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レゼンアルドとの戦い(下)

 馬。明らかにこちらを攻撃しようと突撃している。


 正直馬とサシで戦うつもりは全くなく、あまり考えていなかったのだが。


「闘技の場にいて、戦うつもりもないとは言えないだろうからな!」

 突撃してくる馬を寸前のところで避ける。


 しかしどうやって戦うか。

 掴むにしても馬の脚力をもろに受けたら俺でも吹き飛ぶ。


 森で動物と格闘していた俺だからこそ分かる。

 動物は強い。

 生き残る為にその生命全力をかけて戦ってくる。


 俺は突撃してくる馬を見据えながら跳び蹴りしようと構えていると


【ガシッッッ!!!】

「なっっっ!!!」

 足を掴まれる。


 レゼンアルド。

 気絶はしていなかったようだ。

 だが倒れたままの状態で、俺の脚を掴んでいる。


「くっっっ!!!」

 咄嗟にレゼンアルドを蹴り上げる。

「ぐきゃっっっ!!!」


 それでもレゼンアルドは手は離さない。

 このままでは馬に蹴り殺されかねない。


 となればだ。

「オーガーの力をなめるなぁぁぁぁっっっっ!!!!」

 俺はレゼンアルドの腕を掴んで、馬に向かって思いっきり振り回し、ぶつける。


 これはジャイアントスイングという技なのだが。

 技名を自分で叫ばないといけないというのも、色々大変だな。


 ここらへんは俺のいた大陸の方がより洗練されていると思う。


『うおおおおおおおおおおおおおっっっっ!!!!!』

 観客にはしっかり伝わって盛り上がっているのが幸いだ。


 馬の方は主人をぶつけられたことにかなり戸惑っているのか、なんか立ち止まって首を振っている。


 このまま追撃していいものか。だが馬との距離は近い。ここで動かれると受け身も取れないかもしれない。


 俺は戸惑っている馬に飛びかかって、馬の頭を脇に抱える。


「これがぁぁああああっっっ!!! オーガーだからこそできる最強の技!!!! ジャイアント・スラムじゃぁぁぁぁっっっ!!!!!」

 そして馬を抱えたまま、後方に倒れこんでいく。


『うおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっっっ!!!!!!!』


 観客達は総立ちし騒いでいる。

 馬は

【UGYUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUU!!!!!!!!!】


 馬はこのダメージを思いっきり受け、地面に倒れたままのた打ち回っている。


 レゼンアルドも立ち上がれない。


 つまり

「俺の勝ちだぁぁぁぁっっっっ!!!!! ゴングを鳴らせぇぇぇっっっ!!!!!!」


【カーーーーーーンッッッ!!! カーーーーーーンッッッ!!!】


 響き渡る鐘の音。俺は両腕を上げ吼えた。



 ガチ戦闘だから仕方ないが時間としてはそこまで長くは出来なかった。

 このあたり、しっかり打ち合わせをしてからやる試合とは内容から違う。


 そんなもの、大陸が違かろうが、闘技に関わっているバァゼルならば分かりそうなものだが。


「まだ日は長い!!! もう一試合やるぞ!!!」


 このバァゼル。

 試合終わった直後の俺に駆け寄って騒いでいるのだ。俺はまだスタジアムのど真ん中にいるのだが。

 客に丸聞こえだろうが


「誰とやるんだ。レゼンアルドは見ての通り立ち上がれてないし、そもそも馬があれじゃ無理だろ」

 指を指す。


 馬は立ち上がったのだが、そのまま俺からかなり離れ、そこから唸ったり、脚を振り上げたりと威嚇している。


 近付いたら逃げるんだろうな、あれだと。


「次の相手を用意する!!!」

 次の相手。


「お前馬鹿か? 今から次の相手って賭けも成立してない状況で、一体誰と……」


 するとバァゼルは手にしていた音声拡大装置を使い始め


『この試合はご覧の通りデアグレンの勝利です!!! 賭け金の清算は通常通り行います!!! しかし!!! まだこの会場に入れないお客様が大量にいらっしゃいます!!! 今から観客の入れ替えをして戦いを行います!!! こちらは対戦相手は未だに決まっておりません!!! この中で!!! デアグレンと戦っていいという猛者はおりませんか!?』


 はあ?


 観客も

『ザワッッッッ!!! ザワッッッッ!!!』

 かなりどよめいている。


『アピールを聞いた通りです!!! デアグレンに勝てば皇帝の姉の他にも!!! コンテスト準優勝の美人もついてきます!!! これほどの機会は他にない!!! 見ての通り武器有りでもいい!!! どなたか!!!???』


 こいつ、本気でなに言っているんだ?

 と困惑していると


「俺がやる!!! 武器ありならば俺がぶっ殺してやる!!!」


 そう言って、観客席から絶叫が響く。

 そちらを見ると、男が観客席から転がり落ちるように、こちら目掛けて落ちてきた。


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