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にゃーちゃん来訪

土曜の朝。東京は晴天なり。

山形の天候は雪模様。

雪でも電車は普通に運行しているそうで、にゃーちゃんから新幹線に乗車したと先程連絡がありました。


9時半頃には東京駅に着いてしまいます…。ヤバい、ヤバい、ヤバい!寝袋が届いてないッ!!



昨日は残業で遅くなり、お店が閉まっていて布団を買えず…。

今日の午前中に改めて買いに走ろう、としていたのに、にゃーちゃんが思っていたより早く到着してしまう…ナンテコッタ。


誤算続きです。見通しが甘かった…寝袋を即日配達にすれば良かったと後悔しても後の祭り…何故しなかった、私のバカー!!


「そろそろ、迎えに行かないと。」


アパートから東京駅まで電車を乗り継いで一時間は掛かる。

大宮で在来線に乗り換えて来る方が時間短縮になるのだが、にゃーちゃんが東京駅を観光したいと言うから東京駅で待ち合わせになった。


あと、研修先が大崎で、前日に下見がしたいそうだ。迷子になるから場所を確認しないと不安になるとか。案内するから大丈夫なのに…。


実は、研修って嘘じゃないかと少し疑ってたりしたんだよね。…ひょっとして私に会いに来る口実を捏造…と淡い期待をしたんですが、違いました。会いに来るだけなら「遊びに行くね」って言う人でした。


それにしても…ベッド1つで、大丈夫かな。にゃーちゃん気にするかな?

一緒に寝てくれるかな?「あ、私が起きてればいいのか。1日くらい寝なくてもいいや、にゃーちゃんの寝顔を見て…見て…見てるとムラムラするから…本でも読んでればいいッ!」大きな独り言。


よしよし、当面の問題は解決した。ことにする。


いざ、東京駅まで。

にゃーちゃんに早く会いたい。


割愛。


東京駅に到着しました。


私、相当浮かれていたようです。…財布を忘れてきました。

Suica1つでどうする気ですかね。バカですね。

「にゃーちゃんに連絡入れて財布を取りに戻る?いやいや…にゃーちゃんを東京駅で独りにできない。あと10分くらいで到着するし、一緒にアパートに戻ってもらおう…」ぐぬぬ。何たる失態。


新幹線の改札前で身悶える私、不審者極まりない。駅員さんに変な目で見られてしまった。…少し、落ち着こう。ふぅ…。


いつの間にか、にゃーちゃんの乗った新幹線が到着していたようだ。改札を通り抜ける人混みからにゃーちゃんを探す。


マフラーとコートでもこもこになってる、にゃーちゃん発見。

にゃーちゃんも私を見つけたようだ。

ぱぁっと花が咲いたように笑う。…か、可愛い。

「…りっちゃん、暑い」


ははは。第一声が暑いって、にゃーちゃんぽいなぁ。

「そんだけ、もこもこしてたら暑いでしょう。何で脱がなかったの?」

「脱ぐと寒いもん…」

「せめてマフラー外すとか」

「だって、マフラー外したら忘れてきそうだったし…これ、りっちゃんから貰った大事なマフラーだもん」

……そう言うこと、さらっと言わないでください。大事に使ってもらえて嬉しいですよ。ってか、可愛いな、にゃーちゃん。


あぁ、もぅ…病気ですね、私。


「…にゃーちゃん、ごめん。あのさ…財布を忘れて来たから、一緒にアパートまで来てくれないかな?」

「はにゃ?」

「あ、東京駅見て回りたいよね?ごめん、じゃあ僕が取りに行ってる間、東京駅にいる?」

「一緒に行くよ。独りだと迷子になっちゃう」

きゅっと手を握ってくるにゃーちゃん。


…にゃーちゃんと手を繋いでいいの?いいのかな?いいよね?東京は人が多いから、はぐれたら困るし。

ヤバい。ドキドキしてる。

静まれ!心臓!!

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