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龍王様の迷宮探索記  作者: 夜桜
現世に降り立つ龍王
1/15

プロローグ

初めに、この作品は数々の神話を参考にしてあるため、あれ?これ出て来る神話違くね?とかなりますが気にしないで下さい。

また、この作品は場面によって主人公視点、他キャラ視点、第三者視点を使い分けて書くつもりです。混乱させないように書くつもりですが、それでも混乱させてしまう可能性もありますので、先にここで謝罪させていただきます。すみませんでした。

迷宮(ダンジョン)

数多の階層に分かれる不思議なそれは、凶悪なモンスター達がひしめく未開の地。

そこに集まる富と名声を求めた命知らずな荒くれ者達。そしてそんな荒くれ者達を管理する絶対機関ギルド。

自身の相棒たる武器や信頼における仲間達と共にのし上がり、待ち受けたるモンスター達を薙ぎ倒す。

響き渡る剣戟音、魔物達の恐ろし咆哮。

自身の体躯の何倍もの体躯の魔物に相棒(ぶき)を振り下ろす。

魔物は倒れ、開くは次の浪漫への道か危険な死闘を乗り越えた者への褒美か。


時には互いに酒を飲み交わして親睦を深めたり。

時には意見の違い等で対立して仲直りしたり。

時には自身の成し得た偉業を自慢し合ったり。


人々はそう言った事に夢を抱き、またその夢を追い掛ける。


誰しもがこの迷宮に夢を求める。そしてそれがこの世界がこの世界である由縁。


しかし、そこにあるのは夢だけでは無い。そこは人々を喰らう恐ろしい魔物の住処。常識では測れない事が平然とまかり通る。


「うそ……でしょ?」


そして今、目の前では目を見開くようなあり得ない光景が広がっていた。


***


その時私達は本日の探索を終え帰還している最中だった。


『ギャギャギャギャッ!!』


迷宮47層での狩りを終え、本日の成果に気持ちを昂らせながら30層……20層……10層と階段を登っていたその時、不意に大量のモンスターの咆哮が現在いた第1階層に響き渡った。

出口まであと一つ階段を上るだけと言う時に響き渡ったモンスター達の咆哮に、探索者としての本能はしっかりと反応した。それは私の仲間も同様であり、お互い無言でこくりと頷き合い、咆哮が聞こえた方角に足を進めた。幸いな事なのかどうかは不明だがその咆哮が聞こえたのはそんな遠くでは無く、探索者ランクCの私達からすれば全力で急げば数分と必要とせずに着ける距離だった。

見ると何十匹ものモンスターが一人の少年を囲んでいた。

ここ1階層はゴブリンやコボルトと言った小柄な人型モンスターが根城としており、探索者に成り立ての新米達を出迎える。

通常ゴブリンやコボルトは2〜3匹で連携を取りながら襲い掛かって来るが、この1階層では基本的にそのような状況になる事は無い。謂わば1階層は新人探索者達の手慣らしと言った場所であり、モンスター達は殆どの場合1匹で出現する。偶に2匹でいることもあるが、この1階層ではそれすら稀である。

だからこそ目の前で起こっている光景が信じられ無かった。


「この階層でこんな数のモンスター達が一斉に集まるなんて!?」


その光景に仲間の一人が驚きの声を上げる。それを合図にモンスター達は一斉に中心にいる少年に襲い掛かった。少年を囲むモンスターの中には何故かここより下の階層で現れるモンスターも多数混じっている。このままでは新人の探索者はまず間違い無く死ぬ。


「いけない、助けなきゃ!」


私は咄嗟に武器を引き抜き、少年を助けるために動こうき出した。それに吊られるようにして仲間も各々の武器を手に取り臨戦態勢を取る。幾ら数がいてもランクCの私達ならこの上層と呼ばれる階層のモンスター程度なら十分な余裕を持って相手出来る。

そう判断し、一気にモンスター達に駆け寄った。その瞬間、少年は口の端を僅かに吊り上げ、怪しく笑った。その直後……迷宮に静寂が訪れた。少年に襲い掛かっていたモンスター達は全滅したのである。いや、ここだけじゃない。この1階層全体(・・・・・)からモンスターの気配が消えた。恐らくこの階層のモンスターは全て全滅したのだろう。少年を囲んでいたモンスター達はその姿を炭へと変え、その場に残るのは小指サイズの小さな魔石のみ。

私達は駆け寄るような間抜けな姿勢のまま固まっていた。


「ククッ、やっぱり下界は素晴らしい」


少年は何事も無かったように指をパチンと鳴らした。すると中々の広さを持つ1階層のあちこちから少年目掛けて魔石が飛んで来る。恐らくこの階層に存在していたモンスター達の成れの果てだろう。

その様子はとても神々しく、飛んで来た魔石の中心にいる少年に思わず跪きたくなる光景であった。


「む?誰だ貴様等?」


こちらの気配に気付いた少年は漸く顔をこちらに向け、疑問の声を上げる。

漆黒のような黒い髪。それにより強調される怪しく輝く黄金の瞳。

見た目は17〜18歳とあどけなさが僅かに残る少年。しかしその容姿は恐ろしく整ってあり、街を歩いていると老若男女問わず誰もが思わず振り返るだろう。断言出来る。

これが私達、エルフ族だけで構成された探索者パーティ「森人の魂(エルフソウル)」と世界の調停を担うこの世界の神々の中の神、龍王「ドラグス・ヴァースキル(V)・マグナート」との出会いであった。

探索者パーティ「森人の魂」のメンバー状況はまだ伏せさせていただきます。後のお話をお楽しみに!

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