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四角い恋  作者: みなも
第二章 私たちの関係
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第六話 二人で星空観測

 部屋の窓辺に座って、 夜の星を眺める。

 この時間が一番落ち着く。

 白く光る数多の星たち。 私を癒してくれるようで。

 ……最近は結構いろいろなことがあって疲れた。

 初めて会う人もいたし、 怜と久しぶりに真っ赤になりながら話したし……。

 少し疲れた。

 それでも、 私は笑っていないといけない。

 私が笑わないと、 みんなが悲しそうな顔をする。 「大丈夫?」って心配される。

 顔色なんてちっとも悪くないのに。 熱だって全然無いのに。

 だから私はいつも作り笑いをする。

 みんな私が笑うと、 喜んでくれるから。

 と、 突然ノックの音が聞こえた。

 「入っていいよ~」

 そう言うと、 ゆっくり扉が開く。

 怜だ。 私は少し驚いてしまった。

 「れ、 怜?」

 「あ……驚かしちゃったかな。 ごめんね」

 苦笑混じりに返す怜。

 ……それにしても、 こんな夜に同い年の女の子の部屋に入っても平気な怜は、 デリカシーがないと思う。 私はそう言ってしまいそうになるのを抑えて、 笑顔で怜に話しかけた。

 「どうしたの?」

 怜は私の隣に座ってこう返してきた。

 「僕の気分だよ」

 不覚にもときめいてしまう。 ……きっと、 私のこんな気持ちすら、 怜は分からないんだろうな。

 そんな気持ちを振り切るように、 私は大げさに手を振ってこう言った。

 「ちょ、 近い近い!」

 肩がくっつくほど近くにいる怜。 鼓動の音は聞こえているのだろうか。

 どうせ、 どうせ聞こえてたって心臓病だとか言って騒ぐんだろうけど!

 「……星、 綺麗だね」

 私が言うと、 怜はにっこり笑ってうなずいた。

 私と怜が初めて会ったのは、 お互いが三歳のころ。 私のママと怜のパパが結婚して、 私たちは双子になったのだ。

 「最近は体調悪くない?」

 怜がそう聞いてきたので、 私は元気よく大丈夫だと伝えた。

 初対面のとき、 私は本当に怜のことを怖がっていたらしい。 それでも怜はかまわず私に笑いかけてくれたみたいだが。

 「明日も私と一緒にいてね?」

 「……いつもそうじゃん」

 「あはは……そうだね」

 できれば一生一緒にいて欲しい。 心の内側に、 そんな気持ちがぴったり張り付く。

 怜は私のことをどう考えているのだろう。

 ただの双子? 妹?

 もし同級生の一人の女の子として見てくれているのなら……。

 私はそれだけで十分嬉しいかもしれない。

 「そろそろ行くね」

 「あ、 うん。 私も寝ようかな」

 「じゃ、 おやすみ」

 「おやすみなさーい!」

 二人で何か話すわけでも無く、 窓辺にたたずむ時間。

 最近はしばらくゆっくり二人で過ごせることが無かったから、 これだけで私の心は満たされた。

 明日からも頑張っていけそうな気がする。


定期的に更新した方がいいのかな…

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