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街で絡まれる

「そう言えば私ってそういう目的で買われたんじゃないかなーーー??? っとふと思いまして」


 昨日寝るときにこっちを見ていたレム。

 翌朝話しかけたらこれ。


「ああ。随分好みになった。元々は痩せすぎたから手を出さなかったが」


「ランさんとフルさんも言ってました。ご主人様は柔らかいのが好きと」

 柔らかい。そうだな。ふくよかというか、俺は女の柔らかい肉が好きなのかもな。


 そしてレムは自分の肉をつまみ

「柔らかくなったかなー? と」

「……まあ。以前に比べればな。とは言え俺は無理矢理は好まない。俺はあくまでも楽しく食って、楽しく飲んで、楽しく抱きたい。無理矢理したり、我慢されてやられても困るだけだ。お前は本当に旨そうに飯を食う。同じように好きになったら抱かせろ。それだけだ」


「………………」

 レムは大きく首を傾げ


「……なんでこんな天国みたいな環境があるのに、私の家はあんなに地獄……?????」


 レムが朝から悩み始めたので、俺は外に出た。



「治安がいいな」

 街をノンビリと歩く。

 治安の悪い街に必ずいる盗賊。


 窃盗団など当たり前のようにいるのが普通の街だが、この街にはそういうものが殆どいないというのが街の人々の暮らしから窺える。


 皆、荷物を下におろし、愉快そうに喋っている。


 あんなもの盗人がいれば速攻で取られる。

 奴らは気配など素人には気取られないからな。


「少し歩くか」


 ランとフル、レムを連れて街をノンビリと歩く。

 するとレムがやたら見られる。


 今はレムにはちゃんと厚着をさせているのだが。


「見られてるな。まあ治安は良さそうだし襲われそうにはないが。念のため少しそばに寄れ」

「はい!」


 レムは嬉しそうに抱きついてくる。


「だきつくなー」

「そばに来るだけでいいのだー」

 ランとフルは不満そうにする。


「気にするな。こういうのもいい」

「でもー」

 不満そうにするランに


「レムとはまだ寝ていない。お前らとは寝た。他になにか言葉が必要か?」


「はーい♡」

「ないでーす♡」


 二人も被さるように抱きついてくる。

「……わたしも今度ねたいなーって」

 レムが当たり前のように言う。


「……そう言えばお前、俺以外の男と寝たことあるのか?」

 それにフルフルと首を振り


「ガリガリでそれどころでは」

 人族からみてもそうだったんだろうな。生きるだけで必死。


 女を売るにもそれなりの栄養がいる。レムはそれ以前の問題だった。

 今はすっかり女らしくなったが。



 ランとフルがレムを引き剥がそうとしているが

「……いや、そうしてろ」

 気配。


 俺も闘技士。闘いの雰囲気、殺意、そういったものを感づく能力はある。


「なんのようだ? 出てこい」


 すると数人の男達が現れる。

 身なりは悪くなさそうだ。とても盗賊には見えないが、手には剣や棒を持っている。


「……いや、用というかな。そこの娘のことだ。お前さんはゴブリン族を囲っているのだろう? その人族の娘は不要だろう。譲ってくれ」


 またそういう話か。

 だが、普通に声をかけずに機会を窺っていた。しかも手には武器まで持っている。


「断る。こいつは俺の女だ」

 そう言って抱える。すると


「まだ生娘なのだろう? これだけの上娘で生娘。人族から見れば珍しいのだ」

「その娘はゴブリン族の下についているのだろう? 別にその娘でなくともいいはずだ。ちゃんと金は払う。売ってもらえんか?」


 そう言って男は金貨を置く。

 金貨30枚(300万円)程度か。


「俺はこの女がガリガリの時にその値段の倍で買い取ったが」

 そう言ってレムの肩を抱き寄せ


「今の価値は金貨5000枚はくだらんと信じている。そこの二人もだ。俺は闘技士デアグレン。成功者にはそれに相応しい女が必要だ。レムはそれに相応しい」


 俺は笑い


「だが初めから交渉が決裂したらを想定していたんだろう? 来い。相手になってやる。武器ありでいいぞ。闘技士はな、武器があろうがなかろうが関係ないのだ」


 俺は3人をそっとはがし構える。

「戦う気があるならば、かかってこい」


 だが男達は遠巻きからこちらを窺っているだけ。近づきもしない。

 何人かは怯えて震えているようだ。


「……やらないのならば別にいい。おい、いくぞ」

 俺は振り向き女達を抱える。


 その瞬間

「ご主人様!」

 レムの叫び声。


 だがそんな声が無くとも気配と音でで分かる。


 一人が突進してきた。おれは振り向きもせず

「レム、よく見ておけ」

 俺は片足を後方に向かい真っ直ぐ伸ばし


「闘技士とはな、これぐらい恐ろしいものなのだ」

 迫り来る相手の喉元に蹴りをぶちかます


「ぐぎゃぁぁぁああああああああっっっ!!!!」

 吹き飛びながら絶叫する男。


「今のはスラーストキックという技だ。無料で見られるとは運がいいな」


 他の男達は怯えたまま立ち止まっている。


「いくぞ」



「……あの人、大丈夫ですかね?」

 少し歩いた後にレムが少し心配そうに言う。


「大丈夫だ。叫んでいたろう? 人間叫べているうちは生きている。それにあれはかなり力を抜いていたからな。血もあまりでておらんと思うぞ?」


 まあ見てはいないが。


 レムは微笑み

「ご主人様! めっちゃ強いです! わたし、今回の件でご迷惑をおかけしました! お詫びと御礼を兼ねて今夜抱いてください!!!」


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