失恋直後にギャルに乗り換える!
ギャル「あーしの好きなパンツー? うーん、どんなのかな~? キミが好きそーなの、帰りに買いに行こっかぁ~!」
放課後の中庭に、あなたがいる。
男子高校生のあなたは、ここで告白をする。
呼び出した相手は、同じクラスの女子だ。黒髪で、真面目な優等生のように見える彼女に、あなたは思い切って好きだと伝えた。
「……ごめんなさい。私、あなたのこと、どうしても好きだって思えないの」
女子にそう返されて、あなたの恋は終わった。
彼女が去った後も、あなたはその場でずっと立ち尽くしていた。
ようやく……現実を、あなたは受け止める。
受け入れるしかない。
失恋したあなたは、静かに歩き出す。心の中は、悲しみと後悔でいっぱいだった……。
そんな時、あなたはギャルの姿を見つけた。
淡い金髪で軽薄そうなこのギャルも、あなたと同じクラスだった。しかし、あの優等生とは真逆の存在で、容姿も性格も全然違う。
肌が暗めのギャルは渡り廊下の柱から顔を出し、あなたの告白の様子を覗き見していたらしい。
「あの子にフラれちゃったんだね~、ヤバぁー」
軽い口調でギャルが喋る。
「かわいそーだから、あーしが慰めのキス、してあげる! んーっ、んーッ!」
唐突にギャルが不細工なぐらいに唇を伸ばす。かわいく思えないギャルの強引なキスが、あなたの口に襲いかかる。
しかし、ギリギリであなたは飛び退いて、気持ち悪い唇の餌食にならずに済んだ。
「あーしがキスしてやってんのに、避けんなよー」
「はぁ?」
あなたには元々、失恋したやり場のない怒りもあった。ギャルの謎言動によって、あなたの怒りは頂点にまで達した。
「――いきなり好きでもない奴のキスなんてこっちは求めてねーんだよ! どうせなら胸でオレを挟むとか、その短いスカートめくってパンツ見せるとかしてオレを慰めろよッ!」
あまりにも乱暴な罵り言葉で、あなたはギャルに怒鳴った。
一方ギャルは怒ったりせず、にやけ顔を崩さない。
「あはははっ、そーだねっ! でも今の態度、ちょっとヒドいよ? だから、あーしもヒッドいことすんねっ!」
「わっ!」
ギャルがあなたを突き飛ばし、あなたは倒れ、痛い思いをした。さらに怒りが募ったが、その位置から見上げた際、負の感情が一気に消え去った。
健康的な太ももが素晴らしく、下着も見えている。
ショーツは黄色と白のチェック柄で、足ぐりは白いレースになっている。
「はーい、あーしのパンツ、存分に見ていーよ!」
ギャルは大胆にミニスカートを両手でたくし上げた。たくし上げをしていなくても見えていた太もも上部の下着が、完全に見えた。ギャルのへそまで見えた。存分に見れた。
あなたが好きでもないギャルのお色気に興奮していると、ギャルはスカートから手を放し、今度はあなたの体に乗っかった。
彼女がブラウスをはだけさせる。
見えたブラジャーはショーツと同じ黄色と白で、胸部側に白いフリル、中央部に白いリボンががついている。
あなたの頭が押さえつけられ、近づいて来た胸に思いっきり挟まれた。
けっこう大きかった。
あなたは気持ち良くなった。
少し経ってあなたが解放されると、ギャルは上から退いた。あなたも彼女を気にしないように立ち上がる。
「どーお? これで慰めになったぁ?」
ギャルには同意せざるを得なかった。
「……ああ。ありがとう。それと、さっき言ったことはごめん。気が立ってて、つい口に出しちまった」
あなたは謝罪する。
「いーよ別にぃー。告白失敗した後なら、誰だってきっとそーなるよ~」
「そう言ってもらえると助かる」
「それで提案なんだけど、あの子の代わりにあーしを彼女にしない?」
軽そうにギャルが提案した。
それを受けて、あなたは考えた。彼女のやってくれた誘惑を思うと、秒で悪くないという考えにいたった。
「いい提案だ。じゃ、オレの彼女になってくれ」
気軽にあなたは頼んだ。
「うおぉーっ、彼氏ゲットぉッ! あーしめっちゃ幸せ者じゃん!」
ギャルは両手こぶしを握って大喜びしている。
「……実はさぁ、あーし、キミのこと、前々からずっと好きだったんだよ~。あの子がキミをもしフラなかったら、ぶん殴って考え直させようって思ってたぐらいに」
