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第三話 サーゲイロードの冒険者ギルド。


翌日の朝までプレストンさんとパークリーさんは帰ってこなかった。

さぞかし‘良いお店‘に出会えたのだろうと思う。


僕はと言うと、アリアさんを独占できない状況だった。

そりゃそうか、ミスコンティさんが一緒にいる。他に人が居ないので、そういう事だ。


さて、今日から数日、この商業都市国家サーゲイロードを堪能する事にした僕等。

優秀な案内人であろうキャンディスさんを専属契約出来ないか?という話になった。

プレストンさんとパークリーさんはもちろんこの話を知らない。


という事で、案内所に来てみたのだが、今日は休みだと言う。


「明日は出勤するハズだから、明日来ておくれ。キャンディスにも言っておくよ。」


と店員さんに言われてしまった。


「じゃあ、私達は服でも買いに行きましょう?」


「そうね。じゃあ煉君。私達は買い物に行くわ。」


アリアさんとミスコンティさんは早々に買い物に変更して行動するつもりになったらしく、僕を置いて何処かへと行ってしまった。

プレストンさんとパークリーさんは昨日の夜の行動の所為でまだ寝ている。このまま夕方までは起きないだろう。


「どうしようかな?」


久々の一人行動をとる事になった訳だ。

特にしたい事もなくプラプラしながら、街を眺める。


活気のある街。活気のある人々。

少なくともこの街が栄えている証拠をあちらこちらで見かける。


この都市の冒険者ギルドの依頼ってどんな感じなのだろうか?

と疑問が過った。前回は冒険者の括りでは無かったし、それどころでは無かった。

興味が湧き冒険者ギルドへと足を運ぶ事にした。


まだ、午前中という事もあってか冒険者ギルドは賑わいを見せていた。

とは言え、この時間では朝一組はもう出ているのだろう。

しかし他の地域と少し様子が違う。なぜだろうか?


僕は依頼ボードの前へと進む。

依頼内容は・・・。これは随分と街の中の依頼が多いな。

討伐系の依頼が少ない。


ここで思い出したのは、ロックフェラ連合国の中心部に近い地域の都市国家であるという事だった。つまり駆除されている方が多いという事だ。

もちろん。森が全てない訳じゃないだから、自然とそういう場所には魔物が出没するが、道路を破壊させない為にも、軍が常時動いて魔物を駆除している様だ。


そういう環境であれば、討伐依頼は少ない。

その代わりに護衛依頼や都市内で捜索依頼が多い。対人依頼が主になる様だ。


だから、冒険者達がコギレイにしている人が多いんだな。

そうか、それで感じが違ったのか。

そんな風に一人で頷いて依頼ボードを見ていた。


「おい。兄ちゃん。何か依頼でも出すのか?」


「えっ?」


あぁ、そうだった。

今は街の観光をするつもりだったから、普通の服だった。

持って来ては居るけど、魔法鞄の中だ。


「いえ。興味があって見ていただけです。」


「なんだよ。冷やかしか?」


「すいません。僕も冒険者をやっていてこの冒険者ギルドはどうなのかな?と思って。」


「そうなのか?同業者だったか。」


「はい。お邪魔してしまったみたいで、すいません。」


「良いってもんよ。で、いつこの街に来たんだ?」


「昨日です。」


「そうか。何かあったら声かけてくれ、俺はここでギルドマスターをしているバルベイドっつう者だ。よろしくな。」


「はい。よろしくお願いします。」


今、この人ギルマスって言ったよな?聞き間違えかな?冒険者って感じなんだけど。

オッサン。冒険者をしているオッサンって感じだな。歳は40代ぐらいかな?

貫禄はあるけど、お偉いさんっていうよりベテランって感じだ。

握手した手もゴツゴツしているしね。


「この街には、旅行か?それとも移住先を見つけに来たのか?」


「旅行です。目的地は首都アテナイです。」


「おお、そうか。まぁ暇が有ったら、ウチに登録して仕事してくんな。」


「わかりました。」


ニカリって笑顔もやっぱ、ベテランの冒険者って感じなんだが・・・。


「ギルマス!お客様ですよ~。」


冒険者ギルドのザ・受付嬢。という見た目の人がオッサンであるバルベイドさんを手招きして呼んでいるから、本当にギルマスなんだろう。


「おう!そういう事だ、兄ちゃん。またな。」


「はい。」


ギルマス:バルベイドさんは奥の部屋らしき所へ向かって行った。

やはり、忙しいのだろうな。


「おい。お前、何者だよ?」


「はい?」


「あのギルマスが声を掛けるなんて、滅多にない。なぁ?」


「ああ。ねぇな。」


「不思議よね?こんな子供みたいな子に声を掛けるなんて。」


「あははは。僕にもわかりませんよ。」


苦笑いをして、その場をやり過ごそうとした。


「なんか、気に食わねぇな。ちょっと(つら)貸せや。」


「すいません。嫌です。」


「はぁ~ん?!」


これは、もしかして、所謂、あるあるパターンですか?


「くっくっく。アンタっておもしろ~い。それ位にしときなよ。よそ者をイジメちゃ可哀そうだよ?」


「ちっ、何だよ。ディアナじゃねぇか。ちょっとばかし先輩として指導してやろうと思った優しさじゃないか?」


「馬鹿だね~。アンタは。相手の力量も分からないの~?」


「はぁん?こんな優男なんて雑魚だろ?」


「はいはい。雑魚には用事が無いでしょう?あっち行きなよ~。それとも・・・?」


ニヤリとしたディアナと呼ばれた女性のその顔は、危ない何かを感じさせる表情だった。


「わ、わかった。今回はディアナの顔に免じて赦してやる。お前ら、行くぞ!」


そう言って絡んできた冒険者パーティーは僕に睨みを利かすと、そそくさと出て行った。

本当に面倒そうな奴らだ。まぁ良いか。


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