私たちの謹賀新年（きんがしんねん）
「うーん……もう、朝？」
「どうだろうね。もしかしたら昼かもしれないよ」
布団の中の同居人が寝ぼけた様子で時刻を尋ねて、いいかげんな答えを私が返した。彼女も私も同じ布団に包まっていて、どっちも外に出ようとしないから正確な時間なんか分からない。分かるのは、今日が一月二日ということくらいだった。
「昨日は激しかったよね……その、色々とさ」
まだ眠そうにしながら、ちょっと恥じらって彼女が言う。昨日の私たちは昼過ぎから、布団の中で仲良くしていて、そうしたら携帯から『地震です』という音声メッセージが流れてきて。私たちの地域は揺れも少なかったけど、彼女は怖がって私から離れなくて。そのまま仲良く、今に至るのだった。
「そろそろ、服を着る？」
「……やだ、このままでいて」
そう彼女から甘えられて、私は再び、布団の中で堕落する。世間から眉を顰められることも多い、私たち同性カップルの新年はこうしてスタートした。幸せでご免。
