫だ。多分あいつに頼まれて魔法陣や魔法石を買いに来たんだ。でも10倍以上の値段で買わされそうになってたからどうにか止めてたけど、俺がここに来ている間に買っちまった。んで、今は帰る金にも困ってみたいだ。マヌケ野郎だなと言ってくれ」
「「「「・・・・・」」」」
「な、なんだ?」
「ハッハッハ、聞こえるようにしてやった。存分に話し合え。」
「っ! 先に言えっての!!」
(((( 激しく同意っっ!! ))))