ブルーフェニックス戦
遅くなりました
来週または今週に次の更新予定です。
私は今日、ドーンという大きな音と地面の揺れによって目を覚ました。
見渡すと、壁に穴があきバルゴが倒れていた。
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数時間前
蒼い鎧に身を染めた大群がグランパレス城を包囲、もちろんファルバとバルゴが作ったボロ家も攻撃対象として。
この軍はギルド、ブルーフェニックスのものだとすぐにわかり、迎撃の用意をする。
問題は相手が陸兵であるということ。
歩兵、騎馬兵には主に魔法が効かない物質を使ったり、魔法が付与された強化防具が多いのである。
つまり、最大の利点が生かせない。
接近戦はできないこともないが、大群を相手にしては無理がある。
そこで、召喚獣を使うことに決めたのだが、大きな物を出すと、裏に居るファルバとバルゴが危険に……
そういう点を踏まえて召喚出来るのは魔犬ヘルハウンド辺りが妥協点。
そうしているうちに、開戦の宣戦布告が行われた。
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そして今に至る。
ボロ家から出ると未だに慣れないきつい異臭。
後ろからバルゴが歩いてきて、状況報告をしてくれた。
「現在ブルーフェニックスの陸兵が城を包囲、私達も攻撃対象になっています。正面はグラダースが側面はグラダースによる召喚獣ヘルハウンド二体ずつ。裏は私達の担当です」
防衛戦のため行動範囲が狭く不利な状態。
敵の総戦力約50万人。
現在敵の残り兵数約47万。
「さっきグラダースからの伝言がありました、潜れって……」
何という大雑把な指示なのか。
本人もそう思って聞き返したと判断し聞き返す。
「どういう意味だ?」
バルゴは首をかしげて戦線に復帰していく。
敵は勇者級という肩書きゆえ警戒しているのか、近付いてこない。
そのうちに武器と鎧を装備しバルゴとともに戦線に参加する。
しかし、バルゴの所に向かう途中、地面が紫に光りだした。
光は弱かったけれど、急に光ったことで、所々で転倒が起きている。
鎧を着た戦士にとって転倒は死と一緒。
転倒しなかった戦士でも足元を見てしまったらその隙を突かれ数人死亡。
そして光の強さが増し視界が奪われる。
危険を察知した戦士は退却を開始したが、至る所で再び転倒が起きた。
そんな中バルゴとファルバは鎧を脱ぎ捨て軽装になってから城側に退いた。
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城前では、赤く染まった大剣を二本手に取り戦うグラダース。
大剣の全長は150センチ赤色は血の色。
やっと敵の数が減ってきたと感じる。
ただ単に警戒して近づいてくる敵が減っただけで、撃破した敵は八万くらい。
減らない敵にイライラしていたとき思いついたのが閃光。
上手くいけば失明し、戦闘不能になる。
そうするために、闇魔法特有の念話を使って、潜れと指示を出した。
しかし、こう指示を出した事を後悔した。
理由などをいい忘れたからである。
時間が無かった、と言うより迫り来る兵が多く、魔法を発動させる直前で維持するのはきつかった。
ギリギリまで敵兵を引き寄せ、魔法を発動させる。
“紫光閃”
視力を失った敵は何もしないでも自滅する。
残った残党を始末しようとしたとき。
両側面から、正面の方向に電撃が走る。
視力を失ったヘルハウンドが暴走している?
魔獣は暴走すると手を付けられない。
魔界に戻せば状態異常や損傷など全て回復するのが魔獣。
残党刈りも残ってるしある程度減ったら帰そう。
「爆ぜろ」
“地爆”
この術は地中の魔力を凝縮したあと、開放するだけ。
初歩的な術である。
けれど、威力は高い、魔法攻撃ではない事も理由の一つ。
さらに、爆発で空いた穴に後続が落ちることで戦争では重宝される。
地爆は自分の魔力を混ぜ込むことで爆発後に追加で魔法ダメージも与えることが可能。
今回は、耐魔法製の防具一色だからただ、地爆を繰り返すだけでいい。
あとあと穴を埋めるのが面倒だけど、早く終わらせることを優先した。
繰り返すこと2時間、城正面にはグラダース以外動ける人はいなかった。
側面は既に終わっていたらしく、ヘルハウンドが転がって寝ていた。
問題は裏。
あの二人は生きているだろうか。
「おーい、生きてるか〜?」
裏に移動して少数の残党を撃破してそう叫んでみた。
すると、二本の腕が空に向かって上げられた。
死体の振りでもしてたのか。
生きてるなら問題ないからいいか。
そう思いボロ家に運ぶ。
ついでに周囲にあった死体を片付け、見張りにスケルトンを数体用意した。
ヘルハウンドは二人をボロ家に入れてから魔界に帰した。