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第三話 反乱軍(解放軍)オーブのトップ達。


バーナードさんに連れられて向かった先は、貴族が住んでいたハズの館だった。

そこには多数の兵士の様な格好をしている人や、冒険者の様な姿をした人達が沢山居た。


「ここは、反乱軍の拠点だよ。」


「やっぱり、貴方達は反乱軍に加わっていたのね?」


「そうだよ。アリア。」


アリアさんの想像通りだった様だ。

僕も、アギトの街に来る前にアリアさんから聞いていた。

大きな可能性の一つとして、反乱軍に参加しているのではないか?と聞いていた。


「だから、疲れている所悪いけど、今から反乱軍のトップに会わせるよ。」


「わかった。」


「ありがとう。」


会話をしながら進んでいくと、ひと際大きな扉の前に来た。

バーナードさんがノックをした。


「連れてきた。入るぞ?」


『どうぞ。』


扉の向こうから声が聞えた。女性の声だった。

バーナードさんは返事を聞いて扉を開けて僕達四人を中に招き入れた。


部屋の中の中心には、円卓が置かれていた。

奥の席の方に三人ほど座って居た。中心には女性が、その再度に男性が座って居る。


「あなたは?もしかして?」


「やぁ、レン君だったね。元気だったかい?」


「ご無沙汰しています。キラさん。」


そう、僕は彼と会った事がある。

馴染みがやっている酒場。ブライトさん達と別れる時に乾杯をしたお店の主人だ。

そうか、あの時はもう反乱軍に参加する事が決まっていたのか。


「レン君はもう気づいたかな?レン君の想像通りだよ。」


奥の三人の両サイドに分かれて座るブライトさん達。

アリアさんの仲間は皆、反乱軍の幹部なのだろうという事は想像できる。


「初めましてだね。僕はオーブのリーダーをしているカガリだ。よろしく。」


僕と言っているけど、女性のハズだよね?


「私も初めてだね。アスランだ。」


キラさんの逆側にいる男性が発言した。

三人共に、綺麗な顔立ちをしていて整っている。


「立ち話もなんだ。座ってくれ。」


キラさんに言われて、僕達は向かい側に座る。

部屋には護衛らしき人達が壁際に立っている。騎士の様な感じの人から魔法使いの様な人。

皆、それぞれに力を持っていそうな人達だ。


「疲れている所すまないね。一度、顔を見ておきたいと思ってね。ところで、君達がここへ来た理由を聞いても良いかな?」


「はい。僕達はアリアさんの仲間。ブライトさんやバーナードさんを探しにきました。もう、目的は達せられましたけど。」


「なるほど。何故、ここだと?」


「単純に分かれた場所からスタートしようと思いましてここに来ました。」


「別れた場所はここだったという事かな?」


カガリさんが、近くにいるブライトさんやバーナードさんに目を向ける。

ブライトさん達が無言で頷くのを確認した。


「なるほど、人探しは分かる所から始めるのは定石か。」


「はい。可能性としてオーブに参加しているかもしれないと思いましたが、正直、驚いています。」


「そうか。君は彼らが僕等の仲間である事は知っていなかったのだね。」


「はい。」


慎重な質問が続く。

どうやら、不安を払しょくしたいという思いがある様だ。


「わかった。ただ、彼女がアリアだったね?彼女は、邪神の使徒に捉えられていたという情報をきいているのだが。失礼だが、どうやって助けたのだい?君ら三人では人の領域を越えた存在を討伐出来るとは思えないのだが。」


もっともな質問だ。

たしかにプレストンさんも強いし、パークリーさんも出来る。

けど、人外の領域じゃない。人の領域内だ。


「それは、ザバルティさんに協力してもらったからです。バーナードさん達はその事が予測できると思います。それに、討伐はしていません。たぶん生きています。」


「では、手を引いただけ?とでも言うのかい?」


「はい。」


「信じられない。邪神に慈悲なんて無いはずだ。」


「ですが、真実です。こうして元気に動けています。」


「う~ん。」


「それに、神様同士の約束など、僕等にはわかりません。ただ、もう僕等に手出しはしないと約束させたそうです。全てはザバルティさんの力だと思います。」


「うむ。ザバルティ殿であれば可能だな。」


「ああ。人を越えし存在だからな。」


クリスティーナさんとブライトさんが同意する。

他の面々も中央の三人以外は頷いている。


「それほど迄の人物なのかい?」


「ああ。彼は別格だ。彼に従う者もかなりの強さを持っている。」


「そうか。」


カガリさんは一度、納得するように頷いた。


「君達の来訪を心より歓迎しよう。」


「ありがとうございます。」


「さぁ、そうと決まれば、再会を祝って宴会じゃ!」


「ブライト。気が早い。もう少しレン君達から情報を得たい。どうだろう?もう少し外の世界の情報を貰えないだろうか?」


アスランさんがブライトさんを制して僕等に向き直し、情報提供を希望してきた。

僕等は顔を見合わせ頷いた。


カーリアン帝国の西方侵攻軍が壊滅的な損害を受けた事や、防衛軍が撤退した事などの分かる範囲で提供した。


「まさか・・・そんな事が起こっていようとは。」


「あり得ない事が起こった。だからカーリアン帝国軍が居なくなったのか。間違いなく撤退だな。」


「ああ。ありがとう。これで色々と考える事が出来る。感謝する。」


「いえ。役に立ったなら良かったです。」


「よし。これで宴会にすすめるな?」


「本当にブライトは飲みたがりだな?」


「そんな事は無いわい!再会が嬉しいだけじゃ!!」


顔を真っ赤にして反論するブライトさん。

その様子を見ていた部屋に居た人達は声を出して笑った。


「まぁ、良いだろう。歓迎会にしよう。」


カガリさんの宣言を聞いてダッシュで部屋から出て行くブライトさんを見て、ドッと笑い声が部屋中に響いたのだった。


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