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短編集

そして誰も書かなくなった

作者: 名無し

「……また、一人消えた」


ログイン画面を見ながら、僕は呟いた。


▪▪▪


僕は、至って普通の高校生。

趣味はWEB小説を書くこと。


色々なサイトを巡ってきたが、今は『ノルメッテ』というサイトで活動している。

有名なところも活動していたけれど、今はそこに居着いている。


理由とすれば、活動人数が少ないからだ。

人が多いところだと、分母が多いから読まれにくい。


それに比べて、ノルメッテは100人も満たない場所。

相互で読める人が多くなりそうだ、そう考えて登録したのだ。


▪▪▪


それから数ヶ月が経った頃、僕は疑問に思う現象を見かける。

それは、1年以上のユーザーが居ないのだ。


公式の説明では、このサイトは5年も続いているとのことだ。


明らかに、おかしい。

初期からのユーザーは居なくとも、それ相応の人は居る筈なのに……


最初に気がついた時は、単に合わないだけだと思っていた。


しかし、だ。

登録が一年を迎えた同じ戦友(ユーザー)が、翌日にアカウントが消えていたのを目の当たりにしたのだ。


それに加え、登録したら解除は出来ない。

謎の『アカウントロック』がされていて、犯罪であるハッキングでさえも解除が無理らしいのだ。


登録者数が日に日に少なくなる。

それに、僕以降に入った人は居ないのだ。


ネットで調べても、何も出てこない。

この不可解な現象は、いつまで続くのだろう。


▪▪▪


「………また、一人消えた」


ログイン画面を見ながら、僕は呟く。


あと残りの戦友(とも)は、5人。

登録者が使える掲示板では、この異変について残りの人たちが盛んに語っている。


『このサイトは、呪われて居るんじゃないか』


『もしそれが本当だったら、俺たちはどうなるんだ』


『そんなの知らないわよ。バッタリ[アカウント]が消えるもの』


(……あれ)


そうこう、話しているうちに一人の戦友(とも)が消えるのが確認出来た。


『……今一人、また消えましたよね』

僕がそう書き込みをした途端、画面が真っ暗になった。


「どうなってるんだ!?」


背後に誰かが居るのが分かる。


振り向いちゃいけない。

何故かは分からない……


そうじゃない、振り向いたら殺されr








《WEB小説は、今後……》


情報の海(おくふかく)に沈んでいくんだよ》


《そんなところに、身を委ねる間抜けな(やから)に》


《『決着ノ刻(チェックメイト)』だ》








この日を境に、『WEB小説』というジャンルが終わった。

誰が何の目的で、このジャンルを消したのは分からない。


そして誰も書かなくなった。

この物語はフィクションです。

……いや、フィクションでもあったら怖いよね。


『そして誰も書かなくなった』

そんな末恐ろしい世界なんて、世紀末よりツラいんじゃない?



あとこれは余談ですが。

中の人、地味に『作者名』に別名を載せました。


多分誰かは分かりそうだが、気にしたら負けである。


そんじゃそーいう事で。

じゃあの。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  怖いです。なぜ私が寝る前に読んでしまったのだ~! と、はげしく後悔w  [気になる点]  特にございません。 [一言]  きっと他サイトにも素敵な作品があるんだろうなと思いつつ、今の環境…
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