魔王城、大混乱!?武器庫が暴走してます!!
「はあっ、はあっ……」
リリスを振り、セレナを貫き、ノワールで斬り払い、アイリスを引き絞り──
俺は「魔力の手」を駆使して、武器美女たちをフル活用し、目の前の敵を撃退した。
「よっしゃああああ! やった、勝った!!」
「ふふ……マスターの腕、なかなか悪くないじゃない」
「もっと触ってほしいな……♡」
「私もぉ……♡」
武器美女たちが恍惚とした表情で甘い声を漏らす中──
「お、おい!?ちょっと、何してんだああああ!?!?」
──突然、扉の外から怒鳴り声が響いた。
「えっ?」
俺たちが振り返ると、そこには――
武装した人型の魔族たちが、次々と武器庫に駆け込んでくる光景が広がっていた。
屈強な魔族たちは呆然と立ち尽くし、目の前の状況を理解できない様子だった。
「お、おい……おいおい……」
「なんだこれ……武器が、勝手に浮いて動いてるぞ!?!?」
「しかもなんか……武器庫からあの女の声が……ああああっ、やめろぉぉぉぉ!!!」
ギュイイイイン!!!
魔力の手を使って、リリスを再び振り回した瞬間、
部下たちがバッタバッタと吹き飛ばされていく。
「いっけなーい♡ 私、つい興奮しちゃった♡」
「ふふ、もっと暴れちゃおっか?」
「私も私もーっ!」
「ねえマスター、次は私を引いてくれるよね?」
「おいおいおい!?これ、どうなってんだ!?!?」
そして、武器庫の扉の外から、今度は別の怒鳴り声が響いた。
「な、なんだこの騒ぎはぁあああ!?!」
「武器庫が、暴走してるだとぉ!?」
「おい、魔王様に報告だ!武器庫が勝手に暴れて、武器たちが意思を持って動いてる!!!」
「おい、落ち着け!ただの点検だったのに、なんでこんなことに……!?」
「知らねぇよ!あの黒い魔剣、勝手に光り始めたと思ったら、鎌やら槍やらが踊り出したんだぞ!!!」
魔王城の部下たちはパニック状態で、あちこちを走り回っていた。
俺はというと、魔力の手を動かしながら美女たちに囲まれ、息を切らしていた。
「な、なんなんだよこれ……!」
「ふふっ、これからは私たち、ずーっと一緒よ? マスター……♡」
「ねえ、次は私を……♡」
「私も……♡」
武器庫(俺)で大騒ぎを起こしたせいで、魔王城は大混乱。
「転生したら魔王の武器庫」は、いきなり“厄介な武器庫”として危険視されることとなった。
──そしてその混乱の中、俺は知らない。
この武器美女たちは、ただの武器じゃない。魔王の封印兵器であり、世界を滅ぼしかねない存在だったことを。