あなたのほうを向いてギャルは笑顔を見せた。
あなたが思っていた以上に愛が重かったらしい。
□
翌日、恋人になったギャルとあなたが教室で仲良く喋っている……と言うよりも、向こうがあなたの席の前で一方的に喋っていると、ある女子があなたのところに来た。
「ちょっと話があるんだけど、いい?」
昨日あなたを振った女子の友人だった。彼女の横には、その当人もいる。
昨日とは逆にあなたが呼び出されて、廊下にまで来た。優等生の女子とその友人に、あなたは不穏な視線を向けられてしまう。
「この子にフラれたからって、すぐ別の子に手を出すなんて、サイテーなんでだけど。しかも、あんな全然方向性が違うギャルに。女子なら誰でもいいの?」
優等生の友人が代弁するかのように言う。
「別にオレがフラれた後だから良くないか?」
あなたが反論すると、向こうの機嫌が露骨に悪くなった。
「すぐ乗り換えるのがキモいって言ってんだよ。ねー?」
「……そうだよ。私、あなたのこと、ますます嫌いになっちゃうよ?」
別にもう、この女子には未練がない。今のあなたにとって、昨日の失恋はどうでも良かった。
やはり優等生の女子は美人だし、その横の友人も睨んでいなければそこそこかわいい。ギャルよりかは容姿は上だろう。
でも今は、あなたの彼女であるギャルのほうが好きだ。
そのギャルが、教室の扉のほうから覗いていることに、二人の女子は気づいていない。
そんな二人に対し、昨日、ギャルに向けて怒鳴ったことを、あなたは言ってみることにする。
「オレにそんな目を向けてねーでさ、オレを胸で挟め! パンツ見せろ!」
「「は?」」
あなたが言った直後、優等生とその友人の声が重なり、あなたに最上級の嫌悪を示して来た。ギャルが嫌な顔をせずにやってくれたのとは、対照的だった。
「……今のは、言った通りの意味だと思うなよ? 今の態度を見て、フラれて良かったって思う。むしろ昨日はフッてくれて、ありがとう」
迷い無き言葉をあなたは放った。
唖然とする二人を置いて、あなたは教室に戻る。ギャルも慌てた様子であなたの席の前に戻っていた。
「やっぱお前のほうがいいや」
席に着く前に、あなたは彼女に伝えた。
「ありがとー! キミ、マジで分かってんじゃーん。あーしも大好きだよ~っ!」
親しげな口調で彼女は喋る。
このギャルの見た目は、昨日からいくつも変化があった。
あなたがあの優等生のような子を好きだと思っているようで、少しは真面目っぽい雰囲気を作っている。淡い金髪を左右で三つ編みにし、制服を乱れないように着ていて、化粧っ気もかなり抑えられていた。
けれど、彼女の本質は変わっていない。
「昨日と雰囲気変えたんだな」
放課後になって、あなたは彼女の変化に触れた。
「おぉー、ついにそこに気づいてくれたかぁ~。遅かったぞ~」
「悪い」
「いいよー。あーしブスだけど、努力はするんだよー。スカートも長いほうが良かったぁ?」
「スカートはそのままでいい。あと、そんなにブスじゃない」
あなたが本気で言うと、彼女は朗らかに笑う。
「ありがとー」
素直に嬉しそうなギャルの顔は、唐突にお色気丸出し表情へと変化する。
「キミ、えろえろでいいね~。あーしの太ももは、キミの視線を独占するためにあるんだよぉ~っ!」
白い下着がちょっと見えるぐらいにミニスカートを片手でめくってみせた。
このギャルといると、あなたは楽しいし、興奮もする。
今になって思うと、昨日の情熱的なキスのしぐさでも、心が躍る。彼女と親しくなったことにより、彼女の印象が当初とは真逆になっていた。
キスを思い出したからには、やるしかないだろう。
あなたから自然に彼女へとキスをした。
彼女は拒否しなかった。純情な顔があった。
「……ありがとう」
今までと違う、とても丁寧な感謝とともに、あなたは素敵なギャルの一面を見た。
(終わり)
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
本作はギャル作品でした。ギャルっぽい女子『ギャルぽじょ』が登場する、『ギャルもどき』をタイトルに冠した作品が二つあります。気になったら、そちらもお読み下さい。




