第1話 超人気アイドルグループは皆俺の身内だった
小説家になろう、初連載になります。
どうぞよろしくお願いします。
~~♪
4月も中頃を過ぎ、桜も散って初夏の香りを感じる今日この頃。
付けっぱなしのTVから聞き覚えのある歌声が聞こえる。
どうも音楽番組が流れているらしい。
俺――桐生連がそちらを振り向くとそこでは3人の美少女が歌っていた。
センターの青い髪はポニーテールにした切れ長の目がクールさとミステリアスさを感じる美少女はその見た目とは裏腹に情熱的に、上手側の薄い茶髪のロングヘア―で優し気な垂れ目な瞳が―見つめられたら大体の男はのぼせ上る様な―カメラを鋭く捕らえながらもその動きは妖艶かつ優雅に、下手側の金髪ツインテールで大きな釣り目が特徴で若干幼さも感じる美少女は楽しそうにでもキレよく歌い踊っている。
凄いな~と俺は彼女達を観て唯々感心していた。
彼女達は今世間では話題沸騰の超人気アイドルグループ「ディーヴァ」だ。3年前のデビュー以来、飛ぶ鳥を落とす勢いで売れまくり、TV、ネット、ラジオ、雑誌、色々な撮影や取材に引っ張りだこで彼女達を見ない日は一日もない。
SNSでも常に「ディーヴァ」またはメンバーの誰かはトレンド入りしている。
それだけ今や大きな存在なのだ。
だが、俺にはそれだけじゃない。「ディーヴァ」は全員俺の知り合いも知り合い、皆近しい人達なのだ。薄い茶髪のロングヘア―の妖艶で優雅なアイドルは俺の実の姉・桐生水沙17歳、青い髪のポニーテールで切れ長の目が涼しいクールな雰囲気のアイドルは俺の家の右隣に住む従姉で幼馴染の芹野綺夏16歳、そして金髪ツインテールの大きな釣り目の元気娘は俺の家の左隣に住むこれまた幼馴染の須田穂希俺と同じ15歳だ。
全員俺の関係者というのもなかなか凄い偶然だと思うが、3年前に3人で街中を歩いていた時にスカウトされて今に至るらしい。
3人は年は違えど幼馴染でよく一緒に遊ぶことが昔からあったのだ。
もとから3人は地元では有名な美少女トリオだったから今の現状は本人達の努力もあるがまぁトップアイドルになったのも必然だったんだろうなと俺は今でも彼女達には感心しているし、尊敬の念も持っている。
そんな事を想ったらちょうど歌い終わった様で司会のアナウンサーが興奮しながら彼女達のパフォーマンスの感想を語り、彼女達に話を振る。
彼女達も息は上がりながらも充実した表情を浮かべ、各々的確に番組が引き出したいであろうコメントを語っていく。
本当凄いな、この3人…と思いながら時計を見ると俺は驚いた。
「やべっ!もう時間無いわ」
俺はTVを消してある場所へ向かう為に急いで家を出た。
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