第十六話 ショータイム!?
「全員出たぜ。」
観客たちが完全に出た事を取り巻きの武装した者がドルケンに報告した様だ。
「わかった。ではショータイムと行こうか?」
う~ん。悩む。どう見ても、勝ち目が無いと思うんだけど。
「もう良いか?待ちくたびれたぜ!」
「そうね。ぶっ飛ばしてやりましょうか。」
物騒なセリフを美女エルフ二人から出てくる。
「何処までその余裕が続くかな?」
あくまでも余裕そうなドルケン。
まぁ、数的優位は間違いないからね。だけど異世界での数的優位ってどれほどの効果があるんだろうか?少なくとも、地球でも数的優位を保つには相手と同等の力の兵器があってこそだったと思っていたんだけどね。白兵戦でもしない限り、数的優位はあっという間に覆されるモノなのだと思うけどな。
「キャンディス。この中なら、少々壊れても良いよね?」
「ほどほどに、しといてくださいね。」
仕方ありません。とでも言いたげな顔。
実際、あのナマズ?の様な魔物を倒しているマリアさんを見ており、そのマリアさんと接戦をする事の出来るアリアさん。S級冒険者というのが伊達では無い事を理解しているキャンディスさんも余裕があるようだ。
「まぁ良い。お前達、やってしまえ!!」
「「「「「おぅ~!!」」」」」
一斉に武器を抜き殺到するかのようにリングへ向かって来る男達。
「吹き飛べ!」
「雷風雨!」
二人の魔術が炸裂する。
マリアさんの土と風魔法。そこにアリアさんの雷と風と水の混合魔法がぶっ放された。
「「「「ぎゃ~!!」」」」
正面からまともに向かっていた男達は一瞬にして魔法の餌食になった。
マリアさんの魔法にやられた者は、全て壁にぶっ飛ばされて気絶か悶絶。
アリアさんの魔法にやられた者は、即気絶した後にさらに追加のダメージを受けている。
「ちっ!俺の真似をするとは?!」
「ふん。私の方が先に使っていたわ。」
なんて会話をしている。
やられた方はビックリした顔になっている。
「お前達は魔法が使えないんじゃ?!」
「それでも商人の端くれですか?正確な情報は商人の命でしょうに・・・。使えないんじゃなくて、契約で相手に使えないだけですよ。」
ドルケンの驚愕に、心底情けないなという言葉を返すキャンディスさん。
「なっ?!憚ったのか?!」
「勝手に来ておいて何ですか?それ?」
ドルケンの言葉に驚きと共に返すキャンディスさん。
「こ、こうなったら、あの弱そうな男を連れて来い!!」
「へい!」
もしかして、僕の事かな?
弱そう?弱そうに見えるのか~。はぁ。まぁ、そうだね。
僕の方にやってくる男達。
賞品ケースを開けて、僕を引きずり出そうとする。
「出ろ!」
「わかったから、掴むなよ。」
ビビっていると思っているのか、男達が荒っぽい。
僕はそのまま、ドルケンの前に連れてこられた。
「やはり、ビビりか。」
ドルケンは勝ち誇った顔で僕を見る。
「そうですね。ビビりです。」
その言葉と共に、思いっ切り腹を目掛けて蹴りを入れてやった。
もちろん、精霊様(ヒミコ様と桜花様)の力を借りて、本気の一発。
ドコン!という音と共に、ドルケンは向こうの壁にぶっ飛んで行った。
そして、ドルケンは白目を剥いて気絶した。死んでないよな?
「やり過ぎ。」
「流石、俺が見込んだ男だぜ!痺れる!!」
アリアさんとマリアさんの反応は少し違う。
名前が一文字違うだけなのに。
「で、他の皆さんはどうします?」
「おいおい。煉。それは無いぜ。俺らも混ぜろや。」
「そうだよ。」
プレストンさんとパークリーさんが入口の一つから現れた。
それぞれ、目の前の男をぶっ飛ばしている。
「じゃあ、制裁しちゃいます?」
「異議なし!」
「おう!良いね。」
「偶には暴れよう。」
「まぁ、良いんじゃない?」
「いっちょ、やったりましょう!?」
「良い事、言うね。流石、俺が見込んだ男だぜ。」
『少しは暴れるのじゃ。』
『一回、死んでみる?!』
一部、怖い言葉が出ていますが、反対無し。
という事で、僕も堪ったストレスの発散をさせてもらう事になりました。
「という事なんで、必死に抵抗してくださいね。こう見えてもS級冒険者なんで。」
僕はニコリと笑って、そう宣言した。
「S級?!」
「マジか?」
「ドルケンに憚れた?!」
「許して・・・はもらえないのか?!」
彼等には、厳しい事だったでしょうが、偶にはやられる方の身にもなった方が良いよね。
どうも、ドルケンってドラ息子っぽいからね。
「後始末は、案内所のこの私キャンディスがしますから、安心してください。」
合図は、キャンディスさんのその一言だったと思う。
結果、容赦しませんでした。
そこからは、想像通りの一方的な展開になりましたよ。
終わった時には、全員裸で正座させました。
200人居ましたけどね。正確には213人。
「俺様はデイトリッヒ家の跡取りだぞ!!こんな真似して許されると思うなよ!!」
と最後までドルケンは言っていた。
「ここは、俺に任せろ。」
パークリーさんが笑顔を見せて、ドルケンを引っ張って行った。
この時、初めてパークリーさんを怖いと思った。
盗賊ギルド出身だもんね。この街の盗賊ギルドに行ったのではないだろうか?
おぉ、こわ。




