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トロール族との闘い

 トロール族との闘い。

 今まではこちらが巨体を活かした戦い方をしていたわけで、今までと同じような戦い方をすれば負ける。


 相手は巨体の割に素早いが、それはこちらもそう。

 突進でタックルしてこようとするガァィザランをギリギリまで引きつけ、その巨大な頭に飛びつく


「なっ!!!!???」

「これがぁぁぁぁ!!! ランニング・ネックブリーカー・ドロップ!!!!」


 相手の首を腕に引っ掛け、そのまま相手の後頭部を叩きつける。


 体格差が大きい相手では本来これはそこまで威力が出ない。だが、相手の突進の勢いを借りれば


【ガンッッッッ!!!!】

 地面に叩きつける鈍い音と

「ぐおおぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっ!!!!!」

 まさかカウンターされるとは思っていなかったのか、ガァィザランはまともに受け身を取れず、頭を抱えてのたうち回る。


【うおおおおおおぉぉぉぉぉぉっっっっ!!!】

 観客からは興奮したような大歓声。


 俺はそのままガァィザランに近付くと

「なめるなぁぁぁぁぁっっっ!!!!」


 手を水平に叩きつけてくる。

 倒れた状態からのチョップなのであまり威力は無いはずだが


【バシンッッッッ!!!】

 腕で受け止めたそのチョップで身体が仰け反りそうになる。


 これは凄い威力。

 マトモに受ければ気絶をしかねないな。


 ガァィザランのマネージャーがあっさりと

「勝敗未定のガチ勝負でいい」と受けた理由はわかる。

 これだけの力があれば、相手に一撃与えれば勝ちが決まりかねないからな。


 俺が仰け反ったのを見て観客達の歓声は大きくなる。

 ガァィザランは立ち上がり、今度は俺にのしかかるように、跳躍しボディプレスを放ってくる。


 マトモに受ければ下敷きになり抵抗できなくなる。

 だが、このまま避けては闘技とは呼べまい。


 俺はその場から動かず、迫ってくる巨体に向かい構える。


 そして相手の首に向かい脚を蹴りだしながら跳躍。


「ライトニング・レッグ・ラリアット!!!」

 お互いが跳躍しながらの技。相手の体重は重い。そうなれば、そのぶつかり合った技の威力はより強くなり


「ぐぅぅぅぅうううああああああああっっっ!!!!!!!」

 そのまま地面に落ちる。


 連続のカウンター技が決まるが、俺の脚も相当な痛みが走っている。


 蹴りでこれか。素手で攻撃してもこちらの拳が痛むだけだな。


「ガァィザラン!!! どうした!!! その程度の攻撃!!! お前なら平気だろう!!!」

 相手のマネージャーからの激励。

 そう言えばここの闘技場は実況も解説も無いのか。

 まあ見た目派手な戦いをしているから問題あるまい。


 マネージャーからの激励にガァィザランは立ち上がるが、構えをして近づこうとしない。


 連続でカウンターを受けたことで警戒しているのだろう。


 ここでまた突っ込んでくるようならば、実際にカウンターしていたが。

 ガァィザランも歴戦の闘技士なのだろう。


 だがずっと睨み合っているわけにもいかない。今度は俺が突進していく。


【うおおおおおおおおおおおおっっっっ!!!!】


 大歓声。

 ガァィザランは大きく手を広げてこちらを捕まえようとしている。


 そうだな。これだけ体格に差があるならば、そのように一撃覚悟で捕まえて、そこから料理した方が確実だ。


 俺は腕を直角に曲げ、そのままガァィザランの顔面目掛けて跳躍する。


「なっ!!!!」

「くらぇぇっっっ!!!!」


 自分の腕を斧に見立て、それを思いっきり振り下ろす。


 このままいけば両腕で掴まれる。

 だが顔面に思いっきりダメージを与えれば当然仰け反る。

 それを狙った技。

 これに怯まなければ俺の勝ち目は薄くなるが


【ガスッッッッッ!!!!!!】

 だからこそ俺は思いっきり相手の顔面に肘うちをぶち込んだ。


 今までの感触からいって、トロール族の肌は相当硬い。


 拳では無理。

 そうなれば肘うち。


「がぁぁぁぁぁぁああああああああああっっっっ!!!!!!」


 怯んだ。

 俺はそのまま蹴りで跳躍し離れる。

 相手は顔を押さえて呻いており、こちらには来ない。だが怒りと痛みで突進してくるかもしれない。警戒していると


「バァゼル!!! こいつは無理だー!!! 俺には勝てねーーー!!!」

 ガァィザランが叫んだ。


「はあ!!!??? てめえ!!! ふざけんな!!! まだ戦えるだろうが!!! 勝手に負けるな!!! 負けたら大損するんだよ!!!」


 相手のマネージャーが叫ぶ。

 なんだ。よくこんな勝ち負け未定の勝負なのにこんな大会場借りたな、と思ったら、絶対ガァィザランが勝つと思って手筈していたのか。


 だとすれば、裏社会からも金が流れているかもしれない。

 だとすれば大損だろうな。なにしろ裏社会の人間にごめんなさい。負けたのでお金くださいとは言えない。


 マネージャー側が賭け金ぐらいは補填しないといけなくなる。


 ウロポロスもそのあたりよく苦労していたようだが。


 だが

「これだけ観客入れば、観客料だけで十分だろうが!!! 俺はこいつとは相性が悪すぎる!!! これ以上続ければ大怪我をしかねんぞ!!!」


 凄いな、こっちの闘技は試合会場で直接マネージャーとやり取りするのか。向こうでは有り得んな。


 そのやり取りに向こうのマネージャーは苦虫を噛み潰した顔をして白旗を上げる。


【カーーーンッッッ!!! カーーーンッッッ!!!】

 響き渡る鐘の音。


 俺はそれに被せるように


「この程度か!!! 言っておくが俺はこんなモノではないぐらいに強いぞ!!! 強さに自信がある奴はドンドンかかってこい!!! 女も歓迎するぞ!!! レムが言っていたことを味わいたいやつはいくらでも来い!!! 徹夜で教え込んでやる!!!」

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