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魔狼の恩返し  作者: 花畑
7・終章~新たなる神~
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【魔王】

ちょっとしたパロディあります。

「も~~! 戦う気は無いって、言ってるでしょ!! 話が有るの。オルフに。私の狼さんに」


「その言葉を鵜呑みにして、はい、そうですか。と、いかないのが宮仕えの辛いところなんでね」


 ルナに、その気は無くても立場的に戦わなくてはいけない、国の精鋭部隊”黒獅子”の隊長、”土”の勇者クロイツェル。


獅子王の一撃(ゴルディオンハンマー)!!!」


「も~。獅子王の一撃(ゴルディオンハンマー)


 俺の氷女神の鉄槌(ゴッデス・ハンマー)と違い、光線のように放出するのではなく、その身に纏い、|金色(こんじき)に輝き、拳を叩きつける神級魔法。

 ぶつかり合う金色の”土”の神級魔法だが、同じ魔法であっても、()()()()ではない。


「ぐわああああああああああああ!!!!」


 宝盾・ワルターによって底上げされているにも関わらず、俺によって加護が増大し、ワルターの姿が見えるにまで至ったにも関わらず、ルナの魔法に押し負け、吹き飛ぶ。


「クロイツェルさん!!? 大津波(ダイタル・ウェイブ)!!!」


大津波(ダイタル・ウェイブ)


 元から宝杖・ディーヴァの姿が見えていたカリン嬢の魔法ですら、俺によって増大しているのに、ルナの魔法と互角、攻めあぐねている。


「へえ。凄いじゃない。私と互角なんて。自慢して良いわよ」


闇を許さぬ輝き(サン・シャイン)!!!」


 クロイツェルとカリン嬢によって作られた時間で、火の究極、全てを消滅させる”太陽”の魔法を撃ちこむベラ嬢。

 流石に、魔王、()()()のルナとはいえ、同じ魔法は繰り出せないと見えた。


「流石に、それは無理ね。それに下手な火の魔法は、貴女に吸収される」


 なすすべなく、その日輪の業火に飲み込まれるように見えたルナ。


「でもね……」


 ルナの言葉の途中で見事に着弾し、跡には何も、何も無くなっていた……。

 だが……




「いつから、私が其処に居ると、()()()()()()()?」


 クロイツェルに攻撃された直後から、俺の隣に立っていたルナが、笑いながら俺に体重を預けてくる。

 ユニーク・スキル【朧月(おぼろづき)】の効果によって、俺以外の仲間たちは、何も無い場所に攻撃を加えていたのだ。


『……離れて。オルフから離れて』


『ふわぁあ! ふわぁあ!』


「きゃ~~! 可愛い! なぁに? この子たち!?」


 俺に触れるルナに抗議、嫌悪の込めて、叩こうと、振り解こうするユキとツララだが、思念体なので何の効果も無い。

 むしろ、その必死な行動を可愛いと、逆に愛でられてしまっている。



 ーーーーーー



「戦う気が無いのは、本当のようですし。話だけでも聞いてみましょう」


 オルフ以外の誰もが敵わないと悟り、当のオルフに戦う気は無い。

 やって来た元・魔王ルナは、オルフの隣で、隣で呑気に紅茶を、オルフの淹れてくれた紅茶を、いつも私に淹れてくれる紅茶を飲んでいる。



「ほほう。やるの~。人の身でありながら、大した腕じゃ。ロンといったか? ワシの創った魔剣を改良とはいえ、ここまで昇華するとはのう。あっぱれ」


「だろ~。へへ。ウチのロンは凄ぇんだぞ」


「そうですわ! ロンは凄いんですのよ。ドナ爺」


 ロンのことを褒められて嬉しいレミとサラさんが、四天王ドナテロと和気あいあいとしている。



「で、何の御用件ですかな? 麗しき”元”魔王の可憐な姫君は」


 仲間の中で唯一、吹き飛び、怪我をしたクロイツェルさんが怪訝な顔で尋ねる。


「【魔王】は、マンダラに譲ってきました。そうしないと私は、私の狼さん。オルフと、こうして紅茶も嗜むことも出来ないと言われちゃったからね」


「よりにもよって、強硬派(マンダラ)にか……」


 それを聞いて、オルフが頭を抱え、ドナテロさんが同意とばかりに頷く。

 当のルナさんは、あっけらかんと笑っている。


「私としてはね。人族なんか、どうでも良いの。和平を結んで友好を図っても良いし、決裂して戦争になってもね。【魔王】である限り、個人として人族と仲良くは出来ないの。魔物の象徴。加護も畏怖も憎悪も全て、その身に受ける立場だとね」


「【魔王】を得て、強靭になったマンダラ。その力を持って、人族を殲滅する気じゃ。今まで姫様(無関心)ワシ(穏健派)ウィル(中立派)ジョイフル(友好派)と肩身の狭かったマンダラ(強硬派)。【魔王】を得るために、虎視眈々と機会をうかがっていたようじゃ」


 魔王軍の内情を幹部から直接、語られる。



「私は、魔王(マンダラ)勇者(オルフ)。私の狼さんの戦いに手は出さないわ。それはドナテロも同じ。勝ち残ったほうに従うし、狼さんが勝ったら、次の【魔王】はドナテロにでも譲って、隠居します。後は、和平するも良し。戦争するも良し。私は私の恋愛(幸せ)のために生きます」


「そこまで、俺を買ってくれていると喜ぶべきか……トップとして身勝手、我儘だと怒るべきか……」


 本当に、どうでもいいとばかりに笑うルナさんと、頭を抱えて唸るオルフ。

 上に立つ者としての責務を全て投げ出し、自分の感情に素直に行動する姿を、単純に羨ましいと思う。



 ーーーーーー

 ーーーーー

 ーーーー

 ーーー

 ーー


 ー




「私の狼さん。オルフを好きな者同士。話が有るわ。ちょっと良いかしら? イザベラちゃん」


 その夜、ルナさんから呼び出しをもらった……。







イザベラ達に勝ち目が無く、正史で魔王を倒せそうに無いように見えますが、勝てます。

正史では生きているはずの父・アレクセイから「勇者の攻撃は、正義の一撃は、魔王を打ち払う」と言われるので、強制的にイザベラの攻撃は魔王に当たるからです。



完結まで更新は平日午前6時、土日祝日午前1時に行います。

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― 新着の感想 ―
[一言] あーなるほどー(^^)やんやっけな、『承認っ!』かな?すみません、そこまで詳しくないんスよね(ーー;)
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