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恥を雪ぐ

「ごしゅじんさまーーー♡♡♡」

 レムを始めて抱いた後、レムは滅茶苦茶に懐いていた。


「よるなー」

「今日は私達だー」

 ランとフルがメッチャ警戒している。


 寵愛を受けて調子に乗るんじゃないか? と思っているんだろうな。


「ああ。心配するな。俺の好みはこういう身体だ。レム。昨日は気絶したようにやはり体力が足らんな。もっと飯を食え。太れ。そんな体力じゃ俺の性行為に耐えられんのだ」



 料理店を貸し切って食事会。

 そこにはファンクライアとターミルも来ていた。


「……見ているだけでお腹が膨れるわ」

「……レムさん? でしたっけ? なんでそんなに食べれるの?」


 俺の爆食はそんなに驚かないが、レムの爆食にビックリしている二人。


 テーブルを埋め尽くすようなご飯をひたすらモリモリ食べている。


 俺はランとフルとイチャイチャしながらゆっくり食べる。


「昨日は我慢してもらったからな」

 直接服に手を突っ込んで、揉みながら肉を食べる。


「あん♡♡♡ だぁいすきぃぃ♡♡♡」

「生涯お仕えしますぅ♡♡♡」


 お互い肉と酒と果実まみれの口で口づけをして、また肉を食らい、酒を流し込む。


 いやぁ。闘技の後の酒と女は最高だな。


 ファンクライアは当たり前のように混ざろうとせずこちらを見ているだけ。


 俺としても、正直ファンクライアは痩せすぎだ。もっと太ってもらわないと。


「酔いつぶれる前に言っておくがな、俺はランやフルぐらいの体型が大好きだ。レムもそのために太ってもらう。言っておくがな。俺の女になるならば太ってもらう。逆を言えばその体型のままならば敢えて抱くことはない」


「……なるほど。分かりやすいですわ。その時になれば努力しましょう」


「ああ、俺から突然襲いかかるような事はない。ただ、このままならば、特に手出しをする気もない。それだけだ」



 ファンクライアを送らないといけないので、夜も浅いうちに料理店を出た。


 酒は宿屋で飲めばいい。今日はランとフルを抱こう。

 そう思って宿屋につくと


「なんだ? この連中は?」

 人族の女が多いな?

 宿屋の前に行列が出来ている。


 すると宿の人間が出てきて


「デアグレン様!!! こちらの女性の皆様が! デアグレン様とお会いしたいと!!!」



 要はレムのような形。俺のアピールを聞いて、真に受けたわけだ。


「俺は構わんぞ。宿の部屋は空いているか? 全部貸切にする。準備が出来たやつから俺の部屋に来い」



 全部で10人。

 人族の女だけではなく、見慣れない種族の女もいる。


 俺は予定通り酒を飲み、ランとフル相手にいちゃつきながら、来た連中と話をする。


「俺は金がある。女も既にこのようにいる。その上で俺の女になりたいというならば歓迎しよう。だが太ってもらわんと困るな。俺は肉のついた女が好きなんだ。もちろんその分飯は食わせる。宝石なども与える。またこちらから一方的に手を出すこともせん。好きなように過ごして、好きなように暮らせ。帰りたくなったら帰れ。純潔も興味はない。俺は細かい話が嫌いだ。暗い話が嫌いだ。楽しいことだけ考えていろ。それで良ければここにいろ。以上だ」


 俺からの話に皆キョトンとする。


「……え? それって、脱走とか、そういう……」

「そんなものに興味はないな。近くにいなければ呼ぶ機会が少ないから、宝石を贈ったりはできんがそれぐらいだ。先程言ったように好きに過ごせ。ただし楽しく過ごせ。そのための金ならいくらでもやる」


 俺は金貨を無造作に投げ捨てる。


『キャーーーーーー』

 女達の歓声。


「喜べ。喜んで過ごせ。俺が求めるのはそれだけだ」



 女達が10人増えた翌日。

 ウロポロスが帰ってきた。


「なんて事をしているんだ、お前は」

 また疲れたような顔をしているウロポロス。


「心当たりが沢山あって、どのことか分からんな」

「ファンクライア様のことだ! 皇帝の姉だぞ!!! 今帝都は大騒ぎだ!!! ……まあ、おかげでかなり良い条件で試合を取れた。先に伝えた通り大物が相手だ。だが、真剣勝負。大丈夫か?」


 俺は大きく頷き

「無論だ。真剣勝負で構わん」

「負けたら困る。全力でいっていい」

 ウロポロスの言葉に頷く。


「ラウルブクと、ニフェルアリュアは?」

「ああ、ラウルブクは転戦してからこっちにくる。ゼミラがいるからあいつは任せて大丈夫だ。それで先に来た。ニフェルアリュアは……」


「……お久しぶりですね。なんか女が増えてますけど? なにごと?」


 呆れた顔のニフェルアリュア。

 一緒に来たらしい。


 そしてすぐに顔を引き締め

「ファンクライア様はどこ? 本当にここにいるの?」


「……お久しぶりね。ニフェルアリュア」

 ファンクライアはいつからいたのか。階段の上から見下ろすように話をする。


「……本物のファンクライア様ですわ。ファンクライア様、デアグレンを利用して怒りを表明されるのは分かります。ですが、いくらなんでもこれは。この帝国は文化の国。このような低俗な……」


 ニフェルアリュアの困惑したかのような言葉を遮るようにファンクライアは


「なーにが文化だ。男色が文化か」

 絶句するニフェルアリュア。


「お前、わざわざ招かれて最高の踊りを披露している最中に男同士で交尾始めたらどう思う? 踊りをどんな形で見ても自由だと放置するのか? 違う。とりあえずそいつらのケツを蹴ることから始まるだろうが。私が受けた仕打ちはそれに近い。文化だなんだと言っても、報復は原始的にならざるを得ない」


「……ファンクライア様、その例えで怒りは伝わりました。それにしてもです。彼は隣の大陸の闘技士。そんな彼に恥を見せるような真似……」


「今現在、恥をかいているのは帝国そのものだ。それを見られて恥ずかしいなど惚けた話だ。ニフェルアリュア。お前なら気付いているはずだ。この帝国の深刻な病を。見てみぬ振りをするな。私は一人の女としての恥をそそぐのではない。帝国の恥をそそぐのだ」

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