愛のある結婚をしようか?
なんか...こう...なんて言うんだろう。
話が通じない。うん。話が全く通じない。
それはそれはびっくりするほど。
「そ、そういう問題じゃないだろう!?とりあえず出ていってくれ!」
やめろやめろ...え?なんで?俺、悪いことした?とでも言いたいような潤んだ目でこっちをみるな!!
「...そうだよね。急に出てきて好き・結婚して欲しいは無いよね...」
結婚...?そんなこと言ってたっけ?
そう思いながら私の顔を見つめてくる彼を見る。そ、そんな顔されても出て行ってもらうからな!
絆されないからな!?
ほ、ほだ...
...でも、なんでだろう。そんなに悪い人には見えない。イケメン効果?
「しょうがない...今日だけだからな!この部屋から出るな!水もあるし喉も乾いたら勝手に飲め!あとソファで寝てくれ!それでいいか!?」
我ながら優しすぎると思う。
私達が今いるリビングにはキッチンもあるし喉が乾いても水が飲めるだろう。それにソファあるしまぁ1日なら我慢できるはずだ。
...それなのに。
なんなんだ!その顔は!!
何でそんなに不満そうな顔なんだよ。
「すみれの隣で寝たい。一緒のベッドで寝たい。そして俺自分で水飲めない。飲ませて?」
殴った。
なんだこの男。図々しすぎるな。
やめろやめろ!キラキラするな!喜ぶな!
「ふふっ可愛い。今撫でてくれたの?」
「撫でてないわ!殴ったんだよ!」
そう言い返すと男は急に顔を近づけて来た。
焦った私は距離を取るため座ったまま後ずさった。が、彼の方が早く私の後頭部を抑え
髪の毛を咥えた。
髪ぃぃぃぃぃ!?
た、食べるな!食べるなぁ!ひぃっ!もぐもぐしてる!!!!
「おいひぃ、おいひそうな匂いしてたふぁら...つひ...ごへんなふぁい。」
「こら!謝罪中ぐらい髪を離せ!!はぁなぁせぇ!!」
私は一生懸命髪の毛を離させようと髪の毛を掴み男の顔面を抑えてみた。
が、全然離さない。
このままでは私は禿げてしまう。
そこまで行かなくてもショートヘアに歯でカットされてしまう。
それだけは何としても避けたい。
ここまで綺麗に伸ばすのに結構な時間がかかったのだ。やめて欲しい。何としても...
しかも地味に頭皮が痛い。
なんか髪食う力強くなっていってる...?
「わk...わかった!何でもするから!はな...はなせええええ!!」
そう叫んだ後にはた...と気づいた。
そうして...
「......なんでも?」”なんでも!?”
私が気づいた時、彼に同時に指摘され
絶望した。なんでもなんてそんなに軽く言ってはいけない言葉である。
しかも一応不審者に。
黒い笑顔でこっちを見てくる彼は言った。
「じゃあ俺と...愛のある結婚をしようか?」
髪...髪を食うなって髪ぃぃぃ!!
なんか木君の名前どうしようか迷い中適当に付けます。
次の話で出てきそうだし...(´・ω・`)