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プロローグ1

2章開始です。

ネムの問題も解決し、俺の学校生活は平穏を向かえた。

ここで、1度俺の1日を紹介してみようと思う。起きてから学校に行くまでの家の様子は一旦省くとして、まずは学校に登校してからだな。


「ちっす」


「あぁ。治樹。おっは~」

「治樹じゃん。うぃ~す」


登校後、友人達に挨拶。

先に来ているのは三色とはののんの女子2人。この2人は早い。だから、登校後は3人で話をしていることが多いな。

そして、少し時間が経つと、


「……おはよ」


「うっす。ネム。今日も眠そうだな」


「ん……眠い」


ネムがやってくる。眠そうだが、遅刻はしてこないんだよな。10分くらい余裕を持ってやってくる。

……まあ、勿論登校してきても机に突っ伏して寝るんだがな。まあ、それに関してはネムは夜に配信とかやってるから仕方のないことだろう。夜に配信してその後動画撮って編集するんだ。家で寝る時間はないのだろう。

夜に寝れないから朝に学校で寝るわけだ。人気動画投稿者の悲しいところだな。


そしてその後。


キーンカーカーンカーン


「あっぶねぇ~!ギリギリ間に合ったぜぇ!!」


チャイムの音と同時にアケクニが教室へ入ってくる。

アケクニは、ギリギリのタイミングで毎日登校してくるのだ。……なんかの主人公みたいだよな。


「チャイムなってんぞ。ギリギリじゃないだろ」


「えぇ~。チャイム中ならセーフだろ」


アケクニと軽くそんな会話をして、朝が終わる。担任が教室に入ってきて諸連絡を伝えてきた後、授業が始まった。

授業は真面目に聞くようにしてあり、俺たちのグループも他のクラスメイトも騒ぐことはない。

……まあ、寝ているやつはいるが。


それから休憩と授業を繰り返し、昼休憩に。


「高校に入ってから、授業難しくなりすぎじゃないか?」


アケクニがそんなことを言い出し、


「どうせお前、中学入ったときも似たようなこと言ってただろ」


「え?バレた?」


「当たり前だろ」


そんな風に雑談を行ないつつ昼食を摂る。弁当だったり購買で買ったりはバラバラだが、グループで今日は集まって食べてるぞ。

偶にはののんの横に飛應(ひおう)甲子(きね)が座ったり俺が無理矢理誘って月島(つきしま)(れい)が加わったりもするが、今日は特にそういうのはなくいつメンである。


昼食を取り終わり、軽く外で動いたりしたらまた授業と休憩の繰り返し。午後は午前に比べれば短いため、


「あぁ~。終わったぁ~」


「お疲れ。じゃあ、俺は帰るな」


「おう。俺たちは遊んで帰るから」

「ばいばぁ~い」

「……また明日」


友人達と別れて俺は帰路(仕事への道)につく。

友人達はどこかへ遊びに行くらしいから、なんだか悲しいものがある。


が、


「あっ。こんにちは」


「ああ。今日も仕事は山積みだから頑張ってくれ」


「勿論ですよ」


月島一恵と仕事ができるから構わないだろう。友人と放課後遊びに行くというのもアレだが、年上のお姉さんと遊ぶというのもまた陽キャっぽいことの1つだろう。

……まあ、遊びではなく仕事の関係なんだがな?遊ぶのは週1くらいの頻度で、時間も短い。


「……それでは、私はこれで失礼しますね」


「ああ。お疲れ」


2時間ほど経って、月島一恵は帰っていった。俺もそれを見送った後、そろそろ帰ろうかとPCを閉じる。

部屋の電源を消し、諸々の後片付けを終えてから部屋を出た。鍵を閉めてて、建物の外へと向かう。


「……帰ったらネムの周りの掃除をまたやっとくか」


電車に乗って帰路につきながら、俺は小さく呟いた。すっかり日は暮れていて、電車内はこれから帰宅するのであろう会社員や部活終わりなのであろう学生で多少の混雑をしている。席に座ることもできず、俺は吊革につかまり車窓から暗い中で光る街の光を見ながら駅までたどり着くのを待った。


駅に着けば改札口から出て俺は夜の町を歩く。

やんちゃそうな見た目の若者とすれ違いつつ、俺はぶつからないよう、目を合わせないようにしながら帰宅した。……流石に俺も肉弾戦は得意じゃないからな。自衛用に色々作ってはいるが、俺自身は全く戦えない。おそらく1発でも攻撃を食らえばK.O.だろう。


「ただいま」


俺は住宅街の中でも少しだけ大きい家の扉を開く。

そこには、


「おかえり」

「あっ。兄ちゃんお帰り」


2人の妹が待っていた。

リビングでゲームをしており、小学生の妹に中学生の妹がボッコボコにされていた。


「きぃぃぃぃ!!!!悔しぃぃぃぃ!!!!」


「ふっ。弱いな」


「なんだとおおおおぉぉぉぉ!!!!」


煽られてわめいている。

小学生のくせに落ち着いた妹と、その姉のくせに沸点の低い妹だ。


「……近所迷惑になるから、あまり騒がないように」


「うん」

「はぁ~い」


注意してから自室に戻り、台所へ向かう。基本的に他の料理を作れる面子は帰りが遅いため、俺が料理を作ることになっているんだ。

野菜を刻み肉を焼いて煮物を作って汁物まで作っていると、


「ただいま!」

「ただいまぁ」

「た、だ、い、まあああぁぁぁ!!!!」


帰りの遅い面子も返ってきた。

血の繋がった(?)家族5人、そして、その育ての親(のような人)の合計6人で食卓を囲む。


「「「「いただきます」」」」


和やかな夕食が始まった。全員(俺と小学生の妹は除く)が笑みを浮かべ、楽しそうに夕食をとっている。

……が、それは表面上である。

彼女たちは、夕食が終わりそれぞれ1人にあれば、


「「「「私(俺)(僕)(アタシ)が、幸せになる資格なんてない」」」」


はぁ~。面倒くせぇ姉妹と保護者なことだ。

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