第二話 商業都市国家サーゲイロード。
「S級冒険者?」
「はい。そうです。」
「どうぞ、お通りください。」
「どうも。」
ようやく4つ目の都市国家サーゲイロードでは、入場出来た。
ただ少し様子が、オカシイ気がする。
「やっぱ、変ですね?」
「う~ん。S級冒険者ってだけでも、ちょっと扱いが変わると聞いた事があるから、一概には言えない所があるよね。」
そう。そこが僕等には経験のない所。
だから判断に迷う。
ただ、今までの都市国家はあきらかに様子がオカシイというのが分かるレベル。
今回は、S級冒険者としては普通なのかもしれない。
「まぁ、もう街に入った事だし、宿を探しましょう。」
「そうですね。」
僕達は宿を探す事にした。
商業都市国家サーゲイロード。
商業を都市の特色とした顔を持つ都市国家で、王政ではなく議会制を敷いている。
しかも議会は商人ばかりの議会。ここに貴族や王族は居ない。
老獪な商人達の集まりとなっているらしい。
らしいと言うのも、前回この都市に来た時の窓口はプリメラさんがしてくれていたから聞いた話でしかないからだ。
商業都市国家は伊達ではなく、この街には他の街とは違う毛色の賑わいが凄い。
どんな事でも商売に結び付いている感じなのだ。
街の案内所なるお店がある。ここは情報が売り物だそうだ。
「ここで宿の情報を手に入れましょう。」
「ここ?」
「はい。案内所です。この街の情報を売っている場所ですよ。」
「へぇ。」
店は商品が情報というだけあって、カウンターがありそこに人が数名立っているだけだ。
空いている人が居たので、そっちへと向かう。
「いらっしゃい。何をお探しでしょうか?」
「良い宿を教えて欲しい。」
「かしこまりました。銀貨1枚です。案内も必要ですか?銀貨一枚になります。」
「はい。お願いします。」
「かしこまりました。ご希望を細かく教えてください。」
風呂付き。綺麗な部屋。繁華街の近く。ギルドも遠くない場所。
色々と要望を伝える。その言葉の一つも逃すまいと、メモを取りながら頷き聞き、たまに質問をしてくる。
「かしこまりました。他にはありますか?」
「いや。無いかな?」
「わかりました。では、私キャンディスが対応させて頂きます。三か所の候補がございます。このままご案内をさせて頂いても良いでしょうか?」
「はい。お願いします。」
「では、皆さん荷台の方へお願いします。私が御者をしますのでご安心ください。」
案内のついでに操縦をするつもりの様だ。
そこからは、街の風物詩等の説明?案内?をしながら、キャンディスさんが馬車をゆっくりと走らせる。
「こちらが、候補一件目の宿となります。ザ・高級ホテルとなります。VIP様には専属のメイドが付くなどのVIPルームが売りです。各個室にはお風呂が付いた形となっております。また大浴場も完備されており、ゆっくりとしたお時間を過ごすのに適した宿となっております。」
ここは、前回来た時に宿泊したホテルだった。良いホテルだったな。
「凄いな。ここ。」
「やべぇ~。」
「煌びやかだわ。」
ミスコンティさんも来た事があるからか、他とは少し反応が違うけどね。
「では、中に入ってみましょう。」
「入れるの?」
「はい。入れますよ~。」
凄い。案内ってそこまでしてくれるのか。
銀貨一枚って安いんじゃないか?
「おぉ~、キャンディス殿じゃないか。今日は案内ですか?」
店員さんが気さくにキャンディスさんに声を掛けている。
「そうなんだよ。部屋をいつも通り見させてもらってもいいかな?」
「もちろんです。では直ぐに案内させましょう。」
それから三部屋見せてもらった。
例のVIPルームからスイートルーム、スタンダードルームと三つ。
どれも豪華で綺麗な部屋だった。
「さて、次に向かいましょう。では、支配人によろしく。ありがとうね。」
「はい。かしこまりました。」
即決を求めないキャンディスさん。
店員さんも慣れた様子で、そのまま店員さんを残して僕等はホテルを後にした。
「さぁ、乗ってください。」
そして僕等は候補二件目と三件目も同じ様に見させてもらった。
候補二件目は風呂が主役の宿で、五種類の大浴場が用意されていた。
部屋は質素ながらも清潔感があり、寝具は凄く寝心地が良さそうなモノだった。
三件目はアットホームな感じの安心できる宿。
豪華さは無いが、我が家の様な暖かさを感じる宿だった。
細かいサービスが行き届いている様子があり、長期滞在する冒険者ならここが一番落ち着くかもしれない。
「さて、皆さま。案内はここ迄となりますが、我が案内所が自信を持ってお勧めできる場所です。何処になさいますか?」
「どうしよう?どれも良い!」
「そうだな。甲乙つけがたい。」
「どうするよ?」
「多数決?」
「良いね。」
結果、2対2対1。一発で決まらなかった。
「ぬう。決まらぬとは。」
「こうなれば、豪華さか風呂の二択で煉が選ぶしかないな。」
1が僕だったからだ。
僕は苦渋の決断の元、風呂を諦めて、豪華ホテルを選んだ。
「ありがとうございます。では、ホテル:サロードへご案内致します。」
キャンディスさんは、ホテルの部屋を選ぶところまで、付き合ってくれた。
さらに、キャンディスさんの案内という事で10%OFFとなり、VIPルームに泊まる事になった。これは、キャンディスさんはやり手なのでは?と思わされた。
「まいど。またご利用ください。良いお店も知ってますよ~。」
そう言って、キャンディスさんは去って行った。
多分、良いお店。はプレストンさんとパークリーさんが活用するだろう。
すぐに、キャンディスさんを追いかけて行った二人の行動で分かるというモノだ。




