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5.長女と幸せと契約後と

楓はゼロツーと契約を結んだ。これにより継続的な指導が行なわれるため、俺が魔法を使える可能性が高くなる。

そして、この契約内容を実行するに当たって、


『腕輪?』


『はい。腕輪型に私が変形いたしますので、それを普段は嵌めて頂ければと思っております。鎧を着た状態のあなたに私が近づくのも色々とマズいでしょう?』


『そ、それは、そうかもしれないけど……』


楓にゼロツーが提案しているのは、ゼロツーが変形した腕輪を普段着用すること。これを嵌めておいてくれれば色々と連絡が楽になる。

楓もそれは理解しているようだが、そこまでゼロツーに心を許して良いのかと迷っていそうだな。


『俺に仲間がいるって分かるのは色々と面倒だしな。他の組織の奴らがお前と手を組みたいとか言ってくるかもしれないし……』


楓としては、ゼロツーに他の組織と手を組んで欲しくないようだ。

理由に関しては定かではないが、ゼロツーを介して自身の情報が漏れることを防ぎたいのかもしれない。もしくは、信用できない組織があるか。


『そこで腕輪型の私です。声が多少漏れて他の方に聞こえることはあるかもしれませんが、その時は鎧につけた機能だと説明すれば良いのではないでしょうか』


『……うぅん。それもそうか。分かった。じゃあ、これからは腕輪として頼む』


『了解しました。迅速な情報提供をお約束します』


提案が受け入れられた。俺の、というより、俺の作ったAIの能力を肥えない限りは補足できるから問題無いと思う。怪物に任せて逃げるようなやつだし、そんなに身体能力は高くないと思うんだよな。流石にカメラに写らないレベルってことは無いと思う。


「ただ、そっちの方のプログラムももうちょっと改善してみても良いか……」


何も対策しなければ、いつか追い抜かれる。

だから、俺は油断せずに上を目指し続けなければいけない。あんな怪物に任せて逃げるチキンに負けて溜まるか!(追跡はAI任せで表に出ない人)


俺がそんな決意をして数日。

俺はプログラムを改善してより効率的に逃げる奴らを追えるようになり。楓の腕にくっ付いたゼロツーに家族の誰も違和感を抱かなくなってきた。

そして、


『楓様。怪物が発生しました』


『了解。すぐに行く』


ゼロツーが楓に情報提供するのも日常化し始めていた。

楓は白銀の鎧を観に迷い、ゼロツーの伝えた地点へと移動する。そして、怪物を生み出している奴らと出会うのだが、


『おっ!?もう見つかってしまったか』


『…………』


『ちっ!来るのが早すぎる。まだ仕込みが終わってないってのに……まあ良い。また次すれば良いんだからな。俺は逃げさせてもらうぜ!』


『…………』


白銀の騎士こと楓が無言で剣を向ける。

こうして鎧を着てるときは楓は無言なんだよな。普段はあれだけ荒っぽい口調のくせに、この姿の時はクール系だと思われている。

……まあ、お陰で身バレのリスクは相当低くなっているから狙い通りと言えばそうなのかもしれない。

ただ、中はクールなイケメンだとか考えている奴らはかわいそうだよな。憧れ的なポジションなのに、中身はアレなんだから。


『……ゼロツー』


『はい。居場所は特定してあります。住所は……』


逃げたときに足止め要員として使われた怪物を倒し、楓はゼロツーにさっきのヤツの居場所を尋ねる。ゼロツーも問題無く補足できており、現在のやつの居場所を伝えることができた。

細かいことを伝え終われば、


『それじゃあ行くぞ『転移』』


一瞬にして、ゼロツーのカメラが映し出す景色が変わる。

鎧を着てから怪物が生み出されてるところまで移動するときもそうなんだが、楓は転移の魔法をよく使う。イメージ的に転移の魔法って言えば難しいまほうっぽいんだが、かなり連発して使ってるんだよな。

最近、楓って向こうの世界でもかなり上位の魔法使いだったんじゃないかって思い始めているところだ。

その真偽はともかくとして、


『んっ?……ぐわああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!????????」


『……弱いな。これで始末完了かよ』


楓は転移の魔法のお陰で無双できていた。

転移してスキルで姿を隠して相手の後ろから、グサッ!といった感じだ。グサッ!としているのは残念ながらその場面をカメラで補足できたわけではなく怪我の状態から観て考えたことなのだが、相手の背後から一瞬で攻撃しているのだからあまり攻撃の種類なんてのは重要じゃないよな。

どんな攻撃方法でも楓なら一撃で仕留められるような気がするし。


『お疲れ様です』


『ああ。情報助かったぜ……じゃあ。また魔法のことを後で教えるな』


『はい。宜しくお願いします』


この仕事が終われば、また楓が魔法について教えてくれる。

いやぁ~。最近やっと魔力っぽいものが操れるようになってきたから、この先が楽しみなんだよな。1つ1つ丁寧に訓練しながら、将来は身を守れる程度の魔法を身につけられるように頑張りたいところだ。

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