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トーナメント戦と、合間のアピール

 目の前で落ちた男。

 こいつはなんか顔面から地面に落ちてピクピクしている。

 見た感じ受け身も取っていないから相当痛かったと思う。


 だが、一人の男が名乗りをあげた。そうすると他の何人かの男達も


「俺もだ!!!」

「俺も戦うぞ!!!!」


「はい! 先着10名様までです!!!」

 バァゼルの声に頭を抱える。こいつ、素人相手に戦わせるつもりか。


「馬鹿かお前は!!! 武器ありの素人10人相手に囲まれたら、こちらは向こうを殺す気で吹き飛ばさないと勝負にならんぞ!!! 下手すれば死ぬぞ!? 分かっているのか!?」


 闘技による死は実際にある。

 どんなに気を使った技でも打ち所が悪ければ死ぬのだ。


 だがそれはあくまで不幸な事故。

 闘技士というのはあくまでも相手を尊重し、相手の素晴らしさも見せ付けながら、こちらの凄さをアピールするのが仕事なのだ。


 勝敗未定のガチ戦闘をすることはある。だが相手を殺す前提で戦うのは闘技士の本分からは外れる。


 それにバァゼルは少し首を傾げ

「死んでも良い人限定でーーす!!!!」

「ばかかぁぁぁぁぁぁ!!!!」



 結局、観客入れ替えての試合はやらされることになった。


 だが

「大勢の素人相手に戦えるか!?」

 という俺の意見は通った。


 バァゼルが咄嗟に考えたのはトーナメント戦。


 16名が戦いあいその勝者と俺が戦う。

 バァゼルが言うには

「四回勝ち抜いた猛者は素人ではあるまい!」

 という理屈。


 まあ1:1の戦いならば素人相手でも手加減しながら戦える。


 それに観客入れ替えと言っても相当な混乱もある。その間なにもしないのではなく、トーナメント戦をやっているというのは観客的にも良かったらしい。


 区画を区切り少しずつ観客達は立ち上がり、名残惜しそうにそこから出て行く。


 俺はスタジアムの端っこに座らされていたのだが


「ご主人さまー。せっかくなのでただ座っているだけではなく、見せ付けたらどうでしょうかー?」

 レムがニコニコしながら話かけてくる。


「見せ付ける? アピールか? まあそれも確かに良いが」

 確かに座っているだけというのもな。


 レムはニコニコしたまま

「今回皇帝の姉を賭けた戦いじゃないですかー。じゃあご主人さまが勝ったらその姉がどうされるのか? それを見せつけるととても盛り上がると思います!!!」


 おお。


「素晴らしい考えだな。じゃあランとフルを……」公開セックスをする訳にはいかないだろうが、似たようなことをすればいい。


 そう思っているとレムが自分を指差す。

「……お前でか?」

 まだレムを抱いてはいない。

 好みの体型になったので、抱こうかと思ったら激やせしたりしたからなのだが


「そうです! ご主人さまが負けるとは夢にも思っていませんが、今回の景品には私も入っているのです! 下手をすればご主人様となにもしないままになりかねません! というわけで今やりましょう!!!」


 言われているうちに、俺の頭の中でアピール内容がまとまってきた。


「ふむ。ではそうするか」

 ちょうど観客の入れ替えは半分ほど済んだあたり。

 俺は入れ替わった観客達に


「いいか!!! よく見ておけ!!! お前らの皇帝の姉がな!!! 俺の女になればこうなるのだ!!!」

 そう言うなり俺はズボンを脱ぎ捨てる。


 オーガー族は体格がデカいから、相対的に男根もデカい。


『うおおおおおおおおおおおおっっっっっ!!!!!』


 そそり立った俺の男根を見て観客達は大騒ぎをする。


「レム!!! 胸をはだけろ!!! 俺が興奮するような淫乱な踊りをしろ!!! 俺の男根はこんなものではないぞ!!! 特大のデカブツを見せ付けてやる!!!」


「はい!!! ご主人様のために!!! 淫らな踊りをします!!!」


 レムは言われたとおりに服をはだけて、胸を晒したり、腰を誘うように動かしたりする。


 その踊りにも男達は大騒ぎし、トーナメントをやっている男達も思わず手を止めていた。


 別にセックスなどしなくてもいい。

 俺の男根を見せつければ、皇帝の姉はこんな大きなモノで蹂躙されると興奮する。


 またレムが媚びたような踊りをすることで

「皇帝の姉もこのような無様なことをするようになる」

 となる。

 それこそがアピール。


「レム!!! いいぞ!!! だがこんなものではなかろう!!! 踊りだけで俺を絶頂させるぐらいの気持ちで踊れ!!!」


「はーい!!! がんばりまーーーす!!!」

 性とは真逆の元気いっぱいな声で踊るレム。


 実際途中からは淫靡な踊りというよりも、健康体操みたいな感じになっているような気もする。


 まあアピールとしては

『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっっ!!!!!!!』

 この大歓声を聞けば分かる。


 観客達は興奮している。これこそが闘技士の仕事。


「さあ!!! 戦い終わったか!? 勝者は俺と戦い!!! 力ずくで女を奪え!!! 奪えるものならばな!!!!」


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