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いつもの駅。いつもの電車。前だったらここから学校に向かうのだが、今は通学とは反対方向だ。達志は言う。
「そろそろ別の地点に通過するところだ。今は外は真っ暗なはずだ。もちろんこの景色はイミテーションだよ。」
達志が指差した先の窓はただの青空と田園だ。
「この偏光サングラスをかけてごらん」
と達志はサングラスを渡した。真美子はサングラスを掛けた。
「あっ」
窓は真っ暗であった・・・
そして駅につく。
「ここは・・・」
「B3区。不思議だな・・・僕の住んでる町だ・・・。」
達志はそういいながらまた砂を撒いていた。気になったがとりあえずほっといた。
真美子はあの偏光サングラスを掛けながら町を歩き回った。明るい晴れた日のはずなのに、実はあたりが真っ暗であることを彼女は知る。
「わかったぞ・・・・真美ちゃん、君が前に出会った“僕”は、なぜかここがハリボテ町である事を知っていたよね!?」
「そうだけど・・・」
「知っていながら生き長らえた・・・ということは、町の囲いの外に出たわけでもない・・・・コンピュータの存在を考えても、この町の中で何かを見た可能性がある・・・」
達志は携帯電話を取り出し、組織員に電話した。
「あ、もしもし?この前真美子と一緒に電車に乗って、警察に連行された達志がいるじゃん、あれ今どうなったの?」
「彼は・・・・死んだよ」
「え。」
「処分された。」
「処分の際何か言ってなかったか?」
「あ、ちょっとまって・・・映像入手!」
映像から達志の悲鳴が流れてきた。
『ぐああああ、真美ぃぃぃぃ、僕の家だぁぁあ、僕の家にぃ、がっ・・・・・・・・』
映像を聞いて、達志は組織員に礼を言った。
「・・・・ありがとう。」
「するとあの達っちゃんは、自分の家で何かを見たってこと?」
「でしょう。ということは、あの家のどこかに秘密があるに違いない。」
「これから捜索するのね。」
「そうだ。」
達志の家。
「この中に達っちゃんがいるかもしれない。」
「そうだな。」
「インターホン押してみる?」
「だめだ。防衛システムがあるだろう。インターホンのボタンはX線による指紋認証がある。仮に手袋をしても無駄だ。おそらくインターホンを押した途端、処分逃れの真美子と気づかれて、爆発するだろう。」
「どうすればいいの?」
「強行しかない。」
達志はドアを蹴やぶった。たちまち警報が鳴った。
「急いで、入り口を探せ!」
真美子はリビングを探し回った。あたりは猫とか犬とかが寝ている。鳥もいる。平和そうな光景である。だが、これは演出か。真美子は部屋の中を歩く。部屋は一方はタイル張りでもう一方は木の床だ。部屋の端にパソコンがある。真美子はそれを見た。インターネットが開きっぱなしだ。一番上にはこう書かれていた。
『最近達志が変。そう真美子は感じていた。
真美子と達志は高校の友達で、帰り道の電車がいつも一緒だったので一緒に帰っていた。当初はクラスの皆がカップル成立だの騒いでいたが、やがてからかうのも疲れたのか』
だれかが私たちを監視しているのだわと感じた。そしてそれを何者かに公表しようとしている。
また探す。だが、変な予感がした。そばで猫の眠っているタイル床だ。
これは・・・まさか・・・・真美子はタイル床を掴んだ。動く。なんと持ち上がった。真美子はおどろいた。持ち上げるとそこは穴で、中にはしごがあった。真美子は「達っちゃーん!入り口発見したよ!」と呼んで、中に入っていった。




