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姫萩−ひめはぎ−(仮)

作者: 井上甘草

とりあえず書きましたぞ姫萩姉さん!

姫萩(秋担当) の思うこと


世界には季節がある。ざっくり言うと、春夏秋冬の四季。細かく言い出すと、エイプリルシャワー、梅雨、山火事の季節、鰤起こしの季節…だいたいが天気の変化で区切られるか、自然現象をキッカケにコロッと別のものになる。実に忙しない。人間からしてみてこんなに毎日刻々と変わって焦ったり感謝したり忙しいのに、当の本人たちはというと、それぞれの関係性や都合も配慮しなくちゃならないからたまったもんじゃない!人間の暮らしが本当に懐かしい。僕は秋を担当しているけど、夏は割と新入りの僕にあたりが強いし、よく「俺の仕掛けた伏線をマルッと無意味にしやがったな!」とがなりながら文句を言ってくる。先代の父さんにはあんなに素直で懐いているのに。冬は優しくて穏やかでおっとりしているのに、あまり喋らないからたまに意思の疎通ができなくて困る。いつもニコニコ僕の話を聞いてくれる。夏も冬を前にすると急に炭を減らされた囲炉裏みたいに静かになる。春は…耳が遠い。最近は目も見えにくいのか、赤道付近から実行開始するのを北から順に周りかけたりと危なっかしい。「いい加減隠居でもするか」と言って、今は引き継ぎのために新しい子を連れてやっている。その子はまだどこか幼さが残っていて、ヒヨコみたいに一生懸命春を追っかけていて可愛い!春と呼び分けるために「小春」って名前をつけたら、すぐに春の後ろに隠れて、覗き込んだら真っ赤な首だけ見せてしゃがみこんで照れていた。この子はきっと空気清浄機になれると思う。

まだまだ僕たちには仲間がいる。季節を呼ぶ僕たちのような人間じゃない者。妖怪とか精霊とか、龍なんて呼ばれる人間の科学ではありえないとされる者たち。そして、僕たちの影響を一番に受ける、人間界の者たち(これには動物も含まれる)。


そんな僕たちの日常の何やかんやは長い人生の割に毎日がギュッと詰まっている。怒ったり、舞い上がったり、勘違いでてんやわんやしたりの日常。頭で抱えるにはパンク寸前だ。だけど、みんなに話すにも「僕は押しが弱過ぎる」らしい。みんなが強過ぎるだけに思うけど。

そんな僕の言葉を黙って聞いてくれそうな人を思ったら、ノートだけだった。だから、君にちょっと話しかけるみたいに書いてみようと思う。


聞いて欲しい。ほんとにみんな、めちゃくちゃなんだ…


正直、僕の頭も体もチーパッパしていてガンガラしているんだ!みんな自由が過ぎる!!

姫萩は結構可愛がられることに揉まれているようです。

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