第六話•報告
3ヶ月ぶりの投稿です。
1939年9月14日
ゲルタニア首都、クロゼア•シュヴァルゲン
ゲルタニア総統のアドラ•ローゼウは嬉々としていた。なぜなら、がルニアの首都を第二装甲軍が一週間とかからずガルニアの首都を制圧したこと、
そして赤軍が密約通りにガルニア東部から侵攻を開始し、すでにガルニアは瀕死の病人であると報告を受けたからだ。
「うふふ...これは1000年帝国が実現する日も近いかもね。ふふふ…」
喜びのあまりに笑みがこぼれる。
そんな中、執務室の扉をノックする音が響く。
(ん、誰かしら?)
「失礼いたします。総統閣下。」
扉を開けて入ってきたのはゲルタニア国防軍最高司令部総長であり、党のナンバー2のリューベック元帥であった。
「あら、リューベックじゃないの。どうかしたの?もしかしてなにか良い報せでも入ったの?」
ローゼウは子どものようにキラキラとした期待の目でリューベックに尋ねる。
「はい。先ほど、ヴァイトリッツらがガルニアの政府首脳陣を捕縛したそうです。」
「本当に!?」
リューベックからもたらされた報告に耳を疑った。
なぜならこういう侵略を受けて制圧される寸前の国家の首脳陣というのはとっくに亡命しててもおかしくないからだ。
「その首脳陣は本物?替え玉とかではないわよね?」ローゼウは念には念を言わんばかりに尋ねる。
「ええ、本当です。捕縛後に憲兵隊に写真で耳の形など細部を照合させたところ、本人達と一致したため、間違いないとのことです。」
リューベックは現場の憲兵隊から伝えられたことを嘘偽りなく、ローゼウに報告する。
「憲兵隊が言うなら...間違いないわね。」
ローゼウも納得した様子を見せた。
「ところで、首脳陣の処遇は...。」
「まずは厳重な監視下で幽閉するよう伝えなさい。」
リューベックがガルニア首脳陣の処遇について尋ね終える前に、ローゼウは首脳陣の処遇について答えた。
「了解です。現場にはそうお伝え致します。」
リューベックはそう言って執務室を後にした。
「うふふ...なんて運がいいのかしら。」
ーーー同日、ガルニア首都ーーー
「と、いうわけだそうだ。お歴々には、窮屈な思いをさせることにはなると思うがその辺りはご了承願いたい。なるべく不自由はないよう努力はいたしますので。」
リューベックからの命を受けたヴァイトリッツは
ヴァイトリッツなりに丁寧な言葉遣いで、
少しばかり怯えていふガルニア首脳陣を幽閉予定の部屋に入れる。
部屋自体は広々としており、掃除も行き届いてる様子で見る分には不自由はなさそうだ。
「何か困った点がありましたら、すぐに監視役を通して私にお伝え下さい。それでは。」
ヴァイトリッツはそう言って扉を閉じると、そそくさと外へ向かった。
「さて、俺はイワン共を迎える準備をしなくてな。」
ヴァイトリッツは一言呟くとゲシュトラントの下へ向かったのだった。
今回はいつもより短めです。ごめんなさい。