表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
退屈な人生を歩んでいたおっさんが異世界に飛ばされるも無自覚チートで無双しながらネットショッピングしたりする話  作者: 菊池 快晴@書籍化決定


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/51

18話 エルフ族ククリの密かな想い

 私は忘れようとしていた。

 現実から目を背けようとしていた。


 エルフの里から追いやられ、奴隷商人に拾われ、生きているだけで幸運だと自分に言い聞かせていた。


 だけど、本当は違う。


 人間が憎い、奴隷になった自分が悲しい、どうして、なんで、こんなところにいるの――。


 そのとき、シガ様が私を見つけてくれた。


『実はその……君を解放する為なんだ』


 私はてっきり……性的な目的の為に買われたと思っていた。


 だけどそれは、間違いだった。


 シガ様は聡明で優しく、気配りに溢れている。

 そして、少し可愛い。


 一番驚いたことは、世界の歴史を考えてもありえないほどの凄まじい能力を手にしていること。


 望めば、それこそ強大な権力を手にすることも可能だろう。


 だけどもシガ様は、私のようなエルフに優しく手を差し伸べてくれる。


 温かい心と、手で、私を導いてくれる。


 それが、心地よくてたまらなかった。


 私の拙い言葉も最後まで聞いてくれて、大好きな鮭おにぎりも食べさせてくれて、頭をなでなでしてくれて……。


 だけど、甘えてばっかりはいられない。


 私は、シガ様の剣だ。


 もし何かあれば、私がシガ様を守る。


 そして私は、ずっと魔法が使えないと思っていた。


 だけどなんとシガ様は、魔法を使えるようにしてくれた。


 そして、深い……深い底に沈んでいた心を解き放ってくれた。


 どこまで優しいのだろう。


 何でどうして、無欲のままでいられるだろう。



 私は本当は……人間が好きじゃなかった。


 いや、どうしても好きになれなかった。


 両親を殺したこと、差別的な目をする彼らを許せなかった。


 だけどシガ様は教えてくれた。


 人種なんて関係ない、その人の心が全てだと。


 ああ――なんて素晴らしいお人なんだ。


 神様はいない。それはわかってる。


 だけど、シガ様のように素晴らしい人はいるのだ。


 これからどんなことがあっても、私は彼の剣であり続けたい。


 どんな事が起きても、私はシガ様の味方だ。


「お待たせ、ようやく火がついたよ」

「あ、す、すみません! ぼーっとしてました……」

「気にするな、ここは自然が綺麗だからな。――さて、鮭おにぎりを食べようか。今日は、味噌汁も付けよう」

「味噌汁?」

「ああ、相性がばっちりなんだ。私と――ククリのようにね。……なんて、すまないなおやじの寒いギャグみたいになってしまった」

「ふふふ、私、シガ様の言葉の一つ一つが好きです! あ、でもたまに教えてくれないのは困りますけど……」

「そ、それは色々あるんだ。――じゃあ、Nyamazonを出すよ」

「はい!」



 例え世界を敵に回すことがあっても、私は決して揺れない。



 どんなことがあっても、例え同胞が敵に回ったとしても、私は迷わない。




 彼を、死ぬまで守り続ける。


【大事なお願いです】


仕事をしながら合間で執筆をしています!

『面白かった!』『次も楽しみ!』

そう思っていただけたら


そう思っていただけましたら

この物語が少しでも面白と思ったり、いい余韻があったと感じていただけましたら

ブックマークや評価【★★★★★】でぜひ応援お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