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第四話 異様な人と未熟な僕。


ディアナと呼ばれた女性は、綺麗な顔立ちをしている。

振舞は綺麗なお姉さんではなく、軽い感じのする話し方だが。


「ふっふっふ。君に貸し一つだ~ね~。」


そうか。あれは追い払ってくれたから、貸しなのか。

これはこれで、面倒な感じがするのは、気のせいだろうか?


「なになに?イヤそうな顔をして?こんな綺麗な顔のお姉さんと話せて嬉しいよねぇ~?」


「いや。それほどでも。」


「はぁはぁ~ん。君は照れ屋さんなのかな~?」


何これ?メンドウレベルでは先ほどより高いんじゃないか?

ふんふん。と頷いている。これは勝手に解釈されている感じが強い。


「あたしは、泣く子も黙る可憐な魔法使いディアナだよ~。よろぴく!」


Vサインって?可愛く見せる為の首傾げ?ぶりっ子?痛い子?


「ふっふっふ。美女であるアタシに釘付けになるのは、仕方が無いけど、お礼は大事だよ~?」


「ありがとうございます。」


「ふんふん。素直だねぇ~。S級冒険者君。」


あれ?僕がS級冒険者である事は言ってないと思うんだが・・・。


「ふっふっふ。隠そうとしているのかな?私の眼はごまかせないよ~?」


「隠すつもりはないけど。」


「無いけど、何故分かったのか?知りたい?ねぇ?知りたい?」


ウザい感じなのは止めて欲しい。僕はアンタに興味は無い。

僕にはアリアさん以外は野菜にしか見えないとは言い過ぎだろうけど、他の女性をそういう対象で見る事は無い。ある意味で不健全なのかもしれないけど・・・。


「えっ、いや。結構です。」


「へぇ~。そんな事、言っちゃうの?ディアナ悲しい。」


うわぁ~。僕にはこういう人は無理だ。


「すいません。もう良いですか?」


「待ちたまえよ~。きみきみ。」


「いや、本当にすいみません。ありがとうございました。」


僕は強行突破する事にした。

これ以上関わっていちゃいけない気がしてきたから。

僕は、ディアナの横を通り過ぎる。


「まぁ、良いか~。また会おうね~。煉君。ばいば~い。」


笑いながら言うセリフは不気味な感じがした。

というか・・・。


「何故、名前まで?!」


と思って振り返ると、そこにはディアナの姿は無かった。

僕の素性は分かっていて、コンタクトを取って来たと考える方が正しいか。

S級冒険者である事を知っていたからな。


つうか。この瞬間に何処に消えたんだ?

かなり強い相手である事は確信できたけど、目的が分からない。

変な不安が募る。が、まぁ仕方ない。

アリアさん達に相談しておこう。何が起こっても対応できるように。


僕も冒険者ギルドから立ち去る事にした。



◇◇◇◆◇◇◇



その日の夕方には、アリアさん達にディアナの事を報告した。


「変な女に絡まれたのね。で、綺麗だった?」


「はい。綺麗な顔をしていました。」


「ふ~ん。」


アリアさんが少し怒っている感じがする。

何故なんだ?


「それにしても、名前まで知っているというのは、気持ち悪いな。ギルドカードが見られた訳じゃないんだろ?」


「はい。」


「鑑定持ちだったのかもな。」


「鑑定されたらわかるんじゃない?」


「まぁ、普通はな。普通じゃないかもしれないだろ?」


「ああ、そうかもしれんな。」


「可能性はあるね。」


「どっちにしろ、注意が必要ね!煉君の単独行動は禁止します!!」


「「「「えっ?!」」」」


アリアさんの突然の宣告にビックリする僕達。


「だって、そうでしょう?一人にしていたら、また変な女に絡まれるかもしれないじゃない?き、危険でしょ?!」


顔を真っ赤にして理由を説明するアリアさん。

真っ赤な顔のアリアさんもカワイイな。


「ふふふ。そうね。また変な女がきたらマズいもんねぇ~。アリア。」


「ああ。そうだな。アリアさん。」


ミスコンティさんとパークリーさんは意味ありげな感じでニタニタしながらアリアさんを見て同意した。


「そ、そうよ。た、大切なリーダーなんだから!!」


「そうだな。大切なリーダーが絡まれるのは良くない。」


プレストンさんは普通に同意している様だ。

ミスコンティさんとパークリーさんのニタニタは更に深くなっていく。


「わかりました。」


僕も同意した。

これで、皆が同意した事になり、僕の単独行動はこの商業都市国家サーゲイロードに滞在している間は禁止となった。


「わ、分かれば良いのよ。分かれば。」


「ふふふ。良いねぇ~。」


「青春だねぇ~。」


「何よ?二人とも!?」


「「いいえ。別に~。」」


ミスコンティさんとパークリーさんは、リンクした。

意外だな。仲が良いのかな?一緒に話している所は見た事が無かったけどな。

アリアさんは手をぎゅっと握って、下を向きプルプルしている。

気のせいか、顔が赤い。


「アリアさん。もしかして熱でもあります?風邪ひきましたか?」


すると、震えは止まったアリアさん。


「何でもない!」


そう言って、自分の寝室に行ってしまった。


「えっ?!ちょっと?!」


僕が戸惑っていると、「あちゃ~。」と言いそうな顔で僕を見るメンバー達三人。


「煉君。君はまだまだだね。」


「えっ?」


「煉。男としての成長が必要だな。」


「はい?」


「煉君。歳より子供かもしれないな。」


「えっえぇ~!!」


僕は三人から、まだまだであるという事を突き付けられた。

そして、理由を三人の口から聞く事になった後、僕は直ぐにアリアさんの寝室へと行く事になったのだ。


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