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【妖精ちゃんと】異世界転生先の地下墓を探索するスレ【一緒】 その四

「曰(いわ)ぁぁぁぁぁあああああああああくッッッ!!!」


 珍妙な叫びと共に何も無い所でスッ転んだヨイツが通路の壁に右側頭部を叩きつける。


 ガツンッ! と、石壁とフードを被ったヘルメットが思い切りぶつかり合い、強度で劣る石壁の方が僅かに欠けてパラパラと欠片が落ちた。


 これにより一番被害を受けたのはヨイツ自身ではなく、その左肩に乗っかっていた若葉であった。


「うぴゃぁっ!? ちょ、ヨイツ!? 大丈夫? 痛くない?」


「痛、くは無いな…ごめん若葉、びっくりしただろ?」


「ううん、大丈夫!」


 ヨイツが唐突にスッ転んだ事で左肩に乗っていた状態からぽーんと吹っ飛ばされた若葉であったが、直ぐに空中で体勢を立て直すとそのまま宙に浮かんで頭をぶつけたヨイツを心配していた。


 一方ヨイツはと言うと、派手に転んで頭をぶつけはしたがゲームでも上位の防御力を誇る全身甲冑を纏っていた為ダメージは全くなく、ファンブル回避のために自分がした無駄なダメージロールのせいで若葉に迷惑をかけてしまった事を恥じていた。


「余計な事はするもんじゃあないなぁ…ホントにごめんなぁ、若葉」


「ダイジョブダイジョブ! 私これでも強いから、これくらいなんとも無いよ!!」


 えへん、とあまり厚くない、しかし小ぶりながらしっかりと自己主張もする胸を張ってそう返す若葉。


 実際彼女は人間からすれば手乗りサイズという表現がぴったりの大きさだが、そのステータスは一番低い筋力でさえ地球人類の現界を大きく超えている。


 披露する機会は無いであろうが、実は甲冑に身を包むヨイツを紐で吊るしてそのまま飛んで運べるほどのパワーを若葉は持っていた。


「そっか、若葉は強いなぁ…それで俺はノーダメージだけど、これ判定結果的にはどうなるのウドン神?」



286:KPウドン神

1D3で2が出たので2ダメージを受けます…が、全身甲冑なので当然装甲値が付与されています

ヨイツが身に着けている『古竜騎士』一式は重装一歩手前の準重装装備ですので各部位装甲+4ずつ、更にヨイツは物理防御力を高めるアクセサリー『鉄古竜の大鱗』を装備しているので更に装甲+4の合計装甲+20としましょう


287:名無しさん

>>286 装甲+20とか強過ぎィ!


288:名無しさん

こんなんそもそもダメージ負わないやん!


289:名無しさん

バランス崩壊も甚だしい、こんなんチートやチート!


290:KPウドン神

>>289 最初からヨイツはチート転生者なんですけど!?


291:名無しさん

草 そういやそうだったね



「俺もすっかり忘れてたな、そうだ俺チート転生者だったわ」


 ヨイツ自身も含め、ウドン神以外の誰もがヨイツがチート転生者だという事を忘れていた。


 勿論ゲームキャラの能力とアイテムを持って転生した事も、こうして転生後の異世界からネットを通じて地球側とやり取り出来る事もチート能力によるものなのだが、今の所その能力で何か大きな成果を得られた訳でも無いので実感が薄かったのだ。


 その内俺TUEEE出来る時も来るのかしら? と、ヨイツはゲームでのボス戦などを思い出しつつ活躍する未来の自分の姿を夢想した。


「それでウドン神、ファンブルの内容は結局どうなるの?」



297:KPウドン神

そうですね、その前に成功したダイスの判定結果から教えましょうか


まず【魔力感知】の結果ですが、

ダンジョンだけあって床、壁、天井の全てから薄っすらと魔力を感じますが、それらは一定であり不自然に集中した箇所などは無いので魔法的な仕掛けやトラップは周囲に存在しない事が判ります



「なるほど、確かに周りからなんか感じるけど…これが魔力って奴なのか」


 判定結果を知った上で周囲を確認すると、説明し難い感覚だが周囲一帯から何らかの『力』が感じられるのをヨイツは実感した。


 この時初めて、ヨイツは魔力と言うエネルギーを自覚して感じ取るという体験をしていた。


 それは火に近づいた時に感じる熱とも、冷蔵庫を開けた時に感じる冷気ともまた違う感覚だったが、確かにそれが存在すると感じられる不思議な感覚であった。



298:名無しさん

ほへー、【魔力感知】ってそういう使い方なのね


299:名無しさん

魔法的な仕掛けが判るってのは大きいけど、魔法が関係無いトラップはどうなるんだ?


