親友と
この話はフィクションであり現実での暴走行為を助長するものではありません。
ゴロゴロゴォッゴォーン…
某県某都市の週末の深夜。街は族の光の群れで溢れていた。
そんな街を見渡せる山道に二人の少年が居た。
「スゲェなぁ、一体何台いんだろ?俺も早く単車に乗りてぇなぁ。そーいや達也、どこの族入んだ?」
『…俺は入らねぇ。』
「ん?入らねぇって?だけど、族やりたいって言ってなかったか?」
『誰も族をやらねーとは言ってねーだろ。今ある他の族には入らねーって言ってんの。』
「どーゆー事よ?俺頭わりぃから言ってん事わかんねーぞ?」
『だーかーらー、族に入るんじゃなくて、族を作っちまうんだよ!』
「はぁ?お前マジで言ってんのかよ?この街の族の勢力知ってて言ってんのか!?」
『知ってんよ?この街最大の白蛇が敵対視した族はみーんな潰されちまうんだろ?』
「わかってて言ってんのかよ!やべぇって、走れなくなるぞ?」
『だけどよー、あんだけメンバーがいる族に入ったってパシリみたいな扱いだぜ?自由に走ることだって許されねー。そんなの楽しくねーだろ?だからこそ自分達の族なんだよ!俺と晋也ならそこらの族くらいなら負けねーだろうしな!』
「確かにそうだけどよぉ…。…まぁ一度言いだしたら聞かねーの知ってんだけどよ?」
『さっすが俺の相方!わかってんじゃん!』
「ったりめぇだ!何年ツレやってると思ってんだよ?」
「だけどさすがに二人じゃ白蛇は勿論、傘下の族にだってかなわねーぞ?」
『わかってるよ。だけど俺等の代の奴らは強いヤツが多いだろ?そいつらと勝負してメンバー増やそうぜ!』
「そんなに簡単にいくもんかねぇ…。」
晋也の心配を余所に達也はこれからの自分達を想像してワクワクしていた。
『「それじゃ一発ドカンと打ち上げますか!!」』
こうして族が群雄割拠しているこの街にまた新たな族の蕾が芽生えたのだった。