転生とユニークスキル
「いいよいいよ頭を上げて助けられたのは僕も一緒だし」
そうあのままこの世界に放り出されていれば多分僕は詰んでいたし。多分これがwin-winの関係ってやつだろう。
「む?そう言ってくれるのは助かる」
「アビちゃんはこれからどうするの?」
アビちゃんは少し悩む素振りを見せて
「もし迷惑じゃなかったらお主について行ってもよいかの?」
とモジモジしながら言った。え?なんかめっちゃ可愛いんだけど?不覚にもドキリとしてしまった。
「う、うんもちろんアビちゃんが居れば心強いよ」
「なら、よろしく頼むのじゃ」
なんだ?この気まずい雰囲気は何か話した方がいいよね?そういえばアメスさんがよろしく伝えて欲しいって言ってたな。あの人の正体も知らないしアビちゃんに聞いてみるか。
「アビちゃん、アメスさんって知ってる?」
そう聞いたらアビちゃんは驚きの表情をして
「お主何処でその名前を??」
正直ここまで取り乱したアビちゃんを見たのは初めてだ。いつも冷静でたまに照れたりもするけどあまり取り乱すことはしない。そんなアビちゃんを呆気に取られて眺めていると
「すまん、少し興奮してしまった。
アメスは我の妹じゃ良ければ何処でその名前を聞いたか教えてくれないか?」
アビちゃんの妹?まあそう言われれば似ていたかも?
「分かった」
それから僕は神殿に着いた時の話をした。シスター服を着ていて何故か僕がアビちゃんを助けに来たのを知っていてアビちゃんの石像の前に案内してくれたこと、その後に光に包まれて消えてしまったこと。僕がその出来事を語っていた時とても真剣な表情をしていた。話が終わったとき何かを決心したように頷いた。
「ユウ」
アビちゃんが初めて僕の名前を呼んだ。どうしたのだろうか?
「どうしたの?」
そう聞くと急に頭を深く下げた
「ユウ頼むお主だけが頼りじゃ
我の妹も封印から解き放ってくれないか?」
「え?でもさっき」
さっきアメスさんいたよね?封印されてるようには見えなかったし。
「あやつは幻影術を得意としてなその幻影は幻影なのに実現できる。多分封印されている中でも自分の幻影を出していたのじゃろう
封印は我々神では壊せないように作られている。だからお主に妹の封印も解いて貰いたいのじゃ。ダメか?」
そんなもの僕の中では答えは決まっている。
「もちろんだよアビちゃんには色々お世話になったし困ったときはお互い様でしょ?
それが友達って言う奴じゃないの?」
「我ら友達なのか?」
え?違うの?これ友達だと思っていたの僕だけ?え?結構悲しいよ?うそー
いやいや多分これは確認の意味を含んでいるはず流石に僕だけがそう思っているなんてないよね?
「ち、ちがうの?」
少し涙ぐんでそう聞いてしまった
「お主がどうしてもと言うならなってやらんことも無いぞ?」
そうアビちゃんは少し照れながら言った。
「じゃ、僕達はこれからは友達ね!!」
そう言ってアビちゃんと握手をした瞬間だった。
『称号『アビザードの友』を獲得しました』
《この世界で初めて称号を獲得した人が現れました。これから称号を解放します。称号とは偉業を成し遂げたり神に認められたりして付けられます。効果の無いものや効果があるものもあります。なお称号はステータス画面から確認できるようになりました。これからもFWOの世界をお楽しみ下さい。》
『称号『称号の先達者』を獲得しました』
え?これ多分僕だよね?やったね一番乗りじゃん。なんか優越感を感じちゃう。まあ、そんなことよりもアメスさんが封印されてる所を聞かなきゃ。
「アビちゃん、アメスさんって何処に封印されてるの?」
アビちゃんは少し気まずそうにしながら
「分からないのじゃ
我てっきりアメスは殺されたのかと多分アメスは我の後に封印をされたのじゃ」
え?アビちゃんでも分からないの?じゃあお手上げじゃん
「だからこれからは神殿ごと破壊して言って欲しい」
え?何この子、何気にヤバいこと言ってない?神殿の破壊?楽しそうだけどね?僕にそんな力ないよ?
