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魔狼の恩返し  作者: 花畑
6・遷りゆく頂点
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”泥土”のマンダラ

「”黒鉄”のブ「火の矢(ファイアー・アロー)!!」


 何人目、何体目か数えても居ないジョイフル親衛隊(カラーズ)の追加メンバーらしき魔物が消滅する。


「あああ!! もう!! 名乗るなら最後まで!! 功績にならないじゃない!!!」


「”純白”のホ「すっごい丈夫ですわ!! ロンさん! 良い剣を感謝しますわ!!」


 功を焦るベラ嬢と、功などより新調してもらった魔剣の性能を喜ぶサラの快進撃が続く。

 雑魚、精鋭をまとめて葬る進軍のせいで、露払いに付いてきた黒獅子兵団の方々が隅で泣いている……。


「まあ、なんだ。お前達が付いてきてくれて助かってる。野営や夜の見張りに人数が多いにこしたことはないしな」


「俺も助かっている。うちは女所帯だからな。今まで、男と話す機会も少ないし、会話に困ることがないのは精神的にも助かる」


 クロイツェルと俺がフォローに入ったが、戦闘面でのことでは無かった。


「こんな役立たずに優しい御言葉」「一生、隊長達に付いて行きます」「頑張ります!」


 無かったが、精神面(メンタル)が弱っていた彼らには、涙ながらに感謝された。

 そんな他愛ない、波乱のない進軍を続けていた時、()()()()()()

 まっさきに、空気に混じりだした”毒”を感じ取った前世が魔狼であった俺とスノウが動く。


「それ以上は進まないで!」


 スノウが風魔法によって、周囲の風を進行方向に向け、”毒”を来ないようにする。

 ”毒”が漏れ出てきている洞穴、ジョイフルの居城への最短にして最良のルートからの放出。


「これでは進めませんな。あの毒をどうにかしなくては。」


「迂回とか出来ないんですか? 時間は掛かるかもしれないですけど。城の頭は見えるから、目的地には辿り着けるんじゃ?」


 戦いに精通しているクロイツェルが妥当な案を、経験の少ないカリン嬢が思い付きの提案をする。

 普段、使われていない道では視界が悪く、しかも敵地であることも加味すると現実的な提案ではない。


「敵が普段、使っている道というのは待ち伏せもあるだろうが、こちらも予期しやすい。視界が良く、注意していれば大丈夫だが。獣道というとな。常に気を張るのは精神がキツい」


 クロイツェルが素人のカリン嬢に分かりやすく説明している。

 俺達は、外から風魔法で”毒”が来ないようにしているが、入り口付近に何体もの魔物の死骸が見える。


「あの”毒”は罠ではないな。道に罠を設置するなら、部下は巻き込まないように発動させるものだ。俺達の接近で、緊急に発動させた訳でもないのに巻き込まれた者達が見える」


「では、アレは想定外の何かが撒き散らしていると? どうしますかな?」



 ーーーーーー



「おや? 貴方は想定していましたが、スノウさんまで来るとは意外ですね」


 洞穴の中間地点に、”毒”の発生源、因縁深き”泥土”のマンダラが待ち構えていた。

 スノウによる風魔法で全身を保護した俺とスノウで対峙する。


『”預かり(キーパー)”の首飾りに風魔法を込める。込めた分の魔法が切れるまでに戻れなかったら迂回路を探して』


 俺から離れるのを嫌がったスノウが、そう仲間達に告げて無理矢理に付いてきたのだ。

 ベラ嬢も嫌がったが、”毒”の対処が出来ないので仕方なく諦めてくれた。


「戦いながら、私の”毒”に対抗、対処できる(すべ)を持つのは貴方とスノウさんだけなので想定していましたよ。ですが、風の鎧を纏ったままで戦うのはハンデなのに、無謀では? 蛮勇は勇敢と言いませんよ」


 閉所空間での圧倒的な有利を得ているマンダラと対峙するのは難しい。

 それを証明するように自身から漏れ出る瘴気、”毒”と共に無詠唱による石礫(いしつぶて)を飛ばしてくる。


「オルフ!!?」


 スノウを庇うために立ちはだかった俺の風の鎧が、風船が割れるように簡単に霧散し、致死性の高い”毒”に()()()()が晒される!




スノウさん(貴方)は敵では無いのですよ。この空間。この状況。ここで私の敵となりうるのは、最初からオルフ、貴方だけなのですから」


 この状況でも平気な様子の俺に驚くこともしないマンダラを見て、ずっと思っていた疑惑が確信へと変わる。


「オスカーに毒を渡したのは……お前か! マンダラ!!」


害虫(人族)の男の名前など憶えていませんね」


()()に耐えるかぁ。おヌシは”マンダラ”の毒にも耐えられるのではないかの?』


 思い出すのは四天王”水瓶”のドナテロの言葉。

 ()()()()()()()を克服して、手に入れた毒耐性について評された言葉。


「何故、モータルに白銀装備を与えた!? むやみに瘴気を出さぬように貴様自身も”銀”を装備しているように! 悪しきモノにとって”銀”は天敵だ!」


「部下、配下に装備を与えるのが、可笑しなことでしょうか? 貴方や私が装備しているように、有益なことだってありますよ?」


 言っていることは正しいが、神に近づく俺の実力を、優秀な錬金術と鍛冶師のおかげとはいえ、抑えられる良質の”白銀”で装備を創るより、もっと手頃なモータルに適した装備だって用意できたはずだ。

 まるで、あの時は死んでいるはずの()()()()()()を想定したような限定的な装備。


『マンダラの紹介で来たけど、此処で生活していれば、お姫様がフランベルを持って現れると言う話だったのに!』


「サラに移住を進めたな? 何故だ!? サラから良い感情を持たれていないのに、良くしてやる理由は!?」


「良き感情を持たれていないからこそ、ですよ。相手に好かれるには、こちらから歩み寄らねば」


 かつての発言を思い出しながら、サラに移住に適した場所と宝剣・フランベルのことを伝えたために起きた事件を思い出す。

 俺一人では倒しきれなかったサラに敗北していたら、ベラ嬢はスキルの関係上で完封されていただろう。

 まるで俺達を()()()()にしたような行動。



「のらりくらりと、口の廻る奴だ。だが、これには正直に答えてもらう。いや、答えなかったとしても構わない。俺の中では()()()()なのだから」


「なんでしょうか? さっきから正直に答えてるのに心外ですね。()()()()()ことには答えてるでしょうに」


 俺との口論が楽しいのか、声には出していないが肩の動きなどで(わら)っているのが分かる!

 マンダラの失礼極まる態度を止めさせる発言を、()()を突いた発言をする!!






()()()()()()? 運命(未来)を知っている。俺が何度も修正しているのに、それを壊すような細かさ。裏には神が居る。転生ないし、それに近いことをしただろう!!」







稚拙な文章を読んで頂いて、ありがとうございます。


六章完結まで、平日6時、土日祝日1時に投稿します。

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