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四角い恋  作者: みなも
第一章 屋上で
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第二話 私のお義兄ちゃん

「あれ? 誰もいなかったね」

 私は笑顔で怜に言う。

 青くて綺麗な空だ。 今日はとっても気分が良い。

「混んでなくてよかったよ」

 怜は私にそう返すと、 持ってきていたお弁当を屋上の床に広げた。


「はい、めしあがれ!」


 にっこりと笑顔で言う怜。 こっちも自然と顔がほころんでしまう。

「ありがとう! いただきまーす!」

 元気よく手を合わせて声をあげる私。

 怜と一緒にいると、 どんなときも幸せに思えてしまうんだ。

「今日もおいしそうだね~」

 私はお弁当を見て言った。

 色とりどりにバランスよく並んだおかずたち。

 タコのかたちのウィンナー、 焦げ目なんて一つもない玉子焼き、 緑や赤…… 沢山の色が入っているサラダ……その他にも色んなおかずが並んでいる。

「沙苗のためだもん。いつも腕を(ふる)って作ってるよ!」

 怜はそう言ってお弁当を食べ始めた。


「アハハ、怜は素敵なお婿さんになれそうだね」


 私が笑ってそう言うと、 怜は首を振ってにこりと笑い返してくれる。

 怜はとても頼りになる、 私のお義兄ちゃん。

 血の繋がらない、 ウソのお兄ちゃん。

 今でこそそんな噂は少なくなったけれど、 小さいころは沢山からかわれたっけ。

 同級生にも私は怖がっちゃって、 いっぱい守ってもらった。


 だからなのかな? いつしか私は、 怜のことを好きになっていた。


「……アハハッ」

「どうしたの? 沙苗」

 それは、 家族の好きじゃない、 恋愛の好き。

「あ、 ううん、 なんでもないよ」

 怜のことが、 心から好き。

 一緒に入れるだけで、 それだけで、 幸せなんだよね。

「思い出し笑い……しただけだよ」

 私はそう言うと、 怜の作ってくれたお弁当を一口食べる。


 包み込まれるような至福……。

 それは、 怜が好きだからなのか、 本当に美味しいからなのか。

「美味しいかな?」

「もちろんだよ! 変わらぬ美味しさ! すごいね!」

 私が勢いよく絶賛すると、 怜は照れたように笑ってくれた。

「ありがと、沙苗」

 そんな一言だけでも、 私は今日を終えたくなってしまう。


「こちらこそ、美味しいものをありがと! 怜」


 嬉しいことを探すために一日を生きる。

 怜といると、 一分一秒失ってしまうのが惜しいほど嬉しいんだ。


『大好き、怜』


 私は心の中でつぶやいた。

プロットを作成して執筆しています。

やっぱりレールに沿って書くのはやりやすいですね。

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