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夢現医療

作者: Ren

俺は一ヵ月ぶりに外出を決意した。

持病の統合失調感情障害を抱えてからというもの外界との接触がなかったためインターネットへのめり込みあまりにも退廃し刹那的に生きてきた。

だが思った、世界は広いのではないかと。

そう思ったが吉日、まずは行動ではないかと。

行動することにより動機が生まれ動機が生まれることによって継続が可能なのだと学生時代の学習で学んだ。

~~~~~~~

わずか30分で足が限界を迎えた、はっきり言って”入浴して着替える”その動作で既に限界を迎えていたが俺はやるんだと意気込んでいたため行動せざるを得なかった。

更に数十分歩いた時だろう、尿意に襲われた。

近くのコンビニをスマホで検索するも20分はかかる、そこら辺で用を足してもいいが警察に見つかってしまったら罰金だ。

我慢して歩きに歩きようやくたどり着いた。

しかしこれは夢である。

トイレが馬鹿みたいに広い、金持ちが使うタイプのトイレの本体が飾りなんじゃないかと錯覚させるタイプのトイレだ。

なんとかたどり着くも何故かズボンが固定されている。

悲劇齢20代後半にして20代最初の失禁をする。

~~~~~~~

俺は考えた

(尿のアンモニア臭さを周囲にまき散らし自分で尿の温かさから冷たさへと変貌する過程を楽しみたいのか?)と

その上で更に思考した(これは夢なんだから脱いでしまうのも一興ではないか)と

俺はあまりにも論理と倫理の破綻した思考で下半身を露出した赤いシャツの熊のようにしてコンビニを去った。

~~~~~~~

存外下半身露出させるのも気持ちがいいもので解放感に満たされていた。

だがこの格好で帰宅すると流石にせっかくの外出するという勇気を出した結果が悪すぎる。

そうだ、パンツを買えばいいじゃないか

そう思い近くのショッピングモールへと足を運んだ。

あまりにも複雑な作りと下半身露出という状態のせいでどこに何が売っているのかすら把握できず恥を承知の上で店員さんに訊ねてみることにした。

すみません、パンツとパンツを売っているコーナーはどこですか?と

だが繰り返すようだが夢であり登場人物は脳の処理によって生まれる記憶のどこかにいた人である。

小学校から中学校までの同級生だった寺田君がそこにいた。

「お前何やってんの?」真顔で問いただされ、(まずい流石に悪夢か?)と思うが寺田君へ会えたことへの喜びのほうが勝った。

久しぶりじゃないのさ!ここで働いてたんだ!現実では縁を切った癖に普通に出てくるなんてなんて堂々としたやつなんだ!と軽口を叩く。

「何言ってるか訳が分からんけどまぁ男性服ならこちらですね」と案内してくれた。

案内されている最中軽く昔話をした、朝が弱く徹夜で期末テストを受けに行ったことや167㎝の身長から伸びてないことも38㎏しかなく痩せすぎていたのに今では80㎏ある体形のことも。

ひとしきり話終わり買い物を済ませ帰ろうとしていた時だ、エスカレーターから子供が二人、落下した。

~~~~~~~

落下した子供はまるでドールのような見た目をしておりそれでいて生きていることを実感させる流血をしていた。

女児の方は意識障害だろう何も言わずただ踏み場が流れるのに流され詰まり戻され流されていた。

男児の方は意外と重症そうだったが「妹とふざけてたら落ちて、たすけて」とうわごとの様に言っている。

これは飽く迄も夢なので冷静である。

外傷は共に頭部に3か所男児の方は右腕の骨折女児の方は恐らく脳震盪など起こしている。

と非常ボタンを押しながら電話をかけていた。

中々どうしてドールのようなその子は奇麗で怪我の似合わない子たちで胸が痛む。

そういった感想を胸に抱いているとあまりにも変な人がニコニコしながら歩いてくる。

「私に任せてくれ医師免許のあるちゃんとしたお医者さんだ」狐の仮面を被った長身瘦せ型の男がそう言う。

電話したお陰で飛んできてくれた救急隊が名前を知っているほどの有名人だったらしく名医らしい。

だが違和感に気付く。

そこのナースのお姉さんもしかして徳井さんですか?

当時大好きで仕方のなかった女性が美しくなってそこにいた。

「そうですけど、って蓮ちゃん!めっちゃ太ったね!」余計なお世話だ。

変態ドクターが麻酔を大量にぶち込んでる姿を横目に見ながら徳井さんとの会話に花を咲かせる。

ピアスを褒めてくれたことが印象深い

そうしていると「応急処置は簡単に済ませたし病院でも大して治療する必要もないほどには治療した。」

キメ顔で変態ドクターがそう言う

子供たちの母親が床から湧き出てきた、忘れていたがこれは夢である。

「ありがとうございます!一生この恩は忘れません!」

涙を流しながら深々とお辞儀をして感謝している。

親子愛だなぁ、などと感動していると僕は気が付くと鼻うがい式に麻酔を飲まされていた。

あーあ、夢だったなこれ解剖されたりするんだろうか

そう考えていると「一か月はゆっくりと休めるだろうね。」と笑顔の変態ドクターが目に焼き付き意識が飛ぶ。

目が覚めると徳井さんの裸が眼前にあった。

悲鳴を上げることなく「もう起きたの?まだ二日だけど?」と言いドクターへの連絡をする。

「二日で起きるなんてどれだけ薬物耐性があるんだ?面白いし一度治験へ来ないか?」大笑いしながらそう言う

申し訳ないがお前とはもう二度と会いたくないね

と言いながら笑いあい夢は醒めたのだった。

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