300:名無しさん

>>299 それを見抜くための【発見】と【感知】の同時使用なんだろ


301:名無しさん

イッチイッチ! 魔力が感じられてるみたいだけどどんな感じ?



「どんなと言われても説明し辛いんだが…例えばコンロの火とかに近づくと熱を感じて熱いってなるだろ? それの魔力版というか、熱いとか冷たいとかに似た感覚で『魔力(まりょく)い』って感覚があるというか」


 上手く説明出来ない感覚の為、『魔力い』という造語を交えつつ説明するヨイツ。


 こればかりは実際に感じてみないと判らないためスレ民にもイマイチ伝わらなかったが、熱という身近にある現象を例えに出したため何となくは通じていた。



303:名無しさん

『魔力い』とか言う新たなワードキターーーーーー!


304:名無しさん

あー、なるほどね? 大体判ったわ(判って無い)


305:名無しさん

熱や冷気を感じるように魔力を感じるって事?


306:名無しさん

>>305 そう言う感じなんやろなぁ、よう知らんけど


307:KPウドン神

続き良いですか? 続けて【感知】の結果ですが、


現在ヨイツたちが居る通路は一本道であり来たのとは逆の方向、つまりは進先の通路から微かな物音が聞こえて来ており、おそらく進んだ先には先程倒したスケルトンの様にモンスターが徘徊しているのだろうと感じます



「進んだ先にモンスターね、ガチャ用の魔石はいくらでも欲しいから寧ろありがたいが…若葉、戦闘は出来るのか?」


「魔法でのサポートなら出来るよ! …攻撃の魔法は覚えて無いから出来ないけど」


「そういやフレーバーにもそう書いてあったっけなぁ…いや待てよ、ゲームアイテムのスクロールでパソコン越しのスレ民が魔術を覚えられたんなら、若葉もいけるんじゃね? そこんとこどうなのウドン神?」


 召喚前に読んだフレーバーテキストに『直接的な戦闘能力は無いが、魔法でのサポートが得意』と書かれていたのを思い起こしていたヨイツだったが、同時にその更に前の出来事であるスレに上げた魔術のスクロールの画像でスレ民たちが魔術【魔力の灯り】を修得した事を思い出してウドン神に確認を取った。


 その結果は、



316:KPウドン神

>>312 可能ですよ? ヨイツが所有している魔術や法術のスクロールは能力値さえ足りていれば、見ただけでそこに記された魔術や法術が修得出来るので、能力値的にも若葉に見せれば大体は修得してくれますよ


317:名無しさん

>>316 mjd!?


318:名無しさん

チートアイテムキターーーーーー!!


319:名無しさん

若葉ちゃんて知力と法力が60で幸運が70だろ? マジで大体の魔術法術を修得出来るじゃん!


320:名無しさん

修得出来ないのは一部の伝説の魔術や伝説の法術くらいだな


321:名無しさん

伝説って?


322:名無しさん

ああ!


323:名無しさん

ああ!



「ああ!」



325:KPウドン神

ああ!


326:名無しさん

ああ! それって羽栗帽子?



 謎の一体感を出してしばらくレスが『ああ!』に染まる掲示板。


 本命であるクリティカルとファンブルが同時に出た【発見】の判定結果の発表がまだなのだが、全員楽しそうであった。


 ついでにネタが良く判っていない若葉もヨイツが楽しそうなので、ニコニコ笑いながら自分も混ざって叫んでいた。



「ああ~!!」



 惜しい、伸ばさなくて良いのだ。

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