表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なんでもない部、と、生徒会!  作者: 寒川吉慶
5/12

なんでもない部、活動記録

どうも、みなさん改めまして、三枝杏です。

わたしたち、なんでもない部の日常の水筒ティータイムの一部を見てもらおうかなって思ってね。

わたしの覚えてる限りだけど、よろしくね。

もしかしたら、第2弾があるかもよ。


――2018年5月24日


「みんな、おでんの具で何が好きですか?」


5月だというのに茜が突然おでんトークを切り出したが、わたしたちの会話はだいたいいつもこんな感じで始まるのだ。


「私は、うーん……ウインナーかな」


「え、おでんにウインナー入ってるですか?」


私の家では入ってないから、かなり意外だ。


「え、普通に入ってるわよね?」


「木暮家にも入ってます!」


みんな結構入ってるんだ……


「杏もやってみて。これが美味しいのよ。ウインナーって、おでんの具の中ではかなりジューシーな感じでしょ?牛スジとは違ったベクトルでさ」


「ベクトル……ってなんです?」


ナイス、茜。私もそれ思った。


「あ、えっと……数学の、いや、理科なのかな。なんか、力があるとしたら、必ず大きさと向きがあるのよね」


「???」


意外と、美咲先輩はテンパるのが早い。


「まあ、なんというか、『感じ』よ!『感じ』。ウインナーは牛スジとはまた違った感じでジューシーなの」


「分かりますよ!先輩!ベクトルは全然分からなかったけど!」


「うっ……」


茜が無邪気な刃を美咲先輩に突き立てる。


「将来先生になりたいんだから、もっと説明上手くならなきゃな……」


「杏は?杏は何が好きなの?」


わたしか。

ぶっちゃけ全部おいしくて好きなんだけど、家族にとられると悲しいのは……


「玉ねぎ揚げ」


「めっっっっちゃ分かる!!」


茜から絶大な支持を得たようだ。


「玉ねぎ揚げって、なに?」


「あれです!小さめの練り物で、中に刻んだ玉ねぎが入ってるやつです!」


テンションが急上昇したら茜がそのまま説明する。


「あ!あれね!私練り物は若干苦手だけど、あれなら美味しく食べれるわ」


「あれ美味しいんですよねー。なんであの中の玉ねぎあんなに甘いんでしょう……

食感も最高ですし。スーパーのおでんセットにちょっとしか入ってないのがもったいない」


わたしの舌も回る回る。


「ふふ。杏、よっぽど好きなのね」


私のあまりの熱弁に美咲先輩が笑う。


「いやー、分かるよ。あれはおでんを華やかにしてくれる。若干存在忘れてたけど、私も3、4番目とかに好きだな」


「じゃあ茜の1番はなんなの?」


わたしが聞くと、茜は淀みなく答えた。


「そりゃあ、スープだよ」


「スープ?」


「そ。卵が若干溶けたスープ」


「いやあんた細かすぎるでしょ」


「具っていったの茜でしょ」


わたしと美咲先輩からの一斉ブーイング炸裂。


「いやいや、あれにご飯とか入れて食べてみな。抜け出せなくなるよ」


「薬物じゃないんだから」


「確かにあれは美味しいわ。途中でからしを入れたりしてね。美味しいのよね」


「ですよね!美咲先輩!」


「というか、美咲先輩からしつけるんですか、大人ですね……」


「からし美味しいわよ?納豆のパックに入ってるやつだからそこまで辛くないし」


「あ、わたし納豆にからし入れられないんです……」


「え!そうなの!でもさ、杏お寿司にはわさび結構つけるよね」


「あ、逆に私がわさび苦手だわ……」


「えー!先輩それ可愛いですよ!ギャップ萌えってやつです」


「何ばかなこと……」

―――――――――――――――――――――――――


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