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狼との連戦とレムのアピール

 狼との戦い。

 こちらは賭けとしては俺の圧倒らしい。

 だが、ウロポロスの読み通り、バルバレイとの倍率は互角に近くなってきた。


「狼戦を挟むというだけで、倍率が一気に変動している。だから誰かを挟めと言ったんだ。この大陸のマネージャーはそういう機敏がないな。……バァゼルは色々凄いんだが」


 ウロポロスは疲れた顔をしている。

「ラウルブグは? まだ転戦しているのか?」

「ああ。あっちもなん試合かは真剣勝負を戦っている。まあラウルブグは猛者。心配はしておらん」


 大丈夫か?

 知らぬ大陸で、闘技としては未知の要素もあるだろう。それがわからないラウルブグでもないだろうが。


 まあ人の事はいい。とにかく俺だ。

 訓練された狼との戦い……


『GYAAAAAAAAAUUUUUUUUUUUU!!!!!』

 檻に閉じ込められた狼がいる。

 まあそれはいいんだが


「おい、バァゼル。なんで四匹もいるんだ」

 そう檻は四匹いるのである。


「それはな!!! 入れ替え戦があるからだ!!! 今日も入場券は完売している!!! 今回の掛札はな!!! 四戦の組み合わせでやっているんだ!!! なにしろ単純な狼相手じゃ、お前が圧倒なのは目に見えているからな!!!」


 要するに。


「賭けが成立しないのを見込んで試合を増やしたのか。そういうのは先に言っておけ」


「……それ、儂も聞いてないぞ……」

 ウロポロスも聞いてなかったらしい。

 ウロポロスは他の調整で忙しかったらしく、ずっと誰かと打ち合わせしていたからな。


「まあお前なら大丈夫だ! 頼んだぞ!!!」



 明日がメイン試合なのに、前日に四連戦。

 観客の入れ替えの為の連戦らしいが、確かに観客はかなり溢れている。


『あのデカブツがそうか!!!』

『食い殺してやれ!!!』

 おお、いい感じに観客は盛り上がっているな。

 闘技士は悪役もやる。俺は負け役には葛藤はあるのだが、悪役そのものには葛藤はない。


 俺は片腕を振り上げ

『お前ら!!! 暇人ども!!! よく来たな!!! 俺の強さを直接見にきたか!!! 男は怯え!!! 女は股を開け!!! 俺の強さは本物だ!!!』


 俺がそう言うと、ゆっくりとレムが会場真ん中に入ってくる。


 今回はターミルもファンクライアもいない。


 それに観客達はざわめいている。

『あーーー。どうもーーー。この前コンテストで準優勝したレムといいまーーーす!!! とりあえずご主人様のアピールにきましたーーー!!!!』


【うおおおおおおおおおおおおっっっ!!!】

 観客はしっかり盛り上がる。

 しかし「笑わせるアピール」と言っていたがなにをするつもりなのだろうか。

 今回は突っ込みの笛も無さそうだし。


 知らない大陸。知らない文化。そこで笑わせるというのはかなり難しいと思うんだが。大丈夫なのだろうか?


 そんな心配をしていると


『私達は隣の大陸からきましたー!!! なので皇帝がよく分かりません!!! いえ! ちゃんと言います! 現在進行形で皇帝様のお姉さんがどれだけ偉いのかさっぱり分かりません!!!』


【わぁぁぁああああああああああっっっ!!!!!】

 どよめきと歓声。


 ここまでは普通の感想。とくに笑わせるような会話では……


『ここにいるご主人様もそうです!!! 未だに皇帝のお姉さんは無事です!!! なんでかって? 太ってないからです!!! ご主人様はデブ専だからです!!!!!』


 デブ専ってなんだ。そう突っ込みたくなるが


【うおおおおおおおおおおおおおっっっっ!!!!!】

 なんか凄い観客は盛り上がり笑っているやつもいる。どうもこれが面白いらしい。


『なので!!! 皇帝だかコケコッコーだかのお姉さんか知りませんが!!! ご主人様に抱かれるために太ってもらいます!!! ご主人様は肉がつかないと抱いてくれないのです!!! ブクブク太ってもらいます!!! 私もご主人様から!!! 早く太れ!!! もっと太れとプレッシャーがヤバいのです!!!』


【ギャハハハハハハハハ!!!!!!!】

 なんかみんな笑っているな。

 俺はあんまり笑えんのだが。なにしろレムの言っていることは、俺が普通に言っている事だからな。


『ご主人様のチンコ見て、抱いてくだーーーい♡ って来た女達にもいーーーーーっぱい食事と酒が振る舞われています!!! 太るまでは手を出されませんし、そのまま気が変わっていなくなっても不問です!!! なんかすげーーー金銭感覚だなーーー。と呆れていましたが、よく考えたら太った女以外眼中ないならそらそうするわなーと思った次第です!!!』


 レムのアピールはしっかり受けている。

 まあこれならいいか。と思っていると


『言ってる意味わかりますかーーー??? あなた達を支配している人達や!!! 憧れている人達が!!! 無残に太らされ!!! セッ○スする肉豚にされるんです!!! 愉快ですかー!!! ご主人様はやりますよーーー!!! それを止めたければーー!!!! 狼でも!!! ドラゴンでも連れてきてーーー!!! ご主人様に勝つのでーーーーす!!!!』


 レムが大声を張り上げると


『うおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっっっっっっっっ!!!!!!!!』

 観客席は大騒ぎになった。


 最後は笑わせてはおらず、挑発になっていたが、まあ観客は盛り上がった。それが全てだ。


「バァゼル!!! 檻を開けろ!!! 叩き潰してやる!!!」

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