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かわいいうえにおうちいけるからお得。

今日のひとことメモ

はれぞらかける

しみずあまね

と読みます。簡単ですね。あらすじにも書いてあります。




「ボク、男の子だよ?」

 幼なじみに告白されてしまった。

 その幼なじみはれっきとした男であり、ボクの性別もしっかりと男なのだが、おかしい、翔がボクに好意を持っているのは知っていたけど、恋をしているなんて、まったくもって知らなかった。

 ボクはそもそも男だし、翔は男が好きなのか? いや、確かに翔はボクに対して非常に馴れ馴れしかった気もするけど……しかし、幼なじみのボクだけが知っている情報を照らし合わせれば、翔はフリフリのお洋服を着たかわいらしい女の子が好きなはずだ。断じてボクのようなむさくるしい男子高校生ではない。

「ああ、お前は男の娘だ」

 少し、いや、かなり違和感を感じるけど、この際、それには目をつぶって、目の前でなにを当たり前のことをという感じで視線を向けてくる幼なじみに対して問いかける。

「なんで、ボクなの? 翔ならボクのような男なんかじゃなくて、もっと君のことを好きになってくれる素敵な女性と付き合えるんじゃない?」

 言っていて、なんだか悲しい気持ちになってくるけど、翔のことを説得するためならしょうがない。ん? なんで今、悲しい気持ちになった? 翔にボク以上にふさわしい女の子がいたからってなんだ?

 しかし、そんなボクの思考を遮るように──いや、別に遮ってはいないんだけど──翔がボクの質問に答えていた。これまた真顔で。

「お前のほうが、かわいいからに決まってるだろ。オレはお前以上にかわいい生物を知らないよ」

 かわいい? ボクが? かわいい、だって? まさか、ボクがかわいい? そんな……えへへ、って、違う違う、否定しないと。

「実のところを言うとな、お前はこのクラスのマドンナだ。このクラスの男子の半分くらいはお前に恋をしている。オレが抑え込んでいなければ、すぐにでも告白されていただろうな」

 明日からどんな顔をして学校に行けばいいのか、わからなくなってくるような情報を付け加えてくる翔に、大切な質問をもう一度、する。

「どうして? ボクは男の子だよ? 他のクラスの人たちのことなんてどうでもいいよ。ボクな──」

 ボクがその言葉を言い終わる前に、言ってしまう前に──もしかしたら、言わせないようにしようとかそんな思考が翔のなかにあったのかもしれないけど──この世界の誰よりも素敵な、不敵な笑みで、

「オレはお前に何度だって言うぞ──好きだ。付き合ってくれ。オレはお前が隣でずっと笑ってる姿を見ていたい」

 急激に顔面の体温が上がっていく感覚を覚え、反射的に顔を逸らしてしまう。なんとなく……そう、なんとなく、この真っ赤に染まった顔を見られたらまずいと思った。自分のなかでなにかが壊れてしまうようなそんな気がしたのかもしれない。

 だから、そんな考えから目を逸らしてしまおうと、この状況をなんとかしたいとそう思って、とっさに言ってしまったのだと、そう思う。

「そろそろ、帰らない? 続きは家で話そう」

 結果、これがボクと翔の恋物語を急激に加速させたとしても──。




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