「アビちゃんも知ってるだろうけど僕にそんな力ないよ?」
「うむ、だから力を授けてやろう
お主はどういう風に強くなりたいのじゃ?」
「とりあえず魔法かな?」
まあ、僕魔法使いだからね?使ったことないけど。
「分かった
お主の中に我の力を流し込む、それに適応してくれ」
「分かった」
アビちゃんの手が僕の頭に触れた瞬間体が熱くなり猛烈な痛みが襲ってきた。
『転生が開始します』
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
「あ、びちゃん助けて」
そんな苦しむ僕を見てアビちゃんはたった一言
「すまん耐えるのじゃ」
と申し訳なさそうに言った。
それから何分、何時間たっただろうか体の熱さや痛みに慣れて来た。痛みが収まった時
ドクンと心臓が跳ねた。それから今までとは
比にならない痛みが僕を襲った。それて僕は意識を手放した‥‥‥‥‥‥
『転生が完了しました
ヒューマンから強欲の悪魔に転生しました』
『ユニークスキル『強欲』を獲得しました』
《この世界で初めて転生が行われました
転生とは今とは違う種族になることです。
中にはユニーク種族などたった一つの種族がいます。転生は神によって行われるかある特定の条件で行われるかで出来ます。これからもFWOの世界をお楽しみ下さい。》
『称号『転生の先達者』を獲得しました』
《この世界で初めてユニークスキルを獲得した人が現れました。ユニークスキルとはこの世界でたった一つのスキルです。獲得方法は特殊なクエストをクリアしたり、特定の条件を満たしたりすることです。なお、ユニークスキルは通常スキルよりも強力です。これからもFWOの世界をお楽しみ下さい。》
『称号『ユニークスキル獲得の先達者を獲得しました』』
あれから何分たったかは分からないが目が覚めたら頭に柔らかい感触と体の違和感があった。うーんあたからどうなったんだっけ?
あーそういえば気絶したのか。どうなったんだろ。目を開けるとそこにはアビちゃんの顔がうつだされていた。
「へ?」
「む?起きたか」
え?何がどうなってるの?これ膝枕だよね?
まあ、それ置いておこう。僕の視界に入ったのは黒かった僕の髪が白くなっている事だ。
多分これで転生は成功したのだと思う。
「転生は成功したの?」
「うむ、多分成功したようじゃ」
え?多分ってなに?なんか不安なんだけど。
「なんでそんなに曖昧なのさ」
「転生をさせるなど初めてたからな」
成功したならいっか。てかどんな種族になったんだろ、やっぱりエルフかなー魔法と言えばエルフだし。
「とりあえずステータスを確認してみろ」
―――ステータス―――――――――――――
名前:ユウ LV1 SP1570
種族:強欲の悪魔LV1 職業:魔法使いLV1
HP:1000 MP:15000 (転職可能)
筋力:20 耐久:40
敏捷:50 器用:180
魔力:140 精神力:55
『スキル』
氷雪魔法LV1 飛翔 魔力操作LV1
魔力強化LV1 威圧LV1
『ユニークスキル』
強欲LV1
『称号』
アビザードの友
称号の先達者
転生の先達者
ユニークスキル獲得の先達者
――――――――――――――――――――――――
なんかい色々変わってる。え?何このステータスぶっ壊れじゃね?SPもめっちゃ増えてるし。ユニークスキルってなに?知らないスキル沢山あるし。なに?氷雪魔法って最初に出てきたらダメでしょ。称号も色々あるし。
「なに、これ」
「ふふん、すごいじゃろ我の力の0.1%をお主の体に流し込んだのじゃ。これ以上は体が壊れて自我をたもてん。」
え?サラッとえぐいこと言ってない?
自我が保てない?あ〜これアビちゃん封印したの多分運営とかだろ、もうアビちゃんを制御出来ない運営がこの世界の神使って封印したとか?有り得るな。まあ、とりあえず称号とか確認してみるか。
『アビザードの友』
アビザードが友と認めた証。
アビザードからの好感度が上昇極
一部の神を除く神々から恐れられる。
『称号の先達者』
初めて称号を手に入れた物に与えられる称号
SP50+
『転生の先達者』
初めて転生にたどり着いた物に与えられる
SP500+
『ユニークスキル獲得の先達者』
初めてユニークスキルを獲得したものに与えられる。
SP1000+
氷雪魔法LV1
氷雪を扱えるようになる
飛翔
翼で飛べるようになる
魔力操作LV1
魔力を操ることができる
魔力強化LV1
魔法を使った時威力を上げる
威圧LV1
生物に威圧感をあたえる
『強欲LV1』
対象の物を奪う。
確率は器用に関係する。
ふう、頭の整理が追いつかない。とりあえず
「アビちゃん今日は疲れたから泊まる宿を探して休もう」