ジョージニア
1つ目の目的を早々に果たせたのは良かった。
(まさか私から異臭がしていたとは・・・)
しかし、こちらの言葉は通じても相手の言葉が聞こえず、姿も見えないというのはなんとも不便だ。
そして次の目的、ペン&紙&石だ。
コレが高い!
しかし、仕方がないと金を出そうとするが、財布から金が取り出せない!
チェン?なのだろう。ふっかけられてるのか・・・
店主め、魔法の使えぬ他国の者と判断しての仕業か。
その店を諦めて次の店に行っても同じような値段で同じように金が出せぬ。
「チェン、もうこれはどこの店でも一緒だろう。買うしかないのでは?クリスどう思う?」
「シャンディに聞いておけば良かったですね。失念していました。でも手ぶらで帰るわけにはいかないので、悔しいですがふっかけられても支払うしかないと思います。」
(ばーか、10倍以上の値段で売ろうとしてるんだよ!この国で買うのは諦めた方がいい!クソ、通じないって面倒くさっ!少し待ってろっ!あー聞こえてないよな・・・チっ)
うーむ、そうだよな。というかこの国全体が暗い。あまり長居はしたくないのだか・・・違う国に行ってみるか・・・
しかし、そうなれば帰国が遠のくばかり。
早く家族に会いたい。
リックは頑張りすぎて空回りしていないだろか。
シャンディはムリをして泣いてないだろうか。
あーシャーロット・・・君の顔を見てしまったら、1週間は寝室から出すまい。
早く帰ってこの手で皆を抱きしめたい。
「とりあえず、今日は疲れた。1つ目の約束は果たせたのだ。宿をとって体を休めよう。」
と、宿を確保して(これまた高い!)、風呂でさっぱりとし(3回は洗ったぞ)、体を休め、次の日に同じ店に行くと、昨日よりも値段が上がっている!もう1つの店も同様。
ふざけるなっ!!
仕方なく支払い、残金がほとんどつきてしまった。
(チェンが邪魔しなかったということはもう側には居ないのか?)
これからどうしようかと途方暮れていると、何かに押されているような感覚。
「チェンか?」
(あーそうだよ!金を払ったのかバカが。ついてこい。)
「花が動いている・・・これの後をついていくのだな。承知した、皆行こう」
「「「「・・・・」」」」
「父上・・・これはどこまで行くのでしょうか。本当にチェンでしょうか・・・」
クリスが愚痴るのもわかる。
朝、朝食をとってから宿を出て目的のモノを買ってからずっと歩いてるのだ。すっかり辺りは暗く、花をしっかりと見ていないと見失ってしまう状態だ。この森に入ってからもずいぶん経つ。
土地勘がないら余計に不気味だ。
「・・・ここまでついてきたのだ。このまま信じてついて行こう。」
私達は歩き続けた。