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失恋直後にギャルに乗り換える!

作者: 栗野庫舞
掲載日:2026/04/12

ギャル「あーしの好きなパンツー? うーん、どんなのかな~? キミが好きそーなの、帰りに買いに行こっかぁ~!」

 放課後の中庭に、あなたがいる。


 男子高校生のあなたは、ここで告白をする。


 呼び出した相手は、同じクラスの女子だ。黒髪で、真面目な優等生のように見える彼女に、あなたは思い切って好きだと伝えた。


「……ごめんなさい。私、あなたのこと、どうしても好きだって思えないの」


 女子にそう返されて、あなたの恋は終わった。


 彼女が去った後も、あなたはその場でずっと立ち尽くしていた。


 ようやく……現実を、あなたは受け止める。


 受け入れるしかない。


 失恋したあなたは、静かに歩き出す。心の中は、悲しみと後悔でいっぱいだった……。


 そんな時、あなたはギャルの姿を見つけた。


 淡い金髪で軽薄そうなこのギャルも、あなたと同じクラスだった。しかし、あの優等生とは真逆の存在で、容姿も性格も全然違う。


 肌が暗めのギャルは渡り廊下の柱から顔を出し、あなたの告白の様子を(のぞ)き見していたらしい。


「あの子にフラれちゃったんだね~、ヤバぁー」


 軽い口調でギャルが喋る。


「かわいそーだから、あーしが(なぐさ)めのキス、してあげる! んーっ、んーッ!」


 唐突にギャルが不細工なぐらいに唇を伸ばす。かわいく思えないギャルの強引なキスが、あなたの口に襲いかかる。


 しかし、ギリギリであなたは飛び退()いて、気持ち悪い唇の餌食(えじき)にならずに済んだ。


「あーしがキスしてやってんのに、()けんなよー」


「はぁ?」


 あなたには元々、失恋したやり場のない怒りもあった。ギャルの謎言動によって、あなたの怒りは頂点にまで達した。


「――いきなり好きでもない奴のキスなんてこっちは求めてねーんだよ! どうせなら胸でオレを挟むとか、その短いスカートめくってパンツ見せるとかしてオレを(なぐさ)めろよッ!」


