表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔狼の恩返し  作者: 花畑
1・一度目の転生
10/89

戦いの前夜

予約投稿です。

「これより! 森で建設されている魔物の砦と、その主の排除に向かう!! 準備は良いか!?」


「「「おおお!!!」」」


 アレクの激に、兵士達が、雄々しく応える。


(住んでいた森に、勝手に住み処()を造られた。確かに、生前の俺なら戦うだろうな)


 何故、生前の俺が魔王軍と一戦交えることになったか、納得していると


「我らには、炎の女神! サテラ様の加護が有る!! ()()()()()()()()()()! 案ずるな!!」


『そ~~だぞ! 居なくなったオスカーとパールの替わりも用意したしねー』


 自分の杜撰な計画の穴埋めを、強引に行った女神が厚かましく誇っていた。

 人族は火によって発展したため、炎を司る女神は多くの地域で信仰されており、この雪深い地域では根強い信仰が有る。

 つまり、俺の女神への信仰潰し(復讐)は、非常に困難なのだ。


()()でも、諦めるとは言わないんだね。プン、プンだよ? 僕は』


 アレクの()()のスキルのおかげで、俺にしか見えていないのだろう顕現した女神が、可愛らしく怒った仕草をした。


『可愛いだなんて、照れるな~。ルン、ルンだよ? 僕は』


 怒ったり、照れたりする仕草の一つ一つがオーバーで、疲れないのかと呆れていると


「アッ きゃっ あうあう~~」


「どうしました? イザベラ様。何か、面白かったですか?」


 急に、ニコニコと笑い、はしゃぎだしたイザベラ嬢に困惑しながら、担当メイドのヒルダさんが落ち着かせようと奮闘している。

 こちらを見ながら笑っているイザベラ嬢を見て、もしかして女神(サテラ)が見えているのでは? と、思っていると


()()()()よ。若いほど、神聖なモノに近いから見えやすいし、イザベラの恩寵(ユニーク・スキル)は、僕が丹精込めて作って宿したから繋がりも強いからね』


「グレタ。ベラも笑って、見送ってくれている。グレタも笑って、見送ってほしい」


 馬上からアレクが、まだ産後の体調不良が癒えないが、戦場に向かう(アレク)を毅然と見送りに立っている奥方に言う。


「あの森は、オスカー様が亡くなられた場所。不安で、笑ってなどいられません」


「不安に思うな、とは言わない。でも、グレタの笑顔を、また見たいと思って、生還(帰りたく)してくれ」


 ズルい人 と呟き、奥方は微笑んだ。


(女神の計画(運命)なら、生前の俺とオスカー以上に強くなっていれば、アレクは死なないはずだ。受けた恩、やってしまった償いのためにも)


 例え、俺が死んだとしても と、気持ちを引き締めた。



 ーーーーーー

 森に近い故郷コユキ村で、一晩の休息を取ってから攻めることになった。

 二年振りの帰郷だ。



「お帰り! シルバ! お帰り! お帰りーー!!」


 到着するなり、レオナが胸に飛び込んできて離してくれない。


「将来の英雄様には将来の伴侶も、飛び切りのが居らっしゃるな!」


 ロイが、しがみ付くレオナを見て、軽口を言ってくる。

 周りの同僚達も、式には呼べよ? だの 馴れ初めは? だのと騒ぎ立てる。


「シルバ。話には聞いていたが、随分と可愛い娘さんじゃないか。将来は美人さんになるぞ。ベラには及ばないだろうがな」


 アレクまでが騒ぎに乗ってきた。

 確かに五歳の時から比べて、レオナは髪を伸ばし、出るところは同年代よりも出始めて、将来は美人になるだろう下地が有る。

 だから、()()()()()で離れて欲しいのだが


「シルバ! これ! これ! 見せたいものが有るの!!」


 ようやく胸から離れてくれたが、俺の腕をガッチリと掴み、村外れの小さな小屋へと引き摺っていく。

 其処は、ちょっとした礼拝所のようになっており、大小の像が並べられていた。


「シルバに習った()()()で作ったの! 偉い? 偉い?」


 人並よりは多い魔力を持っていたが、特別に多い訳ではないレオナに自衛の手段として選んだのが、錬金術だった。

 レオナの魔力は質が良く、本人も魔力操作の才能が有ったので、繊細な技術が必要な錬金術は適していた。

 村に必要な各種の薬や道具なんかを作れるように、街に狩った獣や魔物の素材、魔石を売りに行った際に教本を買ってきて、二人で習ったのだ。


()()()様の像は良いとして、僕の像が何で並んでるんだい?」


 氷の女神アスラ、炎の女神サテラの撲滅のために、俺が選んだ女神。

 生前の俺は、氷の魔法の適正が有ったので選ぶならアスラ一択だし、生前はアスラの名前に縁が有ったからである。


『ちょっとーー!? 何で、僕の御神体の隣にアスラなんて置いてるのー!? 明らかに造形が、僕のより良いし!! 贔屓だー! 忖度だーー!!』


「だって! だって!! 私にとって、シルバは英雄なの! 勇者なのーー!!」


 一体だけの痴女(サテラ)の像が不格好なのは製作者が違うからで、同じ製作者(レオナ)が作ったシルバ()の像も完成度はサテラのより、遥かに上なのは言うまでもない。

 女性が集まれば姦しい なんて格言を思い浮かべながら、レオナを見て考える。


(この戦いが終わった後、どうなるか分からない。俺のことを好いてくれているレオナにも、今後のためにも真実を伝えなくては)


 こうして、戦いの前の夜が過ぎていく……。







稚拙な文章を読んで頂いて、ありがとうございます


章ごとに投稿を考えておりますので、誤字脱字の修正は遅れます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