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魔狼の恩返し  作者: 花畑
2・ヴォルフ家の忠臣
22/89

サテラ イト

予約投稿です。


サブタイトルは誤字脱字では、ありません。

「アンディ叔父様、今までの所業については不問に致しますので、大人しく降伏してください」


「五月蝿い!! 今まで、メソメソと泣いてるだけだった小娘が! ちょっと強い部下を手に入れただけで、調子に乗りやがって!!!」


 グレタ奥様に似て、心優しく成長されたイザベラ嬢の慈悲深き降伏勧告を一蹴するアンディ。

 本当にアンディに、高潔だったオスカーやアレクと同じ血が流れているのか疑わしくなる。


 アンディは、一つ勘違いをしている。

 イザベラ嬢は俺が手を貸さなくても、()()()()()()()()()実力が有るのだ。


 フランベルを()()輝かせ、斬りかかるアンディ。



 ーーユニーク・スキル・炎に愛されし者(サテライト)・ーー


 自身が出せる火より弱い火を意のままに操る能力。

 道具などを使い、火力の底上げをしても、それが自身の出せる上限と判断される


 ーーーーーー



 単純にして最強、究極に近い火のユニーク・スキル。

 忌々しい女神(サテラ)が、丹精込めて作ったのは伊達ではないのだ。


「何ィ!!???」


 突如として、アンディの手からフランベルが、イザベラ嬢の手に収まる。


「降伏してください! アンディ叔父様」


 フランベルという極上の火の触媒を使ったにも拘わらず、その火力は何も使っていないイザベラ嬢の()()()()()()だったために起きた現象だ。

 フランベルを持ち、火力の上限が上がったイザベラ嬢を倒せる者は、火属性の多い人族の中では勇者クラスの一握りだけだろう。

 そして赤く、()()()()フランベルを輝かせ、アンディに降伏を促す。



 今まで戦わなかったのは、母の教えに従っていただけでなく、自分の都合で命を奪いたくなかったからだ。

 未熟な現時点で、手加減不能の凄まじい攻撃力は、一撃で命を奪うからだ。

 姑息なアンディは実力差で降伏するだろうが、先ほどのリザードマンのような勇猛果敢な者は、一撃を入れなければ止まらないだろう。



「くそが!!」


 丸腰になってしまったアンディが苦し紛れに火の魔法を放ってくるが、その全てを吸収し輝きを増すフランベル。


「降伏してください」


 止めと言わんばかりに、アンディを守る火の魔法まで奪う。


「ぐわぁぁぁあぁぁ!!!」


 身を守る魔法を奪われ、無防備のアンディに選ばれし者の氷の牢獄(スノウ・ドーム)が襲い掛かり、激痛に叫び声を上げる。

 打開策は無いかと、のたうち回りながら周辺に視線を巡らせたアンディが見つけた()()が有った。




「言ったはずだ。()()()()()をしない限り、手は出さないと」


 アンディが見つけたモノ(打開策)とは、決闘の参加者では無いヒルダさんを人質に取るという卑怯卑劣極まりないモノだった。

 迫るアンディに対して、その場を()()()()()()に一歩も動かないヒルダさん。


咲き誇る氷の華(ニードル・ポイント)


 ヒルダさんを中心に、華が咲くように無数の氷の杭が屹立して、アンディを串刺しにする。


「……叔父様」


 今まで悪逆非道、傍若無人な振る舞いをされ、最期は人質と取ろうとした貴族にあるまじき外道の叔父(アンディ)の死に、心を痛めるイザベラ嬢。

 やはり、心優しく育ったイザベラ嬢に戦いは向かない。



 やはり、魔王は俺が倒さねばならないと、強く誓うのであった。






「オルフ、考えたのだけど。私は、私をオルフに捧げようと思うの」「ブゥーーーーーーー!!!??」


 数日かけて、あばら家だった別宅から本宅に引っ越しを終え、落ち着いた日のティータイムで爆弾発言が飛び出し、ヒルダさんが盛大に噴き出す。


「ベラお嬢様!?? 何を!? オルフは私が狙っ……じゃなくて!! ご自分が何を言ってるのか分かってるんですか!??」


「オルフの今回の奉公に報いる為に褒美をと思いましたが、私に残されたのは()()()しか有りません。ですから、ソレをと」


 七代目が、まともな教育もしなかったせいで常識知らずのイザベラ嬢の発言に、頭が痛くなってくる。

 忙しくなってくるので、人を雇おうと思っていたから、そういったことの教育担当を雇おうを決めた。


「当主になられたのですから、ヴォルフ家の資産全てがイザベラお嬢様の物ですよ」


「その()()()()お嬢様は止めて! ヒルダのように、()()と呼んで! 全てが私のなら、オルフは何か欲しいものが有る?」


『ワシは止めろよ。分かっとると思うが、一応な』


 フランベルに言われるまでもなく、頂けるならコレと決めていた物が有る。


「でしたら、リザードマンが使っていた装備が良いですね。曰く付きなので売れないので頂いても家計に響きませんし、何より実用的です」


 事前の情報で売り払われていないのが分かってから、ある()()の実験材料にしようと思っていたので、丁度よかった。


「あんな物で良いの? オルフは欲が無いのね。……今なら、私もオマケに」


「要りません!」


「…………ベラ」


「言いません!」


 早急に、()()嬢の再教育をしなくてはいけないと、ヒルダさんと心を一つにしたティータイムだった。







稚拙な文章を読んで頂いてありがとうございます。

誤字脱字は、次の章を始める時に直すので遅れます。

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