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32歳男ニート 癌になる  作者: 十三
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 今朝は雨

 体温は36.8℃


 午前はゆっくりと過ごす

 午後は両親と共に大学病院に紹介された病院の受診

 と言っても、診察なんてされなかったが

 紹介状に付属されていた医療データによって、病院側が俺の病状の現状を認識し、いざ入院となったらいつでも受け入れられる体制にしておくことが一番の目的っぽい

 尿の色が異常に濃いという話をしたら、白目が若干黄色くなっているように見えるから、胆汁の調整力が弱くなっているのだろう。水分を多めに摂りましょうとのこと。俺は軽い黄疸と認識したけど、合ってるのかな

 水分摂取は俺も心がけようとしているけど、他に何か手段は?と思った。でもその対応は水曜日に受診予定の緩和ケアクリニックの判断に委ねることになるらしい

 緩和ケアってそんなに対応範囲が広いのかな

 この病院は消化器内科はあっても消化器肝臓内科じゃないから、少し対応に不安が残るような気がする。肝胆膵内科があると一番良いのだろうけど

 その後入院した時に持参すべき物の説明を受けたり、入院する病室の見学したりした後。帰途に就いた


 午前中の尿はそこまで濃くなかったように見えてたけど、帰宅後すぐの尿の色はやはり異常に濃かった。どうにかならんものかなこれ

 午前に引き続き安静にしてようと思ってベッドに横になったはいいけど、どうにも涙が出始めて止まらん

 生きていても家族に負担をかけるだけなのでは?

 今はまだ自分で動けるからいいけど、悪化したら負担が更に大きくなるだろう。その前に自分で始末をつけてしまうのも悪くないのでは?

 そもそも今までの人生、家族に対して俺は何かしてあげられたのか?してもらっているだけの人生だろ?そんな俺がさらなる負担をかけるだなんて、やはり死んでしまった方が良いのでは?

 どうせ治らないし、先は短いだろうし、更なる苦しみが待っているだろうし、金銭的な負担もなくなるし

 死によって解放されるという考え方は好きじゃないけど、魅力を感じる

 そんなことを考えてた気がする


 家族旅行で一時的に忘れることができても、どうにも胸中に巣くう不安の虫が蠢くことを止められないなぁ


 寝て起きたら全て夢だった。ということを願ってしまう程度には弱っているようだ

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