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退屈な人生を歩んでいたおっさんが異世界に飛ばされるも無自覚チートで無双しながらネットショッピングしたりする話  作者: 菊池 快晴@書籍化決定


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49話 普通のおじさん、手助けおじさん

 森を抜けた先に、ミルストという小さな町がある。

 先日旅人とすれ違ったときに話を聞いたのだが、とても親切な人たちだったとのことだ。


 特産品は何と「サケ」らしく、ククリはそれを聞いてからずっとルンルンだった。

 だが森の中にサケがあるのだろうか? 


「シャーケ、シャケシャケシャーケシャケ♪」


 ちなみにこれは、ククリの考えたシャケソング。


「チョコットチョコチョコチョコレエト♪」


 これはエヴァのチョコソング。

 お姉ちゃんの真似をしたくなる妹、みたいな感じだろうか。


「もうすぐ町だ。二人とも、魔物避けの歌をどうもありがとう」

「はい! 楽しみですねえ」


 木々を抜けようとした瞬間、エヴァの顔つきが変わった。

「――シガ、何か(・・)感じる」

 

 同時に、私も気づく。

 前方から悪意を強く感じる。


 その瞬間、鼻先に焦げ臭い匂いがした。

 空を見上げると火柱が上がっている


 ――火事だ。


 普通なら事故だと思うが、ここは異世界だ。

 考えるのはまずそっちじゃない。


 二人に視線を向けたが、ククリとエヴァは行く、と目で答えていた。


「――行くぞ。二人とも私から離れるなよ」

「はい!」

「わかった」


 足に魔力を漲らせて、いつもより何倍も早く動く。

 ククリはもちろんだが、エヴァも魔力の使い方が上手になってきたのだろう。

 かなり早く動けるようになっていた。


 そして私たちは、町の前で思わず足を止めた。


「なんだこれは……」


 襲撃されたんだと一目でわかる。多くの家が破壊されていた。

 屋根には矢が放たれたり、いくつかの家がそれによって燃えている。


 そのとき、悲鳴が聞こえた。


 気づけば足が動いていた。

 町に入った瞬間、銀甲冑に身を包んだ兵士が、母親と子供に切りかかろうとしていた。


 鷹の紋章みたいなものが肩に記載されている。


 その情報が、私の身体を止めてしまう。

 冷静沈着のせいだろう。短い時間だが、頭がよくわかる。


 襲われているのは事実だが、私にはその理由がわからない。

 兵士であれば無差別な侵略は考えづらく、何らかの遺恨、もしくは軍事的な可能性がある。

 

 そこに助太刀をするのは、かなりのリスクだ。

 後ろ盾もない私たちがもし追われることになれば、今後の旅に大きな影響を及ぼすだろう。


 コンマ何秒かで計算してしまう。

 そもそも何のゆかりもないのだ。


 答えは一つ、ここから立ち去れと考えが浮かぶ。


「きゃああああっ」

「黙ってろ」


 だが――。


 ……そんなもの、クソくらえだ。


「――誰だおまえ?」


 私は、咄嗟に前に出ると、兵士の剣を受け止めた。


 先手必勝はわかっている。だが最低限の情報は集めないといけない。

 教えてくれるかどうかわからないが。


「旅人だ。なぜ町を襲ってる」

「お前に答える義理はねえよ」


 その姿を、ククリとエヴァは眺めていた。

 いや、私の決断を待っている。周囲から悲鳴が聞こえる。


 どうする、どうする――。


 いや、答えは一つだ。


 私は、私として生きる。


 もう、後悔はしないと決めたはずだ――。


「どけおっさん、死にやがれ――」

「ああ、わかった」


 そして私は、兵士の右腕を甲冑ごと切り落とした。

 殺そうとしていたのは母子だ。それも子供はまだ五歳にも満たないだろう。


 どんな理由であれ、それは許されるものじゃない。


「ギャアッッアアァアッアァアアアアアア」


 血を吹き出し、男が地面にのたうち回る。

 それを見てククリとエヴァは、近くの兵士に狙いを定めた。

 

 無差別ではなく、他人を傷つけようとする兵士をだ。


「殺すな! だが、手加減はしないでいい!」


 私は、その場で叫ぶ。

 そして仲間がやられたと気づいた兵士たちが、私を取り囲んだ。


 だが私を説得しようとするそぶりもなく、剣を構えている。


 実にわかりやすい。どちらが悪いかなんてもはや関係ない。


 私は、この町を守る――。


【大事なお願いです】


「おじさん好き」

「ほのぼの好き」

「この話の続きが気になる!」


そう思っていただけましたら

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