1shot 始まり
コロナのせいでサバゲー出来ません(T_T)なのでなんか書いて気晴らしします。
~202X年6月都内室内サバイバルゲームフィールドにて~
「あばばば!!」
一人の男が無様に地面を這いつくばり必死になって大量に飛んでくるBB弾を回避していた。初めてのサバゲーをやるという事で、興奮して前日は寝付けなかった。なので目を瞑りながら妄想してイメージトレーニングをして準備をしてきたが、
「イメージと全然ちゃう!!」
イメージとしては華麗に相手のBB弾を回避しながら、カウンター気味に射撃して相手の眉間に当て即死させるハリウッド映画のワンシーンだ。しかし現実は、狙って撃つ隙が無さすぎる。弾幕が一時止んだので立ち上がり、ほんの少し隠れていた壁から身を出した瞬間、
パシッ!
頬に鋭い衝撃を感じ、BB弾が当たった事に気がついた。
「ヒ、ヒット~!」
原はルール通りヒットコールをして、万歳降参ポーズをとった。
~少し前に戻り5月某日、都内のオフィス~
原 正幸はドリンクコーナーで買ったカフェオレを飲みながらスマホを弄り休憩中だ。隣では同期で同じ部署の石原 拓也も一緒に休憩中だった。
「お!サッカー日本代表がワールドカップベスト8決定だってよ」
「最近のサッカー業界がんばてるねぇ」
なんて石原の独り言のような言葉に原は意味の無い返答を返す。まったりモードだ。
「そういえば会社道路向かいのお化け屋敷あるだろ?」
「お化け屋敷?ああ、あれか」
石原は窓の窓の外からその見た目お化け屋敷を見ている。
通称、お化け屋敷は周りが高層オフィスビルの中にポツンとある木造で相当年期の行っている建物で、人の気配もないので石原はそう呼んでいる。所々補修されている昭和の香りがするような建造物を二人で見ながら話を続ける。
「1日に何回か宅急便がそこそこな大きさの荷物を運んでるのを見るんだか、なんかの店なのかね?」
「気になるけど、看板も見たことないし普通に人が住んでるだけじゃないかな」
「こんなビルとの間で、か?」
適当な話を始めたら急に気になり出してきた原と石原は、休憩時間終了までお化け屋敷に宅配便がまた入って行くところを眺めながらドリンクを飲みきった。
1日の業務が終わり会社を出た。今晩は石原と晩飯を食べる予定だったが、クライアントからクレームの連絡があって残業になったらしい。仕方ないので一人で、油マシマシこってりラーメンでも食べて帰ろうかと思って立ち止まり、会社向いのお化け屋敷前でラーメン屋をスマホで検索していたらちょうど宅配便の人がお化け屋敷から出てきた。
「いつもご苦労様です。明日は4箱以上出ると思うのでよろしくお願いします」
「わかりました。また、お荷物預かりします」
女性の声と宅配便の人の声が中から聞こえて来たので思わず中を覗いてみたら、ここが日本国という事を忘れてしまいそうになるぐらいの光景が広がっていた。
「武器庫かな?」