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第六帝国  作者: 戦艦備前
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第四話•会議

お久しぶりの更新です。

一話あたりが短すぎるのではと感じたため、

今回は結構長めです。

数時間後…

ガウチェスキー将軍は満足げな顔をして

第二装甲軍司令部の司令官室から出てきた。

部屋の外の椅子に腰掛けて待っていたゲシュトラントはガウチェスキーの様子を見て、ラヴォニア守備隊の降伏交渉は上手くいったのだなと感じた。

「その感じだと、交渉は上手く行ったぽいな、将軍。」

「うむ。あのヴァイトリッツとかいう若造、中々話の通じるやつであったぞ。」

ガウチェスキーは上機嫌だ。

「よし、ラヴォニアに戻るとしようかの。運転頼むぞ。ゲシュトラントとやら。」

ガウチェスキーはそう言うと幕僚たちを共に表には現れていないが嬉々とした足取りで歩き出し、そのまま駐車場へ向かった。

ゲシュトラントはガウチェスキーと幕僚たちの後ろをついて歩きながら心のなかでふとつぶやいた。

(親衛隊の上層部連中には後でしっかりとラヴォニアとその市民に手を出すなと口止めしないとな。)


数十分後、ラヴォニア。

「よし、これで大丈夫だ。」

親衛隊の上層部へラヴォニアとその市民へ手を出さないように釘を刺す連絡を終えたゲシュトラントは

自身の指揮戦闘車に乗り込む。

「もう行ってしまうのかの?」

ガウチェスキー将軍は名残惜しげに

ゲシュトラントに尋ねる。

「あぁ。残念ながらのんびりしている暇は無くてな。」

「そうか…達者でな。ゲシュトラントとやら。

そして…死ぬでないぞ。」

ガウチェスキーはまるで孫を心配する祖父のようにゲシュトラントに念を押す。

「言われずともわかっているさ。将軍。」

ゲシュトラントはそう一言だけ残し、指揮戦闘車と

配下の部隊の戦車隊を発進させ、ラヴォニアを去っていった。


ーー場所は変わり、ガルニア東部、ヴィールチィエ連邦との国境地帯…ーー 

一人の警備兵が噂話について同僚の兵士に語りかけた。

「なあ、知ってるか?連邦の奴ら、俺たちとの不可侵条約を破って攻め込んでくるんじゃないかって噂になってること。」

彼の話を聞いた同僚の兵士は何をバカなことをと言わんばかりの顔で言い返す。

「知ってるが…まさか…そんなことないだろう…仮にそんなことが起ころうもんなら連邦はアルビニアとフランクランドを敵に回すことになる。

連邦はヴィッサリミナとかいうクソガキが指導者らしいがそのクソガキでさえも連合国を敵に回すことは得策じゃないってことはわかっているはずだ。」

「ハハハ。まぁそうだよな。」

そんな他愛のない会話を交わす二人であったが、

数日後の()()()()()の最初の犠牲者になること二人はまだ知らなかったがためにこんな他愛のない会話が成り立つのである。


1939年9月13日…

開戦から2日経つがゲシュトラントの第八装甲師団は

さしたる抵抗もないまま、平野を前進していた。

平野ののどかな風景とときおり見かけた平時ならば民間人が暮らしてたであろう無人の住居は

いまが戦争中であることを忘れさせそうになる。

「全く…こうも会敵しないとはな。敵さんには平和主義者が多いらしい。」

ゲシュトラントは全くと言っていいほど会敵しないためか、ガルニア軍に対して皮肉をつぶやく。

結局、この日も敵に出会わないまま、

作戦目標地点を予定よりも2つ多く攻略し、夜を迎えた。

ーー第二装甲軍前線会議室ーー

臨時に設けられたテント張りの前専用会議室にて

第二装甲軍司令官ヴァイトリッツと

ゲシュトラント含む第二装甲軍隷下の

各装甲師団の師団長達が敵首都とその周辺の地図と首都攻略における部隊配置を意味する駒が置かれた木製の机を囲む。

厳かな空気の中、司令官ヴァイトリッツが口を開き議題、というより質問を切り出す。

「あまりにも敵の抵抗がなく、このまま行けば敵首都一番乗り夢ではないが…我々は他のどの部隊よりも突出してしまっている。だが、空軍からの援護も砲兵隊からの援護も十分にあるので私はこのまま進軍すべきだと思ったのだが、諸君らはどうであろうか。」

