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第七話 組合(ユニオン)と都市の風景。


翌日からは商業都市国家サーゲイロードの街並みを観光した。

あちらこちらに組合(ユニオン)という組織がある事が分かった。

ギルドという大きな枠組みではなく、同じ商品を扱う商店が組合(ユニオン)を形成して、大きなインフラが起こらない様にとある程度の調整をおこなっているそうだ。

自由競争ではなく談合とも言えるが、小さな都市国家では談合の方が安定する様だ。


そもそも都市国家であるが、壁の内側全てが同じ都市であり国であるので、少しの距離ではなく、平等の価格で売る方が消費者にとっても良いようだ。都市国家自体が大きいからこういう事が起こるのだろうとも思う。なので、新規参入が難しいという側面もある様だが、そうする事で過当競争を起こさない様に小さい世界を守っている様子も伺えた。


変な不正がおこなわれない様にと、商業ギルドが常に目を光らせるという事で、不正を防ぐ役目がこの都市国家の商業ギルドの大きな役目になっているようだ。


色々な組合(ユニオン)を見て回るのも大変面白かった。

何故なら、その特徴を表わす様な建物をそれぞれが建てており、更に紋章を作っているからだ。


漁業関係は日本の漁師が持っている様な大漁旗の様な感じのモノもあった。

更には虫を売っている商会の組合(ユニオン)にはカブトムシとクワガタの様な虫をシンボルとして居るのではなく、(アリ)さんだった。


そもそも虫を売っているのか!?と思ったのだが、(アリ)さんマークだったのに更に驚いた。どうやら、この世界でも働きアリは存在しているらしく、その働き(アリ)の如く働けという意味が込められているとか、いないとか言っていた。


「ふふふん。面白いでしょう?」


「そうですね。面白いです。」


「世界広しといえども、商業系組合(ユニオン)の数は、世界一多いと言われている都市ですからね。」


こんな、お国自慢をされたほどだ。

それだけ商人が多いという事でもあり、商品として扱う数も多いという事なのだとキャンディスさんに言われた。


市場にも行く事が出来たのだが、()りもおこなわれていたが、とても白熱した争いをしていた。生鮮食品と言われる鮮度命の食品がメインの様だった。

野菜や魚や肉の()りは日本の市場に言った事が無いがテレビで見たような風景が繰り広げられていた。

一対一のモノもあれば、複数でおこなうモノもあるようだった。


「凄い活気でしょ?」


「そうですね。凄いです。」


「オークションとは違う感じが面白いわ。」


「そうなのです。これぞ、市場の醍醐味なのです。」


良く分からない言葉が僕等の前で行き交っているのだが、()りに参加している人達はその言葉の意味を理解している様で、独特な空気感があった。

ある意味でピリピリした空気感であり、真剣勝負と言って過言ではない様子とやり取りが繰り広げられた。


それとは色の違う様子だったのが。花の()りだ。

野菜と魚と肉の()りに比べると、落ち着いていたのが印象的だった。


「花は直ぐに腐るという訳では無いので、若干落ち着いていますね。それに気が短い人も少ないみたいですしね。短くパキパキと動くのがカッコいいと言われる世界だそうです。」


あの白熱が、気の短い人により起こされているという事実?が僕に衝撃を与えた。

確かに、気の短そうな人が多かったが、それがカッコいいという気風によって成形されているという事も僕に衝撃を与えた原因だった。この場合は要因だろうか?


「まぁ、私には何処がカッコいいのか分かりませんけどね。狭い世界には変わったルールや変わった気風が生まれるんですよ。・・・たぶんですけどね。」


というキャンディスさんの言葉で締められた市場見学は、僕だけじゃなく、皆に衝撃を与えた観光場所となったのだ。


食事も色々な場所で食べた。あの初日の食い倒れコースほど食べた訳では無いが、それなりに食べた気がする。どの料理も美味しかった。


都市観光も後は、都市の外れを回るだけとなったようだ。


「明日は外壁周辺をグルっと回ります。」


「その外壁周辺はどんなモノが見れるの?」


「都市国家の歴史。ですかね?」


「歴史?」


「はい。都市国家は最初からこの大きさでは無かったんです。」


そりゃそうか。

元々大きく作っていても、人が増えればそれを補う必要があるか。


「内壁もそうなんです。所々その後が垣間見る事が出来る所がありますが、少しずつ拡張工事を繰り返して今の大きさになっているんですよ。」


なるほど、拡張か。


「それこそ、何十年、何百年単位で計画的に拡張していたり、短期の変則的な拡張もしています。それもまた、都市国家の歴史ですから面白いですよ。」


そうかもしれないな。


「なので、今から都市中央にある評議会本部へ行きますね。」


「なんで?」


「それは、評議会本部に都市の拡張計画を表わした地図などがあるからです。過去と今を結ぶ歴史地図。そこにはロマンがあるんですね~。」


遠い目をして言うキャンディスさんは少し、芝居掛っている。

僕等はクスクス笑い合った。

キャンディスさんも狙っていたのだろう。ニヤリとした。


そして、僕達はキャンディスさんの操縦の元、商業都市国家サーゲイロードの中心部であり、権力の中心である評議会本部へと向かう事になったのだった。


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