 あまりにも乱暴な(ののし)り言葉で、あなたはギャルに怒鳴った。


 一方ギャルは怒ったりせず、にやけ顔を崩さない。


「あはははっ、そーだねっ! でも今の態度、ちょっとヒドいよ? だから、あーしもヒッドいことすんねっ!」

「わっ!」


 ギャルがあなたを突き飛ばし、あなたは倒れ、痛い思いをした。さらに怒りが(つの)ったが、その位置から見上げた際、負の感情が一気に消え去った。


 健康的な太ももが素晴らしく、下着も見えている。


 ショーツは黄色と白のチェック柄で、足ぐりは白いレースになっている。


「はーい、あーしのパンツ、存分に見ていーよ!」


 ギャルは大胆にミニスカートを両手でたくし上げた。たくし上げをしていなくても見えていた太もも上部の下着が、完全に見えた。ギャルのへそまで見えた。存分に見れた。


 あなたが好きでもないギャルのお色気に興奮していると、ギャルはスカートから手を放し、今度はあなたの体に乗っかった。


 彼女がブラウスをはだけさせる。


 見えたブラジャーはショーツと同じ黄色と白で、胸部側に白いフリル、中央部に白いリボンががついている。


 あなたの頭が押さえつけられ、近づいて来た胸に思いっきり挟まれた。


 けっこう大きかった。


 あなたは気持ち良くなった。


 少し()ってあなたが解放されると、ギャルは上から退()いた。あなたも彼女を気にしないように立ち上がる。


「どーお? これで(なぐさ)めになったぁ?」


 ギャルには同意せざるを得なかった。


「……ああ。ありがとう。それと、さっき言ったことはごめん。気が立ってて、つい口に出しちまった」


 あなたは謝罪する。


「いーよ別にぃー。告白失敗した後なら、誰だってきっとそーなるよ~」


「そう言ってもらえると助かる」


「それで提案なんだけど、あの子の代わりにあーしを彼女にしない?」


 軽そうにギャルが提案した。


 それを受けて、あなたは考えた。彼女のやってくれた誘惑を思うと、秒で悪くないという考えにいたった。


「いい提案だ。じゃ、オレの彼女になってくれ」


 気軽にあなたは頼んだ。


「うおぉーっ、彼氏ゲットぉッ! あーしめっちゃ幸せ者じゃん!」


 ギャルは両手こぶしを握って大喜びしている。


「……実はさぁ、あーし、キミのこと、前々からずっと好きだったんだよ~。あの子がキミをもしフラなかったら、ぶん殴って考え直させようって思ってたぐらいに」


 あなたのほうを向いてギャルは笑顔を見せた。


 あなたが思っていた以上に愛が重かったらしい。


   □


 翌日、恋人になったギャルとあなたが教室で仲良く喋っている……と言うよりも、向こうがあなたの席の前で一方的に喋っていると、ある女子があなたのところに来た。


「ちょっと話があるんだけど、いい?」


 昨日あなたを振った女子の友人だった。彼女の横には、その当人もいる。


 昨日とは逆にあなたが呼び出されて、廊下にまで来た。優等生の女子とその友人に、あなたは不穏な視線を向けられてしまう。


「この子にフラれたからって、すぐ別の子に手を出すなんて、サイテーなんでだけど。しかも、あんな全然方向性が違うギャルに。女子なら誰でもいいの?」


 優等生の友人が代弁するかのように言う。


「別にオレがフラれた後だから良くないか?」


 あなたが反論すると、向こうの機嫌が露骨(ろこつ)に悪くなった。


「すぐ乗り換えるのがキモいって言ってんだよ。ねー?」


「……そうだよ。私、あなたのこと、ますます嫌いになっちゃうよ?」


 別にもう、この女子には未練がない。今のあなたにとって、昨日の失恋はどうでも良かった。


 やはり優等生の女子は美人だし、その横の友人も(にら)んでいなければそこそこかわいい。ギャルよりかは容姿は上だろう。


 でも今は、あなたの彼女であるギャルのほうが好きだ。


 そのギャルが、教室の扉のほうから(のぞ)いていることに、二人の女子は気づいていない。


 そんな二人に対し、昨日、ギャルに向けて怒鳴ったことを、あなたは言ってみることにする。


「オレにそんな目を向けてねーでさ、オレを胸で挟め! パンツ見せろ!」

「「は?」」


 あなたが言った直後、優等生とその友人の声が重なり、あなたに最上級の嫌悪を示して来た。ギャルが嫌な顔をせずにやってくれたのとは、対照的だった。


「……今のは、言った通りの意味だと思うなよ? 今の態度を見て、フラれて良かったって思う。むしろ昨日はフッてくれて、ありがとう」


 迷い無き言葉をあなたは放った。


 唖然とする二人を置いて、あなたは教室に戻る。ギャルも慌てた様子であなたの席の前に戻っていた。


「やっぱお前のほうがいいや」


 席に着く前に、あなたは彼女に伝えた。


「ありがとー! キミ、マジで分かってんじゃーん。あーしも大好きだよ~っ!」


 親しげな口調で彼女は喋る。


 このギャルの見た目は、昨日からいくつも変化があった。


 あなたがあの優等生のような子を好きだと思っているようで、少しは真面目っぽい雰囲気を作っている。淡い金髪を左右で三つ編みにし、制服を乱れないように着ていて、化粧っ気もかなり抑えられていた。


 けれど、彼女の本質は変わっていない。


「昨日と雰囲気変えたんだな」


 放課後になって、あなたは彼女の変化に触れた。


「おぉー、ついにそこに気づいてくれたかぁ~。遅かったぞ~」


「悪い」


「いいよー。あーしブスだけど、努力はするんだよー。スカートも長いほうが良かったぁ?」


「スカートはそのままでいい。あと、そんなにブスじゃない」


 あなたが本気で言うと、彼女は(ほが)らかに笑う。


「ありがとー」


 素直に嬉しそうなギャルの顔は、唐突にお色気丸出し表情へと変化する。


「キミ、えろえろでいいね~。あーしの太ももは、キミの視線を独占するためにあるんだよぉ~っ!」


 白い下着がちょっと見えるぐらいにミニスカートを片手でめくってみせた。


 このギャルといると、あなたは楽しいし、興奮もする。


 今になって思うと、昨日の情熱的なキスのしぐさでも、心が(おど)る。彼女と親しくなったことにより、彼女の印象が当初とは真逆になっていた。


 キスを思い出したからには、やるしかないだろう。


 あなたから自然に彼女へとキスをした。


 彼女は拒否しなかった。純情な顔があった。


「……ありがとう」


 今までと違う、とても丁寧な感謝とともに、あなたは素敵なギャルの一面を見た。


                    (終わり)

最後までお読み頂き、ありがとうございます。


本作はギャル作品でした。ギャルっぽい女子『ギャルぽじょ』が登場する、『ギャルもどき』をタイトルに冠した作品が二つあります。気になったら、そちらもお読み下さい。

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