その質問に対して真っ先に口を開いたのは、

第五装甲師団のケモミミの師団長のテルミナ少将であった。

「進軍を続けることは断固反対です!!司令官殿!!」

彼女は進軍に反対した。

「なぜだ?」

ヴァイトリッツは不思議そうにテルミナ少将へ質問する。

「敵首都の防備はかなり強固なものであると思われます!!いくら空軍や砲兵隊からの援護があるとはいえ我々だけでは攻略は難しいでしょう!!それに敵は仮にも正規軍ですよ!!これまで大して抵抗しなかったのは首都とという大きなエサにかかった我々を包囲するための作戦という可能性も考えられます!!ですから、進撃には断固反対です!!せめて第三軍と第四軍の合流を待つべきです!!」

テルミナ少将はこのまま進軍することの危険性について熱弁した。

ヴァイトリッツは表にこそ出さなかったが少しばかり落胆した。なぜなら

彼女の意見に他の師団長たちも私も同意見だと言葉で言う者、態度で表す者が相次いだからだ。

ただ一人の師団長、ゲシュトラントを除いて

「よろしいかな。」

皆が反対意見で固まりつつある空気の中で、

ゲシュトラントが挙手をした。

その瞬間にヴァイトリッツが発言を許可する前に

意見を述べた。

「テルミナ少将の言うことは理にかなっているし、ごもっともだ。

しかし、皆も知っているだろう。西側からの支援を受けているとはいえ、奴らの装備は旧態依然としたまま。仮に包囲されたとしても第三軍、第四軍は即座に駆けつけれるようになっていると双方の部隊の司令官殿から連絡を受けていたし、なんなら我々だけで突破も可能だろう。それに、()()()()()()()からな。むしろ進撃すべき理由しかない。」

ゲシュトラントの意見にテルミナ少将は食ってかかる。

「あまりにも非合理的です!!あなた正気なのですか!?」

「正気だとも。それに、ときには非合理的になることも必要だ。」

「だがまぁ、最終的に決めるのは司令官殿だ。

司令官殿が()()()()()といえばそれに従う。」

そう言ってゲシュトラントは目線をヴァイトリッツに送る。

「ムムム…」

ヴァイトリッツはどちらの意見を採用すべきか腕を組んで熟考する。

そのまま静寂が会議室を支配し数分の時間が経った。

そして…

「よし、決めた。今回はゲシュトラント少将の意見を採用する!!」

ヴァイトリッツの静寂を破る決断が会議室にこだました。

ヴァイトリッツの決断にゲシュトラントを除く師団長達が次々と抗議の声を上げるがヴァイトリッツは頑として考えを曲げない。

「師団長諸君らの気持ちも分かるが、決まったものは決まったものだ。再考はしない。

それに私は諸君らを強く信頼している。

なぜなら師団長諸君がどのような状況に陥ったとしても敵を必ず排除できることを私は知っているからだ!それに敵首都攻略は私も陣頭で指揮を執ろう!!」

「これにて会議は終了!師団長諸君は自身の師団に戻り、出撃に備えるように!!」

ヴァイトリッツは高らかに宣言した。

ゲシュトラントを除く、

テルミナらヴァイトリッツの決定に不満げな各師団長たちではあったがヴァイトリッツの 発言を受けて少しは納得したのか、皆、自身の指揮下の師団の司令部へ戻っていった。

(戦前から司令官殿と交流しておいて正解だったな。)

第八装甲師団司令部へ戻る途中ゲシュトラントは内心ほくそ笑んだ。


続く…




















あらすじにも書いたけど、ゲルタニアは多民族、多種族、多宗教の国です。

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