表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔狼の恩返し  作者: 花畑
3・火山の雌火竜
26/89

2年越しのクリティカル

予約投稿です。


ギャグ回です。


次回も同じ時間に投稿します。

 ロック・ベア討伐後、ベラ嬢と共にエルネスト伯の邸宅に呼び出された。

 俺にとっての従者の理想形であるクラウスさんに先導されて、執務室に入る。


「よく来てくれた、イザベラ卿。何度も呼び出して、済まないね。オルフ」


 いつもの様な()()()()などの依頼なら俺だけ呼ばれるか、手紙などで依頼が来るのだが、ベラ嬢も呼びつけるのは正式に協力要請をすることで、()()()()()()ようにするためだ。

 俺を懐柔したいエルネスト伯が、貴族としての強権を行使してまで達成してほしい依頼内容は、想像するだけで大変そうだった。


「単刀直入に言おう。鉱山の在る火山地域で、(ドラゴン)が目撃されたらしい。目撃した者達が酒を飲み、温泉に浸かって酩酊状態だったこともあり、信用されなかった。しかし最近、火山のマグマの熱が低くなった。地域の魔物が流れる異変も有る。それの調査に、オルフを貸して欲しい」


「まあ!? 竜! 温泉!? 私も行ってみたいです」


 温泉や竜などの心躍る言葉に、無邪気に反応するベラ嬢は可愛らしいのだが、非常に難しい案件だ。

 竜などという上位種に大人数で対峙すれば被害が大きくなるだけなので、調査には少人数の精鋭で行くしかない。

 目撃情報の信憑性からいって竜が居なかったとしても、地域の魔物が逃げ出し、マグマの熱が下がる原因は排除しなくてはならない。

 マグマの熱を利用した製鉄や鍛冶は、エルネスト伯の治める領地での一大産業なのだからだ。


「かしこまりました。異変の原因の調査と排除を、私の出来る範囲で良いのなら尽力いたします」


()()()()()なら、竜が相手でも大丈夫! お任せください。エルネスト伯」


 俺のことを勇者か何かだと思っているベラ嬢が、絶大なる信頼(プレッシャー)を込めて、引き受ける。

 単純な攻撃力なら、ベラ嬢の方が圧倒的に上なのだが……




 ーーーーーー


「ですから! 私、1人で調査に行きます! もし、竜など出たら、御身に危険が及んでしまいます!!」


「嫌です!! 最近、オルフは討伐の出張続きで会えないし!! それに、温泉入りたい!!!!」


 エルネストの旦那の所から帰ってくるなり、兄貴と姉御が言い争いを始めた。

 戦いから遠ざけたい兄貴と、兄貴と一緒に居たい上に温泉に入りたい姉御の争いは平行線だ。


「……温泉かぁ。入ったことないし、入ってみてぇなぁ」


「!! レミも言っています! 皆で温泉に行きましょう!!」


 思わず呟いてしまって、姉御の援護射撃になってしまった。

 兄貴が恨みがましい視線を投げかけてくる。


「何ですか!!? 騒々しい!! 貴族と、その従者としての自覚が足りませんよ!!」


 騒ぎを聞きつけ、ヒルダ姐さんまで参戦する。


「温泉!!?? オルフと温泉!?? うらやま……ゲフンゲフン!! 温泉を1人占めとは許しませんよ!!」


 ……ヒルダ姐さんまで、参戦する。




 一向に終わらない言い争いに、兄貴が何かを決意したような顔で、口を開いた。


「子供みたいに駄々を捏ねないでくれ。……()()。ベラは、()()()()()()()()の素敵な淑女だろう? 不機嫌な表情は似合わないよ」


 やったーーーーー!!! やりやがったーーーーー!!!??

 二年も言わなかった愛称呼びの上に、劇の色男(ロメロ)も真っ青な、頭をポンポンしながらの思わせぶりな口説き文句だーーー!!!


「……はぁい。待ってましゅ」


 はい! 堕ちた!! 見事に堕ちた!!!


「……良いなあ」


 ベラの姉御を羨ましく見つめるヒルダ姐さん。



 何だ!? コレ!!?




 ーーーーーー



【偽装】(偽)を使い、温存していた愛称呼びまで繰り出して、単身で目的の鉱山都市・タタラに到着した。

 火山の地熱による温泉で栄え、後に鉱山が発見され、観光と産業の合わさった大都市・タタラ。

 マグマの熱の減少の影響の少ない温泉関係は営業しているが、製鉄や鍛冶の営業は縮小しているようだ。


(竜なのかは分からない。だが、確かに何か居るな)


 生前も含め、竜などという上位種と出会ったことが無いうえに、火山特有の温泉の硫黄の匂いで()が利かないが、強者の気配を感じ取っていた。


(魔狼(パール)の俺を排除に来たオスカーの立場に、今の俺が立つとはな。運命とは皮肉なモノだ)


 まずは冒険者ギルドに行き、この地域での魔物や異変の情報を仕入れて、原因の相手を探さなくてはならない。

 数日を掛けて原因を探し、倒せぬほどの強者なら()()()()()()と楽観的に考えていた。

 俺は、ベラ嬢を魔王と戦うようなことにしない為に魔王を倒そうと考えているが、現時点で魔王より強いわけでもなく、原因を()()()で倒す理由も無い。




 だから、命懸けになるとは、微塵も思わなかったのだ。







稚拙な文章を読んで頂いてありